デジタル技術×職人の技×デザイン力の融合による生産性向上と革新的デザインの木製品開発

島根県の従業員9人の木工製造業が、ものづくり補助金でCNCルーターを導入し、木製品の加工を効率化した採択事例です。

有限会社三ッ和

成果リードタイムが約半分に減った。

この事例のポイント

  • 手作業では限界があり、丸や楕円の切り抜きはベテラン職人が手作業で行っていた。
  • コンピューター制御で木材加工を行うCNCルーターshopbot「PRSalpha96-48-8」を補助金を活用して導入しました。
  • リードタイムが約半分に減った。CNCルーターの導入により、複雑なデザインや加工が短時間でできるようになり、リードタイムが約半分に減りました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社三ッ和
所在地島根県 雲南市
業種家具・装備品製造業
従業員数9人
資本金5,000万円
設立1991年

事業の背景

注文住宅の設計・施工とオーダー家具の製造を手掛けていた。家具の製造だけでは将来に不安があったため、注文住宅も手掛けてワンストップで顧客の要望に応える体制を整えた。

住宅建設は近年ハウスメーカーの建売住宅が増え、家具も既成品が多くなっている。手をこまねいていては経営がじり貧になるため、公共事業などに頼るのではなく、個人需要に注力することにした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業では限界があり、丸や楕円の切り抜きはベテラン職人が手作業で行っていた。
  • 人手・技能複雑なデザインや加工には時間がかかっていた。
  • 新製品・新技術若い世代など個人需要に応えるため、デザイン性の高い木製品の開発が必要だった。

やったこと

コンピューター制御で木材加工を行うCNCルーターshopbot「PRSalpha96-48-8」を補助金を活用して導入しました。これにより、丸や楕円の切り抜きなど、手作業で行っていた作業を機械で行えるようになりました。

複雑なデザインや加工が短時間でできるようになり、一点物はもちろん、同じ形の製品を複数製造することにも効果が高くなりました。さらに、2023年10月にはPR拠点として雑貨とベーカリーの「Kinoca」を開設し、CNCルーターで製作した木工品などを展示販売しています。

新しい製品・サービス:親子で組み立てが楽しめる子供用椅子キットなど、子供用椅子、ボックス、玩具などの木製品。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • リードタイムが約半分に減った。

CNCルーターの導入により、複雑なデザインや加工が短時間でできるようになり、リードタイムが約半分に減りました。工作時間が短縮されたことで、浮いた労働力を他の作業に回せるようになりました。

エンドユーザーからの独自製品への問い合わせも増加し、デザインを考える時間も確保できるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既成品増加で経営がじり貧になる懸念から、手作業で限界があったデザイン性の高い木製品に注力する方針が示され、強み・外部環境を踏まえている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業の限界を課題と認識し、リードタイムが約半分に減り浮いた労働力で設計時間も確保できると、課題解決と成長を結び付けている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けターゲットを行政・子育て世代・デザイナーに絞り、親子で組み立てが楽しめる椅子キットなど選ばれる理由が整理され、問い合わせ増加も示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標リードタイム約半分という効果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、目標の実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    父の木工所を起点に家具製造を続け、注文住宅も手掛けて事業を拡大してきた経緯があり、CNC導入は既存事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既成品増加で経営がじり貧になる懸念から、手作業で限界があったデザイン性の高い木製品に注力する方針が示され、強み・外部環境を踏まえている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の限界を課題と認識し、リードタイムが約半分に減り浮いた労働力で設計時間も確保できると、課題解決と成長を結び付けている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイム約半分という効果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、目標の実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    ベテラン職人の技、設計・施工の体制、Kinocaの運営など既存の人材と事業運営の実績があり、補助事業を遂行する体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットを行政・子育て世代・デザイナーに絞り、親子で組み立てが楽しめる椅子キットなど選ばれる理由が整理され、問い合わせ増加も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後のターゲットと新製品開発の方向性、PR拠点としてのKinocaの活用が示され、中長期の進め方が一定程度示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    既成品が多い中で、CNCによる複雑な形状や一点物の高デザイン木製品に特化しており、同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    森林率8割の雲南市の森林資源を活用し、地域材の活用を目指す行政をターゲットにするなど、地域への波及が読み取れる。

  • 費用対効果2

    工作時間短縮で労働力が浮くとの記述はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル制御の木材加工と職人の技、デザインを融合させ、地域の森林資源活用につなげており、地域への技術的貢献が見込める。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    既成品増加への対応として個人需要向けの高デザイン製品に転換する点は触れられているが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及4

    雲南市の森林資源を活かし、地域産材の活用や地域の工房・PR拠点としての展開を通じ、地域経済の牽引が読み取れる。

今後の展望

今後はターゲットを雲南市産材の活用を目指す行政、楽しい子育てを考える女性、工房や加工施設を持たないデザイナーや設計者に据えています。

事業者の声

CNCルーターでどんな形にでも加工できるのが強みで、お客様の理想に合わせて、満足していただける製品を提供したい。

問い合わせが増えている

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。