最新鋭ランニングソー導入による生産性向上と新商品開発への取組み

株式会社岡田建具製作所

この事例のポイント

  • ランニングソーの老朽化で動きが悪くなり故障しやすくなって、稼働率が低下しています。
  • 木材の切断工程で使うランニングソーを、2021年に最新鋭の機種へ更新しました。
  • ランニングソーの導入により仕上工程に要する作業時間が大幅に短縮されました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社岡田建具製作所
所在地北海道 恵庭市
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン,情報処理,精密加工,製造環境,接合・実装,立体造形,機械制御,材料製造プロセス
従業員数28人
資本金3,600万円
設立1967年

事業の背景

同社は札幌と近郊の一戸建て住宅や賃貸マンションに設置するドア、キッチン、洗面台などを主に製作しています。建具は工務店や客からのオーダーで作る受注生産がほとんどです。

建具屋は既製品の普及などにより減少傾向にあります。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ランニングソーの老朽化で動きが悪くなり故障しやすくなって、稼働率が低下しています。
  • 品質・精度老朽化した切断機により不良品が発生するリスクが高まっています。
  • 人手・技能繁忙期の残業時間が増え、事故など労働災害のリスクも高まっています。
  • 新製品・新技術ボトルネック工程に多くの従業員が手間と時間を取られ、新製品の開発など新しい挑戦に注力できていません。
  • コスト・採算産業廃棄物である木くずの処分料が引き上げられてコストが増えており、焼却処分による環境への負荷も課題です。

やったこと

木材の切断工程で使うランニングソーを、2021年に最新鋭の機種へ更新しました。この機械はパソコンによる制御機能を備えており、加工精度とスピードが向上しました。

切断時には効率的な木取りができるようになり、端材の発生を大幅に抑えることができました。また、発生した木くずを収集して再生利用できる処理機能も搭載しており、産業廃棄物の排出量抑制につなげています。

新しい製品・サービス:道産材の合板とアクリル板を使った卓上パーティション「パテコ」

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • ランニングソー木材切断機設備の種類:木工機械

事業の効果

ランニングソーの導入により仕上工程に要する作業時間が大幅に短縮されました。主力のフラッシュドアでは仕上工程の作業時間が約5分間/枚短縮され、年間約10,000枚の製造ラインでは社員一人の労働力に換算して年間約5カ月分の人的リソースを捻出できました。

捻出した人的・資金的リソースを新商品の開発やWEBを活用した工務店向けのオーダーシステム構築に振り向けられる態勢が整いました。端材の発生と木くずの排出も抑えられ、コストと環境負荷の低減にもつながりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大手既製品と差別化し「他社ができない物」を作れる点を強みとし、道産無垢材や自然塗料を使う製品で競争優位を示している。
  • 4
    新しさ・高付加価値既製品が多い建具分野で、組子や木目を活かした無垢材の特注品や木製キャンプ用車載家具を展開し、高付加価値化を図っている。
  • 4
    地域経済への波及札幌と後志・ニセコ地区の高級別荘向け建具など地域の需要に応え、道産木材を使い、地域の工務店と協働して雇用と地域経済を支えている。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    受注生産中心の建具事業に加え、2021年から社員の副業制度で自社オリジナル商品開発を続けており、過去の取組との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手既製品と差別化し「他社ができない物」を作れる点を強みとし、道産無垢材や自然塗料を使う製品で競争優位を示している。

  • 課題の認識と解決3

    ボトルネックの切断工程の老朽化と廃棄物増を課題として挙げ、新機を導入して新商品開発に人的リソースを振り向ける計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    フラッシュドアの仕上工程が約5分/枚短縮、年間約1万枚で約5カ月分の人的リソースを捻出したと示され、効果の見込みが具体的。

  • 事業を進める体制3

    社員28名の体制で、社員の副業制度や社内コンペを運用しており、事業を遂行する人材体制が一定程度確認できる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    工務店との共同開発や、パテコ・バパンファニチャーなど製品の特徴と注目・受賞の実績から、選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    切断工程の課題を整理し、導入後の仕上工程短縮や木取りによる端材抑制まで、課題解決の流れが一貫して述べられている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    既製品が多い建具分野で、組子や木目を活かした無垢材の特注品や木製キャンプ用車載家具を展開し、高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地域の工務店や道内の家具販売業者・デザイナーとの連携、社会科見学や高等支援学校の受け入れなど地域への波及が書かれている。

  • 費用対効果3

    年間約1万枚で約5カ月分の人的リソース削減、端材・木くずの排出抑制など、投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピュータ制御のランニングソーやWEBを使った工務店向けオーダーシステムを構築し、業務のデジタル化を進めている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    札幌と後志・ニセコ地区の高級別荘向け建具など地域の需要に応え、道産木材を使い、地域の工務店と協働して雇用と地域経済を支えている。

事業者の声

心癒される木の温もりや美しさなど、伝統的な建具の技術は本当に素晴らしいもの。建具の文化技術を次世代に伝えていくのも使命だと感じている

社員ファーストが伝統

制度が、社員のやりがいや満足度の向上につながればうれしい

みんなものづくりが好きで入社してきた社員。ものづくりの面白さや醍醐味をあらためて感じてもらいたい。社員のアイデアを掘り起こす機会として今後も続けこいく

一目見て、これは岡田建具の作品だなとわかるものを作っていきたい。私自身は職人ではありませんが、腕利きの職人と二人三脚で、自分たちがイメージしたものをどれだけ世に出せるのか、ものづくりの挑戦ですね。“産みの苦しみ"はありますが、それ以上に楽しいですし、やりがいもあって、可能性しか感じない

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。