課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成|展示会・サイト・ECの対象経費
この記事の要点
防災、介護・福祉、DX、暑さ対策に役立つ自社製品を、展示会やECモール、自社サイトで売り込みたい都内の中小企業が使える東京都中小企業振興公社の助成です。対象になる製品の条件、経費ごとの上限、申請の流れと間違えやすい点を募集要項で整理しました。
課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成は、防災・介護福祉・DX・暑さ対策のどれかに役立つ自社の製品やサービスを、展示会・ECモール・自社サイト・広告で売り込む費用を、東京都中小企業振興公社が助成する制度です。
一般枠の上限は150万円(サイト制作・改修費だけの申請は20万円)、助成率は3分の2以内で、次の回の受付は第2回 2026年11月10日~11月30日17時です。
都市の課題に応える製品をすでに作り終え、これから展示会やネットで売り先を広げたい会社が、この助成を使えるか、どの費用がいくらまで出るかを知りたい方に向けた記事です。公社の公式ページと募集要項を読んで整理しています。
東京都の課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成とは?
この助成の対象は、会社そのものより「売り込む製品」です。安全・安心、高齢者・介護・障害者、DX推進、暑さ対策のいずれかに当たる、自社で企画・製造し単独の販売権を持つ製品・技術・サービスが条件で、次の4つをすべて満たす必要があります。
- 第2回は2026年10月31日までに開発が終わり、販売できる状態になっていること
- 自社で企画・製造し、自社だけで販売する製品であること(販売代理店としての申請は不可)
- 申請する製品は原則として1種類であること
- 都の長期戦略「2050東京戦略」の実現に役立つ製品であること
申請できるのは都内で実際に事業をしている中小企業者で、中小企業団体、NPO法人、一般社団法人・一般財団法人も対象に入ります。都税の納税証明書と、直近2期分(創業2期未満は1期分)の確定申告書を出します。同じ年度に申請できるのは1事業者1回です。
公社には、テーマを問わず展示会の出展を助ける制度もあります。違いは東京都の展示会出展助成事業と見比べると整理できます(東京都中小企業振興公社「令和8年度 課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成 募集要項」 p.6『助成対象製品等』)。
経費ごとの上限と、使えない費用は?
経費は、必ず入れる「販路開拓費」と、それだけでは申請できない「販売促進費」に分かれます。展示会等参加費、EC出店初期登録料、サイト制作・改修費、販売促進費(販売促進費だけの申請は不可)です。
| 経費 | 中身の例 | 区分の上限 |
|---|---|---|
| 展示会等参加費(販路開拓費) | 国内・海外・オンラインの展示会の小間料、小間の装飾やポスター、会場への展示品の輸送 | 区分の上限なし(全体の上限の範囲内) |
| EC出店初期登録料(販路開拓費) | モール型のECサイトに出店するときの初期登録料だけ | 20万円 |
| サイト制作・改修費(販路開拓費) | 自社サイトの制作・改修を外部に頼む費用 | 20万円 |
| 印刷物制作費(販売促進費) | チラシ・カタログなど紙の販促物の制作の委託 | 50万円 |
| 動画制作費(販売促進費) | 製品紹介の動画の制作の委託 | 20万円 |
| 広告掲載費(販売促進費) | 新聞・雑誌・展示会の案内冊子の広告、指定された種類のweb広告 | 20万円 |
出典:東京都中小企業振興公社「令和8年度 課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成 募集要項」 p.4『助成対象経費』
交通費・宿泊費・飲食費、キャンセル料や協賛金、コンサルティングや調査の費用、国内の代理店を通した取引、関連会社との取引は対象外です。ECは初期登録料だけで、モールの月々の費用や構築費は入りません。展示会では、助成の対象の製品が主な展示物で、社名か自社ブランドが表示されていることが条件です。
サイトの制作だけを先に考えている会社は、ほかの制度も比べられます。小さな事業者向けの国の制度はホームページ制作に使える補助金で取り上げています。
申請から助成金の入金までの流れは?
