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トップ/補助金/労働生産性とは?補助金で使う計算式と制度ごとの目標の立て方
補助金

労働生産性とは?補助金で使う計算式と制度ごとの目標の立て方

公開 2026/10/18専門家監修

この記事の要点

補助金でいう労働生産性は、付加価値額を働く人の数か総労働時間で割った値です。省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金で分母が違う点、人件費に入れる費用、年平均成長率の目標の立て方を公募要領と公式のよくある質問で整理しました。

この記事の目次
  1. 中小企業省力化投資補助事業とは?
  2. 労働生産性の計算式は制度で違う?
  3. 付加価値額の人件費に入れる費用は?
  4. 年平均成長率の目標はどう決める?
  5. 専門家から見た労働生産性のポイント
  6. 間違えやすい点
  7. よくある質問
結論

補助金でいう労働生産性は、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を、働く人の数か年間の総労働時間で割った値です。

省力化投資補助金は人数で割り、デジタル化・AI導入補助金は総労働時間で割るため、同じ決算書でも数字が変わります。目標は「基準の年度から毎年平均で何%伸ばすか」の形で計画書に書きます。

AIで対象か確認する

補助金の計画書で「労働生産性の年平均成長率」を書く欄があり、何をどう計算すればよいかを知りたい方に向けた記事です。

省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金の公募要領と公式のよくある質問から、計算式の違いと目標の立て方を整理します。

中小企業省力化投資補助事業とは?

中小企業省力化投資補助事業(省力化投資補助金)は、人手不足に悩む中小企業が、省力化の機械やシステムを入れる費用の一部を国が補助する制度です。カタログから製品を選ぶカタログ注文型と、自社に合わせた設備を入れる一般型の2つがあります。

どちらの型も、労働生産性を毎年伸ばす計画が申請の条件です。一般型では事業計画期間において毎年、基準年度と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)4.0%以上向上が求められます1。2つの型の違いは省力化投資補助金の申請類型で取り上げています。

労働生産性の計算式は制度で違う?

分子の付加価値額はどの制度も同じで、分母だけが違います。省力化投資補助金の一般型は、労働生産性を労働生産性=付加価値額÷労働者数と定めています2。

制度 分子 分母
省力化投資補助金(一般型) 付加価値額 労働者数
省力化投資補助金(カタログ注文型) 付加価値額 従業員数(役員も含める)
デジタル化・AI導入補助金 営業利益+人件費+減価償却費 1年間の総労働時間

出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.7『1-2 定義(5)』台帳で見る

人数で割る制度では、人を減らさずに売上と利益を伸ばすと数字が上がります。時間で割る制度では、同じ人数でも残業が減れば数字が上がるため、ソフトで事務の時間を減らす計画と相性がよい式です。デジタル化・AI導入補助金の仕組みはデジタル化・AI導入補助金の対象者と枠で取り上げています。

付加価値額の人件費に入れる費用は?

人件費は給与だけではありません。省力化投資補助金の公式のよくある質問では、給料・賃金・賞与、各種手当、法定福利費、売上原価に入っている労務費、一般管理費の役員給与や福利厚生費・退職金まで含めると答えています(省力化投資補助金 カタログ注文型 よくあるご質問 p.5『応募・交付申請 21』)。

製造業で工場の人の給料を売上原価の「労務費」に入れている会社は、販売費及び一般管理費の給料だけを拾うと人件費が小さくなります。決算書の製造原価報告書も一緒に見ると漏れません。個人事業主は、事業主本人と専従者の給与を人件費に入れません。

給与まわりの数字の拾い方は、賃上げの要件で使う給与支給総額に含まれるものと範囲が違うので、取り違えないようにします。

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年平均成長率の目標はどう決める?

