ポストコロナにおける防音ドア事業の拡大に向けた加工機の導入

岡山県の防音ドアを作る製造業の会社が、ものづくり補助金でドア複合加工機を導入し、生産性を高めた採択事例です。

山陽総業株式会社

成果普及タイプの側面加工時間は1台当たり11.5分と33%短縮

この事例のポイント

  • 側面加工は従来の加工機の老朽化で精度が悪化し、ドア製造のボトルネックになっていました。
  • 補助事業では、ドアの側面加工を効率化するため、YASAKA製のドア複合加工機「DX-2712」を2024年2月に導入しました。
  • 普及タイプの側面加工時間は1台当たり11.5分と33%短縮。導入により側面加工の生産性が大幅に向上し、ドア製造のボトルネックが解消されました。

事業者のプロフィール

事業者名山陽総業株式会社
所在地岡山県 赤磐市
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン,情報処理,精密加工,機械制御
従業員数41人
資本金1,000万円
設立1942年

事業の背景

山陽総業は1942年に創業し、木工技術を生かして木製の建具や特注家具を製造してきました。一時は500人近い従業員を抱えましたが、2007年に経営改善計画を策定し、2018年に自主経営に復帰しました。

現在は室内ドアなどの木製建具と、大型施設向け特注家具の二本柱で事業を進めており、2025年3月期の売上高は約7億円です。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力側面加工は従来の加工機の老朽化で精度が悪化し、ドア製造のボトルネックになっていました。
  • 人手・技能古い加工機は温度や湿度に合わせた微調整が必要で、ベテラン社員がつきっきりで操作する必要がありました。
  • 品質・精度特に単価の高い高級タイプのドアでは、溝の加工誤差を従来の0.3ミリメートルから0.1ミリメートル以下に高める必要がありました。

やったこと

補助事業では、ドアの側面加工を効率化するため、YASAKA製のドア複合加工機「DX-2712」を2024年2月に導入しました。この機械は数値制御装置に加工プログラムを入力すると、ズレなどを自動で補正して高精度な加工を行えます。

導入後は側面加工の時間が短縮され、普及タイプでは1台当たり11.5分と33%短縮、高級タイプでは同7.2分と43%短縮されました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • ドア複合加工機「DX-2712」YASAKA製設備の種類:木工機械

事業の効果

  • 普及タイプの側面加工時間は1台当たり11.5分と33%短縮
  • 高級タイプの側面加工時間は同7.2分と43%短縮

導入により側面加工の生産性が大幅に向上し、ドア製造のボトルネックが解消されました。ベテラン以外の若手社員も機械を扱えるようになり、仕事量に応じて他部門の社員がドア製造を手伝ったり、ドア部門の社員が収納家具の製造に回ったりできるようになりました。

生産性が向上したことで取引先に安心して発注してもらえるようになり、特注家具の注文も増えています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ドアの設計から出荷までを一貫してこなせる強みを活かし、特注家具の大規模案件にも対応できる実力が取引先に認知され注文が増えている。
  • 4
    課題の認識と解決側面加工の時間が普及タイプで33%、高級タイプで43%短縮され、ボトルネックを解消して需要に応じた体制が取れるようになった。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋導入から効果発生までの流れは示されているが、今後の中長期の課題検証や遂行スケジュールの記載は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    2018年に経営再建を終えた後、主力のドア出荷が堅調に伸びたことを背景に、ドア製造の強化を計画しており、過去の取組との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ドアの設計から出荷までを一貫してこなせる強みを活かし、特注家具の大規模案件にも対応できる実力が取引先に認知され注文が増えている。

  • 課題の認識と解決4

    側面加工の時間が普及タイプで33%、高級タイプで43%短縮され、ボトルネックを解消して需要に応じた体制が取れるようになった。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    普及タイプ33%、高級タイプ43%の加工時間短縮を実現しており、生産性向上の目標達成の見込みが示されている。賃上げ目標の記載はない。

  • 事業を進める体制3

    ベテラン以外の若手社員も機械を扱え、他部門社員の応援も容易になったと記載があり、人材面での遂行体制が確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    溝の加工誤差を0.3mmから0.1mm以下に高める必要があった高級タイプのドアなど、顧客ニーズと製品価値が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入から効果発生までの流れは示されているが、今後の中長期の課題検証や遂行スケジュールの記載は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    木製ドアの複合加工と表面加工の独自工法による高付加価値な製品で、高い評価を得ている点が記載されている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域を代表する企業であった点は触れられているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記載は乏しい。

  • 費用対効果2

    生産性が目に見えて向上したと述べられているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献3

    高精度な数値制御の複合加工機を導入し、地域の木工建具製造の生産性を高める取組として、一定のイノベーションが読み取れる。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山県赤磐市の木工建具メーカーとして、大型施設向けの特注家具や木製建具で地域の雇用を支えている点が記載されている。

今後の展望

需要を掘り起こしながら、発展していきたいとしています。

事業者の声

生産性は目に見えて向上した

生産性が向上し安心して発注してもらえる体制になった。さらに需要を掘り起こしながら、発展していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。