持続化補助金の広報費で買われたもの|チラシ・看板・ネット広告の多い順
この記事の要点
持続化補助金の採択事例で広報費に使われたのは、チラシ、パンフレット・カタログ、看板、ネット広告・SNS広告の順です。品目ごとの使い方の例と、広報費の上限、名刺やノベルティなど対象外になりやすい物を公募要領とあわせて整理しました。
この記事の目次
持続化補助金の採択事例で広報費に使われたものは、多い順にチラシ、パンフレット・カタログ、看板、ネット広告・SNS広告、ポスターで、上位3つの紙と看板が大半を占めます。
広報費には補助金額の上限があり、広報費だけでは申請できません。過去の事例に名刺やノベルティもありますが、今の公募要領では対象外とされている枠があるため、品目ごとに確かめます。
持続化補助金の広報費で、ほかの会社が実際に何を作ったのか、自社の計画に何を入れられるのかを知りたい方に向けた記事です。採択事例で広報費に入っていた品目を多い順に並べ、公募要領の決まりとあわせて整理します。
採択事例の広報費で多かった10品目
採択事例の広報費でいちばん多いのはチラシで、パンフレット・カタログ、看板が続き、この3つが広報費を使った事例の中心です。
| 順位 | 品目 | 採択事例での使い方の例 |
|---|---|---|
| 1 | チラシ(折込・ポスティング・DMを含む) | 新聞折込で商圏の高齢層に届ける、新商品の案内を既存客へ送る |
| 2 | パンフレット・カタログ・リーフレット | 仕出しや法人向けの商品案内、通販用のカタログ |
| 3 | 看板・のれん・のぼり | 道路の両側から見える看板、店の業種がわかる外観のサイン |
| 4 | インターネット広告・SNS広告 | 検索連動の広告、地域を絞ったSNS広告 |
| 5 | ポスター・パネル | 店頭や展示会のブースでの掲示 |
| 6 | 動画 | 商品の使い方や工房の技術を見せるPR映像 |
| 7 | メニュー表 | 新メニューや外国語に対応したメニューの作り直し |
| 8 | ノベルティ | 来店客に配る記念品(枠によっては対象外) |
| 9 | 名刺・ショップカード | ショップカードを商品に添える(名刺は消耗品として対象外の枠あり) |
| 10 | 新聞・雑誌・フリーペーパーへの掲載 | 地元の月刊誌や情報誌に広告を出す |
順位は、持続化補助金の採択事例のうち広報費を使った事例について、品目ごとに使った事例の多さで並べたものです。チラシを主に作った採択事例はチラシ・パンフレットを作った採択事例にまとめています。
チラシとカタログが上位に来る理由
チラシとカタログが多いのは、配る相手と地域を自分で決められて、配った数と問い合わせの数で効果を確かめやすいからです。
採択事例では、届けたい相手がはっきりしている計画ほど紙を選んでいます。旅館への卸に頼っていた食品製造業は、店頭で渡すしおりとショップカードを作り、しおりをきっかけにした紹介で新しい客を得られるようになりました(中小機構 活用事例)。
カタログは、問屋を通さずに消費者や小売店へ直接売りたい会社が、通販や展示会の商談で使う形が目立ちます。紙のチラシは、ネットを使わない高齢の客や、近所でまだ店を知らない人に届けたい計画で選ばれています。販路の広げ方ごとの経費の選び方は販路が広がらない会社の補助金の使い方で取り上げています。
看板とのれんで店の存在を知らせる
看板は、店の前を人が通っているのに何の店か知られていない、という課題に対して選ばれ、来店の数で成果が出やすい広報費です。
採択事例では、看板がなく、建物の前を通る人にも不動産会社だと知られていなかった会社が、ステンドグラスの看板を作って外から業種がわかるようにしました(中小機構 活用事例)。幹線道路側と商店街側の両方に看板を出した飲食店では、利用客が1日に1組増えています。
のれんやのぼりも、店の入口の見え方を変える目的なら看板と同じ考え方で計画に入れられます。看板を作った採択事例は看板・サインを作った採択事例で探せます。
広報費の上限と対象にならない物
広報費は補助金額に上限があり、単独では申請できず、消耗品や配るための品物は対象外とされている枠があります。
通常枠の公募要領は、広報費を「パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等。補助金交付申請額の上限30万円(税込)。広報費のみの申請不可」としています1。補助金の総額をいくらにする計画でも、広報費に充てられる補助金はこの上限までです。
- 名刺:創業型の公募要領は「名刺・文房具・インク・用紙・USBメモリ・電池・段ボール・梱包材などの消耗品は対象外」としています。ショップカードも、名刺と同じ使い方なら消耗品とみなされるおそれがあります。
- ノベルティ・試供品:共同・協業型の公募要領は「クラウドファンディングの経費全般、売上等に応じて課金される成功報酬型の費用、配布目的の景品・ノベルティ・サンプル品・試供品の購入費は対象外」としています。通常枠で入れたい場合は、商工会・商工会議所に先に確かめます。
- 画像・動画:災害支援枠の公募要領は、宣材写真や販売用の画像・動画をウェブサイト関連費の例に挙げています。ネットで使う動画は、広報費かウェブサイト関連費かを計画の段階で決めておきます。
経費の区分ごとの条件は持続化補助金の対象経費一覧で取り上げています。
専門家から見た広報費の使い方のポイント