目標は「基準の年度の労働生産性から、毎年平均で何%伸ばすか」で書きます。足し算ではなく複利で計算します。例えば年4%を3年続けると、最後の年は基準の約1.125倍です。

デジタル化・AI導入補助金の通常枠は、1年後に労働生産性を3%以上、事業計画期間(3年)の年平均成長率3%以上(IT導入補助金2023~2025の通常枠等で交付決定を受けた事業者は4%以上)を求めています3。カタログ注文型は補助事業終了後3年間で毎年、申請時と比較して労働生産性を年平均成長率(CAGR)3.0%以上向上です。

  1. 直近の決算書から、営業利益・人件費・減価償却費を拾い、基準の年度の付加価値額を出します。
  2. 制度の決まりに合わせて、人数か総労働時間で割ります。
  3. 導入する設備やソフトで減る作業時間、増やせる受注を、年度ごとの売上と費用に落とします。
  4. 3年後の値を基準の値で割り、3乗根から1を引いて、制度の基準を超えるかを確かめます。

売上の見込みの根拠の作り方は補助金の事業計画で売上予測はどう作る?で取り上げています。

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専門家から見た労働生産性のポイント

労働生産性の目標は、省力化の効果を数字で見せる中心の欄です。省力化投資補助金の採択事例28件のうち、生産性・人手不足を課題に書いた事例は28件あり、ほぼすべての計画がこの数字で効果を説明しています。

目標を立てやすい会社

手作業の時間を記録していて、機械やソフトで何時間減るかを工程ごとに言える会社です。減った時間で受けられる仕事の量まで書けると、売上と付加価値額の伸びがつながります。

数字の置き方に迷う会社

直近の期に一時的な大口の受注や特別な費用があり、基準の年度の利益がふだんと違う会社です。基準を動かすことはできないため、翌年に利益が下がる分も見込んだうえで、3年で平均が基準を超える筋道を立てます。採択後に届かなかったときの扱いは効果報告で目標に届かなかったら?で取り上げています。

間違えやすい点

労働生産性で間違えやすいのは、分母の数え方と、比べる時点です。

注意

省力化投資補助金の一般型では、申請の画面に入れる従業員数が3種類あります。補助上限を決める常勤の人数、労働生産性の人数(役員は別の欄)、1人当たり給与支給総額の人数を、それぞれの決まりで数えます。数え方は補助金の従業員数の数え方で取り上げています。

注意

労働生産性は導入する事業場だけでなく、法人全体で計算します。一部の店舗や工場の数字だけで目標を作らないようにします。

よくある質問

創業して1年たっていない場合はどう書きますか?

デジタル化・AI導入補助金のよくある質問では、実績が1年分に満たないときは、事業をした期間を1年分に換算した数字を入れると答えています。

労働生産性の目標に届かないと補助金を返しますか?

目標に届かなかったことだけで返還にはならないと、省力化投資補助金とデジタル化・AI導入補助金のよくある質問は答えています。ただし、入れた設備を使わずに置いていたなど、会社の故意や過失が原因の場合は返還を求められることがあります。デジタル化・AI導入補助金では、未達の理由と改善の方法を効果報告で出します。

デジタル化・AI導入補助金の1年度目はいつですか?

直近の決算期の数字を前年度の実績として入れ、交付申請日が入る年度の次の事業年度を1年度目として、3年分の計画を作ります。

人を増やすと労働生産性は下がりますか?

人数で割る制度では、増やした人が生む付加価値が平均より小さいと下がります。採用の予定がある会社は、採用した人が担う仕事の売上まで計画に入れます。

ほかの「よくある質問」を見る

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Qほかの質問も見る補助金のよくある質問→
出典(3件)
  1. 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.10『1-5(1)① 基本要件』
  2. 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.7『1-2 定義(5)』
  3. デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.7『2-1-1(2) 申請要件 (ク)』

参考資料

  • 中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)」
  • 中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)公募要領」
  • 中小企業基盤整備機構「省力化投資補助金 カタログ注文型 よくあるご質問」
  • 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版)」
  • 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 よくあるご質問」
  • 公募要領の台帳(省力化投資補助金)
  • 公募要領の台帳(デジタル化・AI導入補助金)

確認日:2026年10月17日

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目次

  1. 中小企業省力化投資補助事業とは?
  2. 労働生産性の計算式は制度で違う?
  3. 付加価値額の人件費に入れる費用は?
  4. 年平均成長率の目標はどう決める?
  5. 専門家から見た労働生産性のポイント
  6. 間違えやすい点
  7. よくある質問

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