補助金の従業員数の数え方は?常時使用する従業員・役員・パートの扱い
この記事の要点
補助金の従業員数は常時使用する従業員で数え、役員や日雇い、短期の雇用、試用期間中の人は入りません。入る人・入らない人、従業員数で変わる対象・補助上限・補助率、賃上げ要件での数え方を公募要領で整理しました。
この記事の目次
補助金の従業員数は「常時使用する従業員」で数えます。労働基準法で解雇の予告が必要な人が対象で、役員、日雇いの人、短い期間だけ雇う人、試用期間中の人は入りません。
従業員数は、対象になるかどうか、補助上限、補助率の判定に使われます。賃上げ要件で1人当たりの給与を出すときは、パートを正社員の働く時間に換算するなど、別の数え方をします。
補助金の申請で従業員を何人と書けばよいか、役員やパート、家族を入れるかどうかを知りたい方に向けた記事です。
持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、省力化補助金の公募要領から、従業員の数え方だけを整理します。
常時使用する従業員に入る人・入らない人
補助金でいう従業員は、中小企業基本法の「常時使用する従業員」です。新事業進出・ものづくり補助金は「常勤従業員は中小企業基本法上の「常時使用する従業員」で、労働基準法第20条の解雇予告が必要な者。日々雇い入れられる者、2か月以内の期間雇用、4か月以内の季節的業務、試用期間中の者は含まない」としています。
| 人 | 従業員に入るか |
|---|---|
| 正社員 | 入る |
| 代表者・役員 | 入らない |
| 日雇い・2か月以内の期間雇用の人 | 入らない |
| 4か月以内の季節的な仕事の人 | 入らない |
| 試用期間中の人 | 入らない |
| 同居の親族の従業員(持続化補助金) | 入らない |
出典:持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版 p.4『2.補助対象者』台帳で見る
パートやアルバイトは、長く続けて雇っていて解雇の予告が必要な人かどうかで判断します。個人事業主本人や家族の扱いは個人事業主が使える補助金は?で取り上げています。
従業員数で変わる対象・補助上限・補助率
従業員数は、申請できるかどうかと、受け取れる補助の大きさの両方に関わります。持続化補助金は、小規模事業者であることを条件にしており、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下/宿泊業・娯楽業20人以下/製造業その他20人以下(常時使用する従業員)です1。
- 対象になるか:持続化補助金は、決まった人数を超えると申請できない。
- 補助上限:新事業進出・ものづくり補助金や省力化補助金は、従業員数の区分で上限が変わる。
- 補助率:小規模事業者かどうかで補助率が変わる制度がある。
業種によって人数の線が違うため、御社がどの業種に当たるかも確かめます。持続化補助金の従業員数は持続化補助金の従業員数|常時使用する従業員でも取り上げています。
申請後に従業員が増えたり減ったりしたとき
従業員数は、原則として申請した時点で判断します。新事業進出・ものづくり補助金のよくある質問は、補助上限は申請した時点の従業員数で決まり、採択の後に人が増えても上がらないとしています。
一方で、小規模事業者として高い補助率を受けた場合は、人が増えると補助率が下がることがあります。新事業進出・ものづくり補助金は「革新的枠で補助率2/3の小規模企業者・小規模事業者が、採択後から補助事業実施期間終了日までに定義から外れた場合は補助率1/2となり、補助金額も減額される」としています2。採用の予定がある会社は、補助事業の期間と重ねて計画します。交付決定の後の金額の変わり方は交付決定額が採択額より減るのはなぜ?で取り上げています。
賃上げ要件で使う従業員の数え方
賃上げ要件の「1人当たり給与支給総額」を出すときは、従業員の数え方が変わります。新事業進出・ものづくり補助金は、算出に含める従業員は、各事業年度に全月分の給与等を受けた従業員。中途採用・退職等で全月分を受けていない年度は除く。育休等による時短勤務者は除くことができ、パートは正社員の就業時間に換算するとしています3。
対象になるかを決める人数と、1人当たりの給与を出す人数は別のものです。申請書の欄ごとに、どちらの数え方かを確かめて書きます。1人当たりの給与の計算は給与支給総額に含まれるものは?で取り上げています。
専門家から見た従業員の数え方のポイント
従業員の数え方で多い間違いは、役員や家族を入れて数えてしまうことです。持続化補助金の採択事例364件の多くは、家族や数人の従業員で営む事業者で、人数の数え方で対象かどうかが分かれる会社も少なくありません。
数え方が単純な会社
正社員だけで、役員と従業員がはっきり分かれている会社です。労働者名簿の人数がそのまま申請の人数になります。
数え方に迷いやすい会社
家族が働いている会社、季節ごとにパートを増やす会社、試用期間の人がいる会社です。申請の時点で一人ずつ当てはめて、人数の根拠を労働者名簿で示せるようにしておきます。小規模事業者を卒業する加点を使う場合は補助金の賃上げ加点とは?もあわせて確かめてください。
間違えやすい点
従業員の数え方で間違えやすいのは、役員と、加点の条件の2つです。
役員だけで従業員がいない会社は、従業員0人として扱われます。新事業進出・ものづくり補助金のよくある質問は、役員だけの法人は対象外としています。
持続化補助金の小規模事業者卒業加点は、政策加点⑧小規模事業者卒業加点:補助事業終了時点で常時使用する従業員数が小規模事業者の定義を超えていること(商業・サービス業6人以上等)。未達の場合は補助金不交付としています。人を増やす約束が守れないと、補助金を受け取れなくなります。
人数の根拠に出す書類は補助金申請で用意する公的書類一覧で取り上げています。
よくある質問
派遣社員は従業員に入りますか?
派遣社員は派遣元の会社の従業員なので、御社の従業員には入りません。業務委託で働いている人も入りません。
育児休業中の従業員は数えますか?
雇用は続いているため、常時使用する従業員として扱うのが一般的です。賃上げ要件の1人当たりの計算では、時短勤務の人を除ける制度があります。
個人事業主本人は従業員に入りますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(3件)
- 持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版 p.4『2.(1) 小規模事業者であること』
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.18『1-4-1.(2)小規模企業者・小規模事業者』
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.11『1-3-1.(2)賃上げ要件』
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