グループ会社・親族から買った設備は補助金の対象外?関係者との取引の決まり
この記事の要点
グループ会社や親族の会社から買った設備、頼んだ外注は補助金の対象外です。制度ごとに対象外になる取引の相手、身内の取引が対象外になる理由、持続化補助金の親族の範囲、リースの例外を公募要領で整理しました。
この記事の目次
グループ会社や親族の会社から買った設備、頼んだ外注は、補助金の対象外です。代表者や役員が同じ会社、資本関係のある会社、3親等以内の親族への発注などが当たります。
身内の取引は値段が適正かを確かめにくく、利益がグループの中に残るためです。例外はリースの一部などに限られるため、発注先は申請の前に決めておきます。
子会社や関連会社、親族の会社から設備を買ったり外注したりしたとき、補助金の対象になるかを知りたい方に向けた記事です。
新事業進出・ものづくり補助金、成長加速化補助金、持続化補助金の公募要領から、関係のある相手との取引の決まりを整理します。
関係のある会社との取引で対象外になる相手
対象外になる取引の相手を、制度ごとに表にします。
| 制度 | 対象外になる取引の相手 |
|---|---|
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 申請者と同一の代表者・役員を含む事業者、みなし同一事業者、資本関係のある事業者への支払い、同一事業者の部署間の支払い |
| 成長加速化補助金 | 同一代表者・役員が含まれる事業者、みなし同一法人内、資本関係がある事業者への支払、同一企業の部署間の支払 |
| 持続化補助金(通常枠) | 社内の役員・従業員や代表者・役員の親族(3親等以内)への発注、自社内部・FC本部との取引は対象外 |
出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.33『1-6-2. 補助対象外となる経費』台帳で見る
対象外の経費のほかの例は交付決定額が採択額より減るのはなぜ?で取り上げています。
身内との取引が対象外になる理由
補助金の経費は、相見積で選んだ相手に、市場の値段で払ったものであることが前提です。身内の取引では、値段を高くしても誰も困らず、補助金で払った分の利益がグループの中に残ってしまいます。
そのため、値段が適正かどうかにかかわらず、関係のある相手への支払いは一律に対象外とされています。相見積の決まりは補助金の見積書は申請時に要る?で取り上げています。
持続化補助金で親族への発注が当たる範囲
持続化補助金は、親族への発注も細かく決めています。創業型の公募要領は、自社内部・FC本部との取引、役員・従業員や3親等以内の親族への発注、親族が役員の事業者や親会社・子会社・関連会社への発注は対象外としています1。
- 役員や従業員本人に、チラシのデザインやホームページの制作を頼む。
- 代表者の兄弟が営む工務店に、店の改装を頼む。
- フランチャイズの本部から、決められた設備を買う。
どれも対象外になります。ホームページの制作を頼むときの決まりは持続化補助金でホームページ・LPを作るで取り上げています。
リースで例外として認められる場合
新事業進出・ものづくり補助金には、リースを使うときの例外があります。公募要領は、リース会社の発注先の選定では、相見積もりの取得を条件に、例外的に申請者と同一の代表者・役員を含む事業者、みなし同一事業者、資本関係のある事業者への支払いが認められるとしています2。
リース会社が設備を買う相手が、申請する会社のグループ会社でもよいという意味です。ただし相見積をとることが条件で、値段が適正かは確かめられます。リースと割賦の扱いはリース・割賦で入れる設備は補助金の対象?で取り上げています。
みなし同一事業者になる会社の範囲
「みなし同一事業者」は、別の会社でも、補助金の上では同じ事業者として扱われる会社のことです。議決権の過半数を持つ親会社や子会社、同じ人が大株主の会社などが当たります。
新事業進出・ものづくり補助金は、技術導入費、外注費、専門家経費の支出先に同一の事業者(みなし同一事業者を含む)を含めることはできないとしています3。グループの中で役割を分けている会社は、どの会社がみなし同一事業者に当たるかを先に確かめます。法人成りした会社の扱いは法人成りすると補助金はどうなる?で取り上げています。
専門家から見たグループ内取引のポイント
グループ内の取引で困るのは、いつも頼んでいる会社がグループ会社で、外に頼む先がない場合です。新事業進出・ものづくり補助金の採択事例97件のうち80件が機械装置・システム構築費を使っており、設備の発注先をどう選ぶかは多くの会社にかかわります。
早めに外の発注先を探したほうがよい会社
設備の据え付けや工事を、ふだんはグループの会社に頼んでいる会社です。補助事業の分だけは、外の会社から相見積をとって選びます。
そのまま進められる会社
設備を外のメーカーや販売店から買い、グループの会社は使うだけの会社です。支払いの相手が外の会社なら、この決まりには当たりません。発注の日程は補助事業期間とは?で取り上げています。
間違えやすい点
グループ内の取引で間違えやすいのは、間に別の会社をはさむ場合と、支払いの口座です。
グループ会社の製品を、外の販売店を通して買っても、実質的にグループの中の取引とみなされるおそれがあります。製品の作り手と売り手の両方を確かめます。
支払いは補助事業者の名義の口座から行います。デジタル化・AI導入補助金の事業実施のポイントは、代表者の個人の口座や他の会社の口座、家族の口座からの支払いでは名義の一致が確かめられないとしています。
実績報告での名義の不備は実績報告で差し戻される証憑の不備で取り上げています。
よくある質問
グループ会社から借りている工場に設備を置くのは対象ですか?
設備を外の会社から買えば、置く場所がグループの建物でも対象になりえます。家賃など、グループ会社に払う経費は対象外です。
元の勤め先の会社に外注するのは対象ですか?
資本や役員の関係がなく、親族でもなければ、関係のある相手には当たりません。相見積をとって選べば対象になりえます。
親族の会社のほうが安い場合はどうなりますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(3件)
- 持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版 p.16『(4)補助対象外となる経費』
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.33『1-6-2. 補助対象外となる経費』
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.29『1-6-1. 補助対象経費の区分』
公募・締切・改訂のお知らせ(無料)
補助金の公募・締切・改訂を、メールでお知らせします
- 公募開始新しい公募回の公募要領が出たとき
- 締切前締切の2週間前と3日前(事前の書類の締切も)
- 改訂公募の途中で公募要領が変わったとき。変わった箇所とページ番号をお送りします
お送りするのはこの3つだけです。配信はメールの下のリンクからいつでも止められます。
補助金の関連記事
一覧へ公開 2026/10/17
要点創業融資と補助金は同時に使えます。補助金は後払いなので、先に創業融資で資金を用意し、補助金が入ったら運転資金や返済に回すのが基本です。持続化補助金の創業型の要件と、計画書をそろえるコツを整理しました。
公開 2026/10/17
要点事業承継・M&A補助金の採択率を、事務局が公表した回ごとの応募数と採択数で示します。事業承継促進枠と専門家活用枠の審査項目、採択率を上げる加点、落ちやすい申請を公募要領で整理しました。
公開 2026/10/17
要点従業員や役員に会社を継がせる親族外の承継でも、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠を使えます。3年以上の勤務などの承継予定者の条件、第三者への売却との違いを公募要領で整理しました。
公開 2026/10/17
要点中小企業成長加速化補助金の採択率を、事務局が公表した回ごとの応募数と採択数で示します。書面の1次審査とプレゼン審査の違い、経営力・波及効果・足下の賃上げの見られ方を公募要領で整理しました。