広報費は「何を作るか」より「誰に、どこで、何部届けるか」を先に決めた計画ほど、審査で効果を説明しやすく、成果も数字で確かめられます。
持続化補助金の採択事例のうち広報費を使った事例は216件で、全体の59.3%にあたり、経費の区分の中でいちばん多く使われています。業種で見ると、卸売業・小売業の事例では61.8%、製造業の事例では53.7%が広報費を使っています。
広報費を中心に組んでよい会社
店や商品の良さは来てもらえば伝わるのに、地域で知られていない小売店や飲食店です。看板とチラシを組み合わせ、配る地域と部数、看板を見て来た客の数を計画の目標に置くと、成果を確かめやすくなります。
広報費の前に商品の見せ方を直す会社
告知をしても手に取ってもらえない、価格だけで比べられてしまう、という製造業や食品の会社です。広報費を増やす前に、パッケージやロゴなどの新商品開発費で見せ方を整え、そのうえでカタログや展示会で届けます。
経費ごとの採択事例は持続化補助金の対象経費別の採択事例で探せます。
間違えやすい点
広報費で間違えやすいのは、配る時期、作っただけの印刷物、広報費だけの計画の3つです。
補助の対象になるのは、補助事業の期間の中で配ったチラシや掲載した広告だけです。印刷して倉庫に残ったチラシや、期間が終わってから配る分は、実績報告で認められません。
実績報告では、チラシの現物や配布の記録、看板を設置した写真など、作った物を使ったことがわかる証拠が求められます。納品書だけでは足りないので、配布や掲載のたびに記録を残します。
広報費だけの申請はできません。チラシと看板だけの計画でも、設備や改装、展示会など、ほかの経費と組み合わせる必要があります。
実績報告までの手続きは持続化補助金の採択後の手続きで取り上げています。
よくある質問
会社案内のパンフレットは広報費になりますか?
補助事業で売り出す商品やサービスを伝えるパンフレットなら広報費として計画できます。補助事業と関係のない会社全体の案内だけを作る場合は、計画とのつながりを説明しにくくなります。
看板の設置工事も広報費に入りますか?
採択事例では、看板の制作と設置をあわせて広報費に入れている例が多くあります。建物と一体になる大きな工事を伴う場合は、委託・外注費との区分を事前に確かめます。
SNSの運用を外注する費用は広報費ですか?
持続化補助金の広報費に入るのは、SNS広告など広告の出稿です。投稿の代行のような運用の外注は、どの区分に入るかを商工会・商工会議所に確かめてから計画に入れます。
チラシのデザイン料は対象になりますか?
ほかの質問も見る持続化補助金のよくある質問出典(1件)
- 持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版 商工会議所地区 p.13『7.(3)② 広報費』
参考資料
- 全国商工会議所「持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)」
- 全国商工会連合会「持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会地区)」
- 全国商工会議所「持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版」
- 持続化補助金 共同・協業型事務局「持続化補助金 共同・協業型 第3回 公募要領 第6版」
- 全国商工会議所「持続化補助金 災害支援枠 熊本地震 第1回 公募要領」
- 中小企業基盤整備機構「生産性革命推進事業 活用事例(しおりとショップカード)」
- 中小企業基盤整備機構「生産性革命推進事業 活用事例(ステンドグラスの看板)」
- 公募要領の台帳(持続化補助金)
確認日:2026年10月17日
VOICE
この補助金を使った人の声
岐阜県の美濃焼の窯元従業員2名以前は、どんな商品があるのかをお客様に伝える手段がありませんでした。
兵庫県の豆腐店従業員3名会社員時代は事業を継ぐ意思は全く無かったので、ほんの軽い気持ちで店を手伝い始めた。
新潟県のリラクゼーションサロン1人でも多くのお客さまに当店を知っていただけるよう、生活情報誌への広告掲載やリスティング広告、パンフレット作成などへ使えないかと考えました。
出典:中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言
小規模事業者持続化補助金の採択事例
一覧へ食べられる写真チョコレートの開発と予約の仕組みづくり
株式会社ベニー
成果月間約20個を販売し、既存商品の販売数は減らず、急な注文にも対応できるようになった。
チョコレート上に画像や文字を印字できる特殊プリンターを購入し、「食べられる写真チョコレート」を開発した。
看板と英語のホームページで、平日の客室を埋める
有限会社湖上館
成果売上が約3%増。英語サイトから来た海外のお客様が平日の客室を埋め、看板を見てカヤックなどを追加注文する人が増えた。
週末に客が集中し平日が空く宿で、宿と体験メニューを伝える看板を立て、スマートフォン対応の英語版ホームページを作って海外から予約できるようにした。
行列のできるカレーを冷凍して売り、待ち時間の取りこぼしを減らす
株式会社ナチュラルコーヒー
成果冷凍作業が半日から約2時間になり、作れる量は2〜3倍に。
豆の仕入れ値の高騰と卸先の閉店で先が見えない中、昼に満席で帰ってしまう客もいた。
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