建設業が業務システム・ITに使える補助金は?採択された使い方と事例

この記事の要点

建設業の業務システム・ITは、ものづくり・新事業進出補助金で採択された例が最も多いです。採択事例55件をもとに、多い補助金と実例を整理しました。施工管理や測量、見積の仕組みづくりの例と、対象条件も確かめられます。

この記事の目次
  1. ものづくり・新事業進出補助金が84%
  2. 施工管理をシステムでつなぐ
  3. デジタル化・AI導入補助金が13%
  4. 事業承継・M&A補助金は1件だけ
  5. 地域は山口県が5件で最多
  6. 中小企業の基準は業種と規模で決まる
  7. 補助上限は業務の工程の数で変わる
  8. 間違えやすい点
  9. 採択率は公募回で変わる
  10. 専門家から見たポイント
  11. よくある質問
結論

採択事例のうち、建設業の業務システム・ITの事例は2026年10月時点で55件あり、84%にあたる46件がものづくり・新事業進出補助金でした。

次いでデジタル化・AI導入補助金が7件(13%)です。施工管理や測量をシステムで効率化する例が見られ、対象条件と経費の決まりも本文で確かめられます。

施工管理や見積をシステムで改善したいが、どの補助金で採択された例が多いのか分からない。建設業が業務システム・ITに使える補助金を知りたい方に向けた記事です。

業務システム・ITの導入は、ものづくり・新事業進出補助金やデジタル化・AI導入補助金で採択された例が見られます。ものづくり・新事業進出補助金の決まりは公募要領の台帳で確かめられます。

ものづくり・新事業進出補助金が84%

採択事例のうち、建設業の業務システム・ITの事例55件(2026年10月時点)の補助金の内訳は次のとおりです。

補助金 件数 割合
ものづくり・新事業進出補助金 46件 84%
デジタル化・AI導入補助金 7件 13%
事業承継・M&A補助金 1件 2%
持続化補助金 1件 2%

割合は建設業の採択事例55件に対するものです。ものづくり・新事業進出補助金の事例では、設備の導入や3Dモデルによる提案などに使われています。個別の事例は建設業の採択事例で見られます。

施工管理をシステムでつなぐ

ものづくり・新事業進出補助金の事例では、施工管理や測量を機械やシステムで効率化する計画が見られます。ITの活用を軸にした計画は、業務システム・ITの採択事例でも読めます。

13D建機と施工管理

2ICTの土木施工管理

危険な傾斜地の測量を、ドローンと3次元レーザースキャナーで省力化

水新建設株式会社✓ 経産省などの認定・選定

成果高精度な3次元測量により作業人数や日数が大幅に省力化され、傾斜地や危険な場所にも立ち入らずに安全に計測できるようになりました。

設備導入3Dプリンタ・スキャナ建設・測量の機械業務システム・IT設計・CADソフト新事業・研究開発人材育成・賃上げ

3施工品質のチェック

デジタル化・AI導入補助金が13%

デジタル化・AI導入補助金の事例は7件(13%)です。見積の積算、測量の点群処理、見積と原価の管理を一つにまとめる例が見られます。制度の決まりはデジタル化・AI導入補助金の公募要領の台帳にまとめています。

1積算業務のシステム化

2通常枠|測量の点群処理の内製化

3通常枠|見積と原価の管理

事業承継・M&A補助金は1件だけ

事業承継・M&A補助金は、建設業の採択事例のうち1件(2%)です。持続化補助金も1件(2%)あります。事業承継・M&A補助金の例は、社内の業務アプリを外販に生かす計画でした。ほかの事例は建設業の採択事例で見られます。

地域は山口県が5件で最多

採択事例のうち、地域別では山口県が5件(9%)で最多です。広島県・宮崎県・長崎県・鹿児島県は各3件(5%)でした。地域の傾向は建設業の採択事例でも確かめられます。

地域 件数 割合
山口県 5件 9%
広島県 3件 5%
宮崎県 3件 5%
長崎県 3件 5%
鹿児島県 3件 5%

中小企業の基準は業種と規模で決まる

デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、業種ごとの資本金か従業員数の基準を満たす中小企業等が対象です。御社が当てはまるかは、次の2点で確かめます。

確かめること 公募要領の決まり
中小企業等の基準 中小企業等の定義(例:製造業等 資本金3億円以下又は従業員300人以下、小売業 5千万円以下又は50人以下 等)
小規模事業者の基準 商業・サービス業 5人以下、宿泊業・娯楽業 20人以下、製造業その他 20人以下

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.5『2-1-1(1) 中小企業・小規模事業者等の定義』台帳で見る
デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.6『2-1-1(1) 小規模事業者の定義』台帳で見る

建設業がどの区分に入るかは、表の業種と御社の資本金・従業員数を照らして決まります。ほかの枠の条件は公募要領の台帳にまとめています。

資本金と従業員数のどちらで見るのか迷うときは、会社のURLを入れるだけでAIが確かめます。

AIで対象か確認する

補助上限は業務の工程の数で変わる

デジタル化・AI導入補助金の通常枠では、業務の工程の数(プロセス)で補助額の範囲が分かれます。

工程の数 補助額の範囲
1プロセス以上 5万円~150万円未満(1プロセス以上)
4プロセス以上 150万円~450万円以下(4プロセス以上)

