自動6軸モルダー導入による建材の生産体制強化及び付加価値の高い製品加工体制構築計画

京都府の製造業者が、ものづくり補助金で自動6軸モルダーを導入し、建材の加工回数と段取り時間を減らして生産性を高めた採択事例です。

株式会社藤田木材

成果総加工時間 99.1分→37.6分

この事例のポイント

  • 従来の加工機は切削能力が低く、取り代が多い建材は数回に分けて加工する必要がありました。
  • 新たに自動6軸モルダー(ヴァイニッヒ製ユニマート318)を導入し、加工能力と加工精度の課題の解決に取り組みました。
  • 総加工時間 99.1分→37.6分。自動6軸モルダーの導入により、建材の加工回数が減り、段取り時間も短縮して生産性が大幅に向上しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社藤田木材
所在地京都府 京都市伏見区
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金1億円
設立1987年

事業の背景

当社は京都の伏見を拠点に木材の製材、加工、販売などを行っており、JAS認定工場であることや、原木仕入から製材、乾燥、構造材や造作材の機械加工までを自社内で行う一貫生産体制が強みです。主なお客様は地元の工務店、建設会社、建材メーカーです。

京都府や京都市では地元産木材の活用に力を入れており、京丹波町役場の建築に納材した際には需要増に備えた安定供給体制の必要性を感じました。建築現場では職人不足や工期短縮の要望が強まっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の加工機は切削能力が低く、取り代が多い建材は数回に分けて加工する必要がありました。
  • 生産能力5箇所以上の加工が必要な場合は2回機械を通す必要があり、その際は刃物交換と調整が必要でした。
  • 品質・精度寸法調整は職人の経験と勘に頼っていたため、加工精度に課題がありました。
  • 人手・技能取引先の工務店で職人が不足し、現場で行っていた微調整の加工ができない状況が生じていました。

やったこと

新たに自動6軸モルダー(ヴァイニッヒ製ユニマート318)を導入し、加工能力と加工精度の課題の解決に取り組みました。導入により建材の加工を1回で済ませられるようになり、段取り時間も短縮しました。

寸法設定は0.1mm単位で可能になり、フローリングの表面仕上げ加工と両端・下部の凸凹加工を熟練作業者でなくても高精度に行えるようになりました。キャンピングポッドの両端にR加工が必要な部材の加工では、導入前は加工回数2〜3回、実切削送り速度8m/min程度でしたが、導入後は加工回数1回、実切削送り速度11m/minで加工できるようになりました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 自動6軸モルダーヴァイニッヒ製ユニマート318設備の種類:木工機械

事業の効果

  • 総加工時間 99.1分→37.6分
  • 加工時間 87.5分→31.8分
  • 加工回数 2回→1回
  • 実切削送り速度 8m/min→11m/min

自動6軸モルダーの導入により、建材の加工回数が減り、段取り時間も短縮して生産性が大幅に向上しました。キャンピングポッドの加工時間は2.6倍以上の生産性を実現し、工事現場の要望に沿ったタイムリーな建材供給が可能になりました。

寸法設定の精度が上がり、熟練作業者でなくても高精度な完成品を製造できるようになり、施工現場の職人不足にも対応できる体制が整いました。また、オリジナル建材の注文や、これまで採算が合わず受注できなかった案件の受注、同業他社からの建材加工注文の増加につながりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.5 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決加工能力と精度の2課題を特定し、キャンピングポッドの総加工時間を99.1分から34.9分へ短縮、2.6倍以上の生産性を実現している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性JAS認定工場と一貫生産体制を強みとし、加工能力・精度の課題を設備で解決、寸法0.1mm単位の高精度加工で差別化している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標目標値を12m/minに設定し実績11〜12m/minで達成、総加工時間も目標35分に対し34.9分と目標を満たしている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果生産性向上の数字は示されているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の記述は見当たらず薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    京都府内産木材の安定供給と建材仕上げ加工への対応を目的に自動6軸モルダーを導入し、地元産木材活用の流れに沿っている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    JAS認定工場と一貫生産体制を強みとし、加工能力・精度の課題を設備で解決、寸法0.1mm単位の高精度加工で差別化している。

  • 課題の認識と解決5

    加工能力と精度の2課題を特定し、キャンピングポッドの総加工時間を99.1分から34.9分へ短縮、2.6倍以上の生産性を実現している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標値を12m/minに設定し実績11〜12m/minで達成、総加工時間も目標35分に対し34.9分と目標を満たしている。

  • 事業を進める体制3

    製造工程を自社一貫で持ち、設備導入後も熟練作業者でなくても製造できる体制を構築したと記載している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    工務店の職人不足や工期短縮の要望に応え、オリジナル寸法の建材注文や同業他社からの加工注文が増えたと顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展開として造作材需要の伸びを見込み、自動6軸モルダーの活用に取り組む方針を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    表面仕上げと両端・下部の凸凹加工を1回で行い、熟練者不要の高精度完成品を実現し、同分野で高付加価値の加工を図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地元産木材の安定供給体制や建築現場の生産性向上、木造建築の需要拡大に貢献し、地域の木材活用を支えている。

  • 費用対効果2

    生産性向上の数字は示されているが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の記述は見当たらず薄い。

  • イノベーションへの貢献3

    地域産木材を活用した地産地消の流れを担い、建築現場へのタイムリーな建材供給で地域の木材サプライチェーンに貢献している。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    京都府産木材の地産地消を進め、京丹波町役場の建築への納材や地元工務店との取引など、地域の木材産業を牽引している。

今後の展望

造作材需要は今後も市場の伸びと高い付加価値率が見込まれており、自動6軸モルダーの活用にさらに取り組んでまいります。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。