NC5軸制御ルーター導入による広葉樹建材・家具製造技術の確立

島根県の製造業者が、ものづくり補助金で広葉樹の建具・家具を作るNC5軸制御ルーターを導入し、複雑な形状の加工を高精度かつ高効率で行えるようにした採択事例です。

有限会社平和木工

この事例のポイント

  • 広葉樹は針葉樹に比べ堅く加工が難しいため、建材や家具への使用がまだ少ない。
  • 広葉樹を使った建具・家具製造の技術を確立するため、NC5軸制御ルーター(シンクス株式会社製 NC5軸制御ルーター 20ZXH-1631K)を導入しました。
  • NC5軸制御ルーターの導入により、広葉樹を使った複雑な形状の建具・家具を高精度かつ高効率で製造できるようになり、加工時間の短縮と精度の向上を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社平和木工
所在地島根県 津和野町
業種家具・装備品製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数6人
資本金3,000万円
設立1947年

事業の背景

同社は1947年創業の木製建具・造り付け木製家具の製造販売会社で、高津川流域の森林資源を背景に事業を展開してきた。SDGsの広がりで国産材の利用が増加しているが、広葉樹は製紙原料やバイオマス発電向けがほとんどで、建材や家具への利用は少ない。

広葉樹は堅牢性や耐久性に優れ、公共建築物の市場での需要も見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術広葉樹は針葉樹に比べ堅く加工が難しいため、建材や家具への使用がまだ少ない。
  • 生産能力現状のNC加工機は、デザイン性の高い複雑な造形の加工に適さない。
  • 品質・精度現状のNC加工機は柔らかい針葉樹素材向けのため、広葉樹の加工では加工精度が低下する。
  • 人手・技能多品種少量生産の加工にはデータ編集などに時間がかかる。

やったこと

広葉樹を使った建具・家具製造の技術を確立するため、NC5軸制御ルーター(シンクス株式会社製 NC5軸制御ルーター 20ZXH-1631K)を導入しました。ユニバーサルヘッドにより垂直・水平・傾斜方向の加工を自在に行えるため、複雑形状の加工が可能になりました。

ワンチャックで複数方向からの加工ができ、作業の分割や段取り替えがなくなりました。加工機に最大7種類の刃物を取り付けて選択でき、堅い広葉樹でも精度の向上が見込めます。

さらに自動化プログラムを搭載し、機械制御の高精度化・高速化にも貢献しています。

新しい製品・サービス:広葉樹を使用した建具・家具

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • NC5軸制御ルーター 20ZXH-1631Kシンクス株式会社設備の種類:木工機械

事業の効果

NC5軸制御ルーターの導入により、広葉樹を使った複雑な形状の建具・家具を高精度かつ高効率で製造できるようになり、加工時間の短縮と精度の向上を実現した。最適工具選択により生産性が大幅に向上し、機械に無理な力がかからないため刃物や加工機の耐久力も確保できる。

プログラム作成と加工の時間が短縮され、質・量の両面で受注拡大が可能になった。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1947年創業以来76年間木製建具・家具を製造し、デザイン勉強会やグッドデザイン賞受賞など一貫した取組があり、広葉樹加工への挑戦が既存事業の延長に位置付けられている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性広葉樹は堅牢で建材需要が見込まれるが加工が難しいという市場機会に対し、デザイン力と技術力で挑戦する方針が明確で、自社の強みを活かした優位性が読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決NC加工機の①複雑造形不可②針葉樹向けで精度低下③多品種少量でデータ編集に時間、と課題を明示し、5軸ルーターで解決する実効性の高い計画になっている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、生産性向上の定性的記述にとどまり、目標の実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    1947年創業以来76年間木製建具・家具を製造し、デザイン勉強会やグッドデザイン賞受賞など一貫した取組があり、広葉樹加工への挑戦が既存事業の延長に位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    広葉樹は堅牢で建材需要が見込まれるが加工が難しいという市場機会に対し、デザイン力と技術力で挑戦する方針が明確で、自社の強みを活かした優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    NC加工機の①複雑造形不可②針葉樹向けで精度低下③多品種少量でデータ編集に時間、と課題を明示し、5軸ルーターで解決する実効性の高い計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、生産性向上の定性的記述にとどまり、目標の実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制4

    10年以上毎月専門家派遣を受け工業デザイナーの指導で技術者集団を育成しており、人材面で補助事業を遂行する体制が具体的に示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    広葉樹建材の有用性と公共建築需要に着目し、複雑形状・傾斜加工が可能になり受注拡大できると、製品価値とターゲットが整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の加工設備の高度化・デジタル化を進めたいとあるが、スケジュールや具体的な導入後の遂行方法は記載されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    広葉樹は製紙原料やバイオマスがほとんどで建材・家具への利用は少ないと指摘され、新たな用途開拓に取り組む点で新市場性が読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    国産材利用の増加や公共建築需要に触れ、地域の森林資源を活かす取組であり、国が補助する理由がある程度読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    5軸自動化プログラムやデジタル化の推進を掲げ、加工の高度化を地域の木材加工に広げる方向性が示されている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    高津川流域の森林資源を背景に地域の木工事業者と連携し、受注融通のネットワーク化を図るなど地域特性を活かした事業である。

今後の展望

今後も加工設備の高度化、デジタル化をさらに進めたいと考えている。

  • 目標:

事業者の声

今後も加工設備の高度化、デジタル化をさらに進めたい

時代の流れが速いので生き残るためには技術者を大事にすること

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。