製材の品質・生産性の向上と木材住宅の高付加価値化による受注増

島根県の製材会社が、ものづくり補助金で自動一面鉋盤を導入し、一枚板の製材と木材住宅の高付加価値化で受注を増やした採択事例です。

福波物産有限会社

成果製材可能な幅 20㌢→50㌢

この事例のポイント

  • 従来の鉋盤では幅20㌢、厚み18㌢までしか製材できず、幅が広く厚みのある製材ができませんでした。
  • 補助事業で自動一面鉋盤「エリート500DZ」を導入しました。
  • 製材可能な幅 20㌢→50㌢。幅が広く厚みのある製材ができるようになり、一枚板の製品は見栄えも良く重厚感にあふれるものになりました。

事業者のプロフィール

事業者名福波物産有限会社
所在地島根県 大田市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野製造環境
設立1958年

事業の背景

1958(昭和33)年に林業と住宅建設の需要に対応して創業し、多業種で事業を展開してきました。注文住宅を主体としており、ハウスメーカーによる新築住宅が増える中で差別化が課題になっていました。

増改築やリフォームの需要も増えていました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の鉋盤では幅20㌢、厚み18㌢までしか製材できず、幅が広く厚みのある製材ができませんでした。
  • 販路・情報発信ハウスメーカーによる新築住宅が増える中で差別化を図る必要があり、木のぬくもりを前面に出した提案が求められていました。
  • 品質・精度厚さを確認するため作業を中断して計測する必要があり、作業時間がかかっていました。
  • コスト・採算造作品を外注に出していたため、経費がかかっていました。

やったこと

補助事業で自動一面鉋盤「エリート500DZ」を導入しました。この鉋盤では幅50㌢、厚さ25㌢まで加工でき、つなぎ目のない一枚板を製材できるようになりました。

あらかじめ設定した厚さに自動で加工する機能も備えています。導入に合わせて、顧客にぬくもりを感じてもらうための展示場を兼ねた住宅を近所に新築しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 自動一面鉋盤 エリート500DZ設備の種類:木工機械

事業の効果

  • 製材可能な幅 20㌢→50㌢
  • 製材可能な厚み 18㌢→25㌢

幅が広く厚みのある製材ができるようになり、一枚板の製品は見栄えも良く重厚感にあふれるものになりました。従来は外注していた天井などの造作品を自前で作れるようになり、内製化によって経費を削減できました。

厚さを自動で正確に仕上げられるため、作業時間が20~30%短縮されました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性従来の幅20㌢・厚18㌢から幅50㌢・厚25㌢まで加工可能となり、島根県産材の強みと木の温かさで差別化している。
  • 4
    課題の認識と解決ハウスメーカー増加への差別化の必要性を課題に挙げ、外注を内製化して経費節減し作業時間を20~30%短縮している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標年5%の増収を目標に据え、作業時間20~30%短縮と内製化による経費削減の実績を根拠としている。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋新たな需要として石見神楽面の面板の需要に触れているが、遂行スケジュールや課題解決方法の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の製材・建築事業の延長で、木のぬくもりを前面に出す住宅提案へ自動一面鉋盤を導入し、経営理念とつながっている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来の幅20㌢・厚18㌢から幅50㌢・厚25㌢まで加工可能となり、島根県産材の強みと木の温かさで差別化している。

  • 課題の認識と解決4

    ハウスメーカー増加への差別化の必要性を課題に挙げ、外注を内製化して経費節減し作業時間を20~30%短縮している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年5%の増収を目標に据え、作業時間20~30%短縮と内製化による経費削減の実績を根拠としている。

  • 事業を進める体制3

    代表が建築専門学校を出て建設業者で修業した経歴があり、家業を3代目として担う体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    木の温かさ、優しさを訴求し、展示場で顧客が手で触れて感じられる提案を行い、顧客ターゲットと選ばれる理由が明確。

  • 事業化までの道筋2

    新たな需要として石見神楽面の面板の需要に触れているが、遂行スケジュールや課題解決方法の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    幅・厚みのある一枚板の重厚な製品を提供し、同分野で高付加価値化を図る内容となっている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    地域の林業・県産材の利用や地元との関わりに触れるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果3

    内製化で削減した経費を県産材購入に充てる効果や作業時間短縮が示され、費用対効果の一定の説明がある。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    島根県産材を100%使い、地元の出雲市から益田市の地域で建設・製材を手掛け、地域の特性を活かした事業となっている。

今後の展望

年5%の増収を目標に据えています。

事業者の声

建設業の業況は厳しいが、木造建築の付加価値を高めることで、ユーザーの心をつかみ、地道に業績をアップさせたい

作業時間が20~30%短縮された。何よりも削りすぎてはならないというストレスから解放されたことが大きい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。