展示会出展に補助金を使った事業者の成果|出展費と一緒に入れた経費
この記事の要点
展示会の出展に補助金を使った事業者の成果は、バイヤーとの商談と新しい取引先の獲得として出ています。持続化補助金と新事業進出・ものづくり補助金で出展費が入る経費、一緒に入れたパンフやパッケージ、申込みの時期の決まりを整理しました。
この記事の目次
展示会の出展に補助金を使った事業者の成果は、バイヤーとの商談の数と、新しい取引先の獲得として出ています。採択事例の多くは、出展料だけでなく、ブースで配るパンフレットや商品のパッケージも同じ計画に入れています。
国の補助金では、小規模事業者は持続化補助金の展示会等出展費、新製品・新事業の販路を開く会社は新事業進出・ものづくり補助金の広告宣伝・販売促進費で出展できます。
展示会に出たいが費用が重く、補助金を使って出展した会社がどんな成果を出したのか、出展費のほかに何を計画に入れればよいのかを知りたい方に向けた記事です。採択事例の成果と経費の組み合わせ、公募要領の決まりで整理します。
展示会の出展費を補助する国の補助金
展示会の出展費を補助する国の補助金は、持続化補助金と新事業進出・ものづくり補助金の2つで、どちらも出展料に加えてブースや販促物の費用を計画に入れられます。
| 補助金 | 出展費が入る経費 | 中身 |
|---|---|---|
| 持続化補助金 | 展示会等出展費 | 新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するための経費(関連する運搬費・通訳料・翻訳料を含む) |
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 広告宣伝・販売促進費 | 広告宣伝・販売促進費は、補助事業の製品・サービスの広告(パンフレット・動画・写真等)の作成と媒体掲載、PR用ウェブサイトの構築、展示会出展、ブランディング・プロモーションの経費 |
出典:持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版 商工会議所地区 p.15『7.(3)④ 展示会等出展費』台帳で見る
新事業進出・ものづくり補助金の広告宣伝・販売促進費には「広告宣伝・販売促進費(全枠):上限は事業計画期間1年当たりの補助事業で新たに製造等する製品等の売上高見込み額(税抜き)の5%」という上限があり、新しい製品の売上の見込みが小さいと出展に使える額も小さくなります。都道府県や区市の助成も含めた制度の比べ方は展示会出展に使える補助金・助成金で取り上げています。
出展した事業者が得た商談と取引先
補助金で展示会に出た事業者の成果は、名刺交換や商談の件数と、そこから決まった新しい取引先の数で語られることが多く、売上の変化はそのあとに続いて出ます。
- 和紙の壁紙を開発した製紙会社:ギフトの展示会で65社と商談し、そのうち2社と契約の交渉に進みました。
- 屋上緑化の製品を作るメーカー:3日間のガーデンの展示会で279人の来場者と名刺を交換し、国内外から引き合いを得ました。
- 伝統の革を最終製品にして見せた皮革の会社:展示商談会で完成した製品の形で見せたことで、アパレルのバイヤーに使い道が伝わり、1年で新しい取引を約20件得て、売上高が前年比100%増になりました。
- 問屋経由だった食器の窯元:首都圏の展示会への出展と通販用のカタログで消費者向けの売り方を広げ、売上高営業利益率がコロナ前より約4ポイント上がりました(中小機構 活用事例)。
どの事例も、出展の目的を「誰と商談するか」で決めていて、来場者の数ではなく商談と取引の数を成果にしています。展示会・商談会の採択事例は展示会・商談会に出展した採択事例で一覧にしています。
出展費と一緒に入れた経費はパンフと包装
展示会等出展費を使った採択事例の多くは、同じ計画で広報費も使っていて、ブースで渡すパンフレットやポスター、商品のパッケージを出展にあわせて作り直しています。
| 一緒に入れた経費 | 採択事例で作った物 | 展示会での役目 |
|---|---|---|
| 広報費 | パンフレット、ブースの壁面ポスター、チラシ | 立ち寄ったバイヤーに持ち帰ってもらい、後日の商談につなげる |
| 新商品開発費 | ギフト箱、パッケージの改良、試作品 | 店頭に並んだ姿をバイヤーに見せる |
| ウェブサイト関連費 | 英語のホームページ、商品の紹介ページ | 名刺交換のあとに詳しい情報を見てもらう |
食品の会社がパンフレットと新しいパッケージを用意して3日間で300社以上のバイヤーに説明し、商談が進めやすくなったという事例もあります。広報費で作られた品目の傾向は持続化補助金の広報費で買われたもので取り上げています。
商談を取引に変えた会社が展示会後にしたこと