補助率は1/2以内です。対象経費は、ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費などです。申請の締切は、公募要領に締切日の記載なし(受付スケジュールは本事業ホームページに順次公表)。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.16『2-3 補助対象経費、補助率及び補助額』台帳で見る
ほか2件デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.2『通常枠について(概要表)』台帳で見る
デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.20『3-2(3) 交付申請期間』台帳で見る

ものづくり・新事業進出補助金の補助上限や枠ごとの条件は、公募要領の台帳で確かめられます。

間違えやすい点

間違えやすいのは、購入の時期、リースや中古の扱い、事例の公募回です。

  1. 交付決定前の購入は対象外。通常枠では、対象外の経費に交付決定前に購入したITツールが挙げられています。
  2. リースと中古品は対象外。対象外の経費に、リース・レンタル契約のITツール(お助け隊サービスを除く)、中古品が挙げられています。
  3. 事例は過去の公募回のもの。ものづくり・新事業進出補助金の事例は平成25〜30年度の採択で、補助上限や経費の決まりは今の公募要領で確かめます。
  4. 制度ごとに数字が違う。通常枠の補助額の範囲を、ものづくり・新事業進出補助金など別の制度にそのまま当てはめません。

出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.15『2-2(4) 補助対象外となる経費』台帳で見る

採択後の交付申請と実績報告の流れは採択後の交付申請と実績報告で取り上げています。

採択率は公募回で変わる

採択率は公募回ごとに動きます。旧ものづくり補助金の公募回ごとの採択率は、次のグラフで推移を確かめられます。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の採択率(公募回ごと)

ものづくり・全23回の平均46.8%
主要7制度の平均47.9%

最新の23次は35.1%(全23回の平均は46.8%)

棒の下の数字は公募回・応募数・採択数です。横にスクロールすると過去の回が見られます。

公募回応募採択採択率
23次 2026/08/071,27544835.1%
22次 2026/04/301,55258237.5%
21次 2026/01/231,87263834.1%
20次 2025/10/272,45382533.6%
19次 2025/07/285,3361,69831.8%
18次 2024/06/255,7772,07035.8%
全23回の平均4,3472,03446.8%

出典:ものづくり補助金 事務局「採択結果」・中小企業庁「採択結果」(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、各回の公表資料)。採択率は採択数÷応募数で当社が計算しています。公募回の名前から各回の発表ページを開けます。

ほかの補助金の採択率と採択事例を見る

※ グラフと採択率は、今のものづくり・新事業進出補助金になる前の、旧ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の採択結果です。今の制度の採択結果は、公表されたら差し替えます。

採択されなかったときに理由を聞けるかは、補助金の不採択の理由は教えてもらえる?で取り上げています。

専門家から見たポイント

建設業の採択事例は、設備やITで現場の作業を短くする計画が中心です。公式の採択データでは、23次は応募1,275件に対して448件が採択され、採択率は35.1%でした。

採択された計画の傾向はものづくり・新事業進出補助金の採択事例で確かめられます。

作業時間を数字で示せる会社

導入前と後の時間で成果を示せる会社は、事例の書き方を参考にしやすいです。門型ドリルマシーンの例では孔あけ加工時間が50%削減され、三次元計測の例では施工時図面作成が10日から4日になりました。

見積や原価を一つにまとめたい会社

積算や原価の管理を作り直したい会社は、デジタル化・AI導入補助金の事例が近いです。積算のシステム化では、見積の精度が上がって数件の追加受注につながりました。

測量や外注を内製に変えたい会社

外注に頼る作業を社内に移したい会社は、点群処理の内製化の例が参考になります。年間で数千万円かかっていた外注費を減らし、2〜3日かかっていた測量が半日〜1日に縮まりました。

施工管理のシステムと現場の機械を組み合わせる計画が、どの補助金・どの経費区分に入るかは、専門家に無料で相談して確かめられます。

よくある質問

建設業の会社でも申請できますか?

業種ごとの資本金か従業員数の基準を満たす中小企業等であれば対象です。基準の数字は、対象条件の節の表で確かめられます。

建設業の業務システム・ITには、どの補助金の採択が多いですか?

採択事例の55件(2026年10月時点)では、46件がものづくり・新事業進出補助金です。ほかの事例は建設業の採択事例で見られます。

紹介された事例は、今も同じ使い方で申請できますか?

ものづくり・新事業進出補助金の事例は平成25〜30年度の公募回です。補助上限や対象経費は公募回で変わるため、今の決まりは公募要領の台帳で確かめます。

採択後に何を出せばよいですか?

交付申請と実績報告の流れは、採択後の交付申請と実績報告で取り上げています。

ほかの「よくある質問」を見る

ほかの質問も見るものづくり・新事業進出補助金のよくある質問
出典

公募の受付状況

新事業進出・ものづくり補助金

公募回
第1回
締切
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公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)

よく採択されているテーマ

ものづくり補助金で採択された計画39,169件を、やりたいことで分けました。

ものづくり補助金では「設備導入」が24%で一番多く、次が「新事業・研究開発」(17%)です。

業種ごとのテーマを見る ›

「設備導入」で採択された計画名の例

  • ウォーターPPP対応の下水道管理・運営サービス向け設備の導入
  • 匠の技の技術承継と自動化による生産性向上を実現する
  • 最新ベンダー導入によるボイラー向け大型特殊煙道の製品化事業

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

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