ドリップコーヒーの製造ラインを増やし、急な受注増に応える
株式会社三洋産業
大分県のコーヒー関連製品メーカー(従業員140名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- コロナ禍で家庭向けドリップコーヒーの注文が増え、生産能力を超えていた。
- 県の産業支援機関の助言で計画を磨き、製造ラインを4本から5本に増やした。
- 原料の投入や計量・検査を機械に任せ、少ない人数で回せるようにした。
- 生産能力は目標どおり1.3倍になり、残業も減った。
事業の経緯
1973年に親族の会社から製造部門を独立させて設立し、コーヒーペーパーフィルターを焙煎業者向けに売ってきた。創業者の父の後を継いだ現代表は、料理人の修業などを経て入社し、コーヒーバッグ事業を始めた。1997年ごろにはドリップコーヒーの商品を先がけて開発し、2001年には焙煎事業にも参入した。
2016年にコーヒー器具の自社ブランドを立ち上げ、海外にも売っている。コロナ禍で家庭向けの需要が伸び、注文が生産能力を超えたことから、県の産業支援機関の支援を受けてものづくり補助金を活用し、製造ラインを増やした。
事業の内容
- 課題:受注増と納期遅れコロナ禍で家庭向けのドリップコーヒーの需要が伸び、注文が生産能力を超えた。他社ブランド品の納期が遅れ、歩留まりの悪さや残業の増加も起きていた。
- 課題:手作業の負担高い位置にある充填機のホッパーへ原料を手で入れる作業や、計量・検査など、人手に頼る作業が多かった。
- 取り組み:計画の磨き上げ県の産業支援機関に認定支援機関として支援を頼み、事業計画を繰り返し磨いた。助言は主に販路開拓に関するもので、採択後も補助事業中の進み具合の確認や実績報告時の効果の検証で支援を受けた。
- 取り組み:製造ラインの増設生産能力を約1.3倍にするため、5本目の製造ラインを作った。充填の工程を速くするために充填包装機を、高所のホッパーへの原料投入を自動にして負担を減らすためにワンバケット昇降機を、計量と検査を一度に行って精度を上げ省力化するために金属検出機能付きオートチェッカを導入した。最大15グラムの充填にも対応し、大容量の商品も作れるようにした。
補助金を使った経費
記事の内容から、ものづくり補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 機械装置・システム構築費 | 充填包装機 |
|---|---|
| 機械装置・システム構築費 | ワンバケット昇降機 |
| 機械装置・システム構築費 | 金属検出機能付きオートチェッカ |
事業の効果
- 充填工程の生産性が既存の装置に比べて33%上がった。
- 生産能力が1.3倍になり、目標の101%を達成した。
- 検査の工程を3名から2名で回せるようになった。
- 生産性と安全性が大きく改善し、残業が減って従業員に余裕が生まれた。省スペース化で作業もしやすくなった。
- 売上は年平均4%で伸び、自社ブランドの売上が全体の20%を占めるようになった。
事業者の声
これからの時代、コーヒーはもっと進化する。
家庭で大切な家族や仲間とおいしいコーヒーを飲んで笑顔になってもらいたい。
当社では3つの自社ブランドを保有している。コーヒー器具のCAFEC、自家焙煎コーヒーのYOUMECA、四季料理店の百膳の夢。これらを大切に育てていきたい。
海外市場では、ドリップコーヒーの文化がまだ広まっていない地域も多いため、そこに新たな需要を生み出したい。例えば、水出しコーヒーバッグなど、海外の顧客ニーズに対応した商品開発を推進し、輸出拡大に向けた取り組みを強化している。
国内の小規模飲食店では、料理人の人手不足などで悩んでいる事業者も多いはず。小規模飲食店が効率的に料理提供できるように支援することで、中小飲食業界に貢献したい。
大分県のコーヒー関連製品メーカー(従業員140名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、ものづくり補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(23次)
相談先と計画づくり
| 県などの公的支援機関 | 公益財団法人大分県産業創造機構 |
|---|
受注増への対応、歩留まりの改善、納期遅れの解消、残業や手作業の負担の軽減という4つの課題を整理した。そのうえで、製造ラインを1本増やして生産能力を約1.3倍にする計画にまとめた。
今後の展望
水出しコーヒーバッグなど海外の好みに合わせた商品を開発し、輸出を広げる。国内では冷凍の料理を届けて人手不足の小さな飲食店を支える。閑散期の生産計画づくりや、中長期の生産機械・資材倉庫の整備も進める。
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