商談を取引につなげた会社は、展示会のあとに見本の送付や見積の提出まで計画に入れていて、会場で集めた名刺を次の連絡に使っています。
採択事例でも、展示会で興味を持たれたあと、カタログや自社のホームページで詳しい情報を見てもらい、見積や見本の依頼につなげた流れが目立ちます。福祉機器の展示会に出た卸売の会社は、展示会のあとにデモ機の依頼が急に増え、大手流通2社のカタログに載ることが決まりました。
展示会で得た連絡先を、出展後の1か月で何件の見積・見本の送付につなげるかまで目標にしておくと、成果を実績報告や次の計画で示しやすくなります。出展の費用のうちどこまでが補助の対象かは持続化補助金で展示会・商談会に出る費用で取り上げています。
専門家から見た展示会出展のポイント
展示会の計画は、出展料より「ブースで何を見せ、誰から何件の商談を取るか」を先に決め、パンフレットや試作品をその目標に合わせて作ると、成果を数字で示せる計画になります。
持続化補助金の採択事例のうち展示会等出展費を使った事例は38件で、全体の10.4%です。製造業の事例にしぼると22.0%が展示会等出展費を使っていて、法人の買い手を探す製造業ほど展示会を選んでいます。
展示会が向いている会社
問屋や1つの卸先に頼っていて、新しい小売店・百貨店・海外の取引先と直接会いたい製造業や食品の会社です。バイヤーが集まる業界の展示会に出ると、短い期間で商談の数を稼げます。
展示会より先に準備が要る会社
商品のパッケージや価格が業者向けに整っていない会社です。展示会で興味を持たれても、卸値や最低ロット、見本の送り方が決まっていないと取引に進みません。出展の前に、新商品開発費でパッケージを整え、取引条件を1枚にまとめておきます。
経費ごとの採択事例は持続化補助金の対象経費別の採択事例で探せます。
間違えやすい点
展示会の成果の計画で間違えやすいのは、目標の置き方、記録の残し方、新事業進出・ものづくり補助金の見積の3つです。
「来場者に多く見てもらう」を目標にすると、出展したあとに成果を説明できません。名刺交換の件数、見積を出した件数、新しく取引が始まった社数のように、数えられる目標にします。
商談の中身を残していないと、出展の効果を次の申請や事業効果の報告で示せません。ブースで話した相手と、その後の連絡の結果を一覧にしておきます。
新事業進出・ものづくり補助金の広告宣伝・販売促進費は「広告宣伝・販売促進費は金額にかかわらず、複数者からの見積もりと価格の妥当性が確認できる証憑の提出が必要」とされています。出展料が1社だけの主催者でも、価格が妥当なことを示す資料を用意します。
新事業進出・ものづくり補助金の対象経費は新事業進出・ものづくり補助金の対象経費で取り上げています。
よくある質問
展示会の成果は何で示せばいいですか?
名刺交換の件数、商談の件数、見積や見本を送った件数、新しい取引先の数が使いやすい指標です。売上の変化は取引が始まってから出るため、出展直後の成果は商談の数で示します。
パンフレットやパッケージも同じ申請に入れられますか?
入れられます。持続化補助金では、パンフレットは広報費、パッケージの試作は新商品開発費として、展示会等出展費と一緒に計画できます。
1回の申請で複数の展示会に出られますか?
補助事業の期間の中に開かれる展示会なら、計画に書いた範囲で複数に出展できます。展示会ごとに、狙う相手と目標を分けて書きます。
新事業進出・ものづくり補助金で展示会だけに出ることはできますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問補助金の関連記事
一覧へ公開 2026/10/17
要点補助金で買った単価の高い設備は、事務局の承認を受ければ売れますが、売った額か残っている簿価に補助率をかけた額を国に納めます。売れない期間、承認の手順、担保や事業承継も処分になる場面を5つの補助金の公募要領で整理しました。
公開 2026/10/17
要点平日や閑散期の空きを埋める取り組みは、持続化補助金の販路開拓として申請できます。採択された宿や飲食店が入れた設備と告知の組み合わせ、予約の仕組みに合う補助金、計画書で空く日を数字にして見せる書き方を整理しました。
公開 2026/10/17
要点人手が足りない小さな製造業は、カタログの機械で作業を置きかえるなら省力化投資補助金、増産分で新しい注文を取るなら持続化補助金が合います。採択事例で入れた設備と減った作業時間、制度の選び方を整理しました。
公開 2026/10/17
要点補助金の交付決定は、ほかの用途への使用や条件・法令への違反で取り消され、受け取った分を返します。違反による取消では受け取った日からの加算金が付き、天災などの事情変更では付きません。補助金適正化法と交付規程の条番号で整理しました。