申請はJグランツの電子申請だけです。Jグランツの入力フォームと、公社が指定する事業計画の詳細(申請書別紙)の両方を出して、初めて申請として扱われます。
- GビズIDプライムを用意する。発行までの目安は2週間程度で、手順はGビズIDプライムの取得方法とつまずく所で取り上げています。
- 出展する展示会の案内、登記簿、納税証明書、確定申告書などをそろえる。
- 受付期間内にJグランツで申請する。
- 資格審査・書類審査(経理の審査を含む)と総合審査を受ける。面接審査はありません。時期は第2回 2026年12月~2027年1月(書類審査・総合審査)です。
- 第2回 2027年1月末に結果がJグランツで届く。
- 助成対象期間(第2回 2027年2月1日~2028年2月29日(最長))の中で、出展・制作・支払いを済ませる。
- 実績報告を出して完了検査を受け、額が確定したらJグランツで請求する。入金は確定からおよそ1か月後です。
審査では、都市課題の解決への波及性、継続的な販路の拡大につながる計画か、他社の製品と比べた優秀性、市場性が見られます。どの展示会で誰に会い、その後どう売上につなげるかを具体的に書くと、計画の適格性が伝わりやすくなります(東京都中小企業振興公社「令和8年度 課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成 募集要項」 p.22『審査』)。
間違えやすい点
この助成は、申請の時点で製品が完成していることが前提です。開発中の製品では申請できません。
販売促進費だけの申請はできません。展示会・EC・サイトのどれかの販路開拓費を必ず入れます。
契約・実施・支払いは助成対象期間の中で済ませます。例外は展示会の小間の申し込み(契約)だけで、これは期間の前でもかまいません。
支払いは申請した事業者の名義の口座からの振込が原則です。個人の口座からの支払い、相殺、手形・小切手での支払いは対象外です。
同じ展示会・同じ経費で、公社のほかの事業や国・区市町村の助成を受けたり、同時に申請したりすることもできません。展示会の出展に使える国の制度を検討する場合は、持続化補助金で展示会に出展した事例と経費を分けて考えます(東京都中小企業振興公社「令和8年度 課題解決型製品・サービス等の販路拡大助成 募集要項」 p.15『申請要件』)。
専門家から見たポイント
この助成は、テーマに合う製品なら展示会・EC・サイト・広告をまとめて1つの計画にできる点が強みです。ただし区分ごとの上限が小さい経費も多く、展示会の出展を軸にしないと上限まで使い切りにくい作りになっています。
向いている会社
介護機器や防災用品、暑さ対策の設備、業務効率化のシステムなど、テーマにはっきり当てはまる自社製品が完成していて、業界の展示会で売り先を探したい会社です。展示会の参加費には区分の上限がないため、大きな展示会への出展を中心に、カタログや動画を組み合わせる計画と相性がよい制度です。
公社の試作品開発・改良助成を終えた会社は、資格審査だけで申し込める開発枠があり、先導的なユーザーへの導入費も使えます。
迷う会社
他社の製品を仕入れて売る会社や、販売代理店の立場の会社は対象外です。テーマに合うかがはっきりしない製品は、事務局に問い合わせても答えはもらえません。テーマを問わない販路の制度として東京都の市場開拓助成事業もあるため、両方を比べてから決めます。
web広告は指定された種類だけが対象で、広告代理店を通した出稿は原則として対象外です。広告を予定している場合は、出稿の方法を申請前に決めておきます。
御社の製品がテーマに当たるか、どの経費を組み合わせるとよいかは、専門家に無料で相談できます。
よくある質問
自社サイトの制作費だけで申請できる?
公式ページでは、サイト制作・改修費だけの申請もできるとされています。その場合の上限は、サイト制作・改修費の区分の上限までです。
海外の展示会も対象?
対象です。主催者が指定する代理店を通した申し込みや支払いが認められる場合もあります。外貨で払った分は支払日の為替レートで円に直します。
他社と共同で出展してもいい?
できますが、共同出展であることを申告し、費用を妥当な割合で分けて計算します。
NPO法人や一般社団法人も申請できる?
申請できます。都内で実際に事業をしていることと、自社で企画・製造した製品であることが条件です。
開発中の製品でも申請できる?
申請できません。募集の回ごとに決められた日までに開発が終わり、売れる状態になっていることが条件です。
補助金のほかの疑問はよくある質問の一覧ページで探せます。
出典
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