省力化投資補助金で不採択になったら?再申請の時期と型ごとの直し方
この記事の要点
省力化投資補助金で不採択になっても再申請できます。カタログ注文型はいつでも、一般型は次の公募回に出し直せます。理由が開示されない中で見直す書類の不備と計画の書き方、一般型で評価を上げ直す所、型を変えて出し直す方法を整理しました。
この記事の目次
省力化投資補助金で不採択になっても、もう一度申請できます。カタログ注文型は受付期間中ならいつでも出し直せ、一般型は1つの公募回に1申請のため次の公募回に出し直します。
不採択の理由は教えてもらえないので、カタログ注文型は書類の不備と事業計画の書き方を、一般型は審査の4つの観点と賃上げの計画を見直してから出します。
省力化投資補助金で不採択の通知を受け取り、いつ・どう直して出し直せばよいかを知りたい方に向けた記事です。
カタログ注文型と一般型の公募要領・手引きから、再申請に関係する所を型ごとに整理します。
中小企業省力化投資補助金とは?
中小企業省力化投資補助金は、人手が足りない会社が、ロボットやセンサー、自動化の機械を入れて人の作業を減らす費用を補助する国の制度です。事務局の登録製品から選ぶカタログ注文型と、設備を自社用に組み立てる一般型があり、審査の仕組みも出し直しの時期も型で違います。
2つの型の上限・経費・選び方の違いは省力化投資補助金の申請類型で取り上げています。
カタログ注文型はいつ出し直せる?
カタログ注文型は、不採択の後に再び申請できると手引きに書かれています。不採択通知書は、申請マイページと販売事業者ポータルからダウンロードできます1。
カタログ注文型は締切のある公募回の形をとらず、公募要領は受付期間を「令和9年3月末頃までの間に補助事業の申請を受け付ける(随時)」としています。そのため、直す所が決まれば次の締切を待たずに出し直せます。審査の期間について、手引きは「採択・交付決定は申請から概ね1~2か月程度の予定。一度交付申請した申請は、採否が決まるまで取り下げられない。」としています。
出し直しの手続きも、最初と同じく販売事業者からの招待で始まります。販売事業者と一緒に、どこを直すかを決めてから招待を受けます。申請の流れは省力化投資補助金カタログ注文型の申請方法で取り上げています。
一般型は次の公募回まで待つ必要がある?
待つ必要があります。公募要領は「同一法人・事業者の応募は公募回毎に1申請に限り、同時申請不可」としています2。
不採択が決まった後なら、次の公募回に新しく応募できます。公募回ごとに要件や加点が少しずつ変わるため、前回の計画書をそのまま出さず、新しい公募要領と照らし合わせて作り直します。次の公募回の日程は、事務局のホームページで告知されます。
一般型は、採択結果の理由の開示や異議の申し立てを受け付けていません。ほかの補助金も含めた開示の扱いは補助金の不採択の理由は教えてもらえる?で取り上げています。
カタログ注文型で見直す書類と計画は?
カタログ注文型の手引きは、申請でよくある不備を3つの分野に分けて並べています3。不採択になった申請も、まずここに当てはまる所が無いかを確かめます。
- 人手不足の書類:よくある不備:時間外労働・従業員減少の様式の初回申請月が申請日と同じ月でない、求人票に事業者名がない、掲載日・求人期間が1年以内でない、ハローワーク求人票に受付年月日・紹介期限日がない、理由④で人手不足の背景説明がなく導入効果の説明になっている。
- 事業計画と賃金:よくある不備:決算書と入力値が一致しない(人件費が販管費に含まれる場合は明細、製造業は製造原価報告書も出す)、使用方法の説明が具体的でない、使途が選択肢と合わない、判定シートの業種が製品の業種と違う、賃金台帳と入力した最低賃金が合わない・直近月でない。
- 事業者の情報:よくある不備:履歴事項全部証明書の一部欠け・発行3か月超・現在事項全部証明書の提出・法人名や住所が基本情報と違う、確定申告書の受領確認不足(令和7年から控えに収受日付印が押されない)、従業員名簿の人数不足、株主名簿の総数不一致、納税証明書の期数不足・所得金額不一致。
今ある機械を同じ種類の製品に入れ替える申請は、とくに書き方で差が出ます。手引きは「置き換えの申請では、販売事業者は新たに加わる機能・性能を省力化効果判定シートに、中小企業等は事業計画に具体的に書く(例:「○○機能が追加された製品に置き換えることで、△△にかかる時間が××分短縮される」)。省力化効果が得られないと判断されると不採択。」としています。新しい製品で何の機能が増え、どの作業が何分減るかを数字で書き直します。人手不足の書類の整え方はカタログ注文型の人手不足要件の証拠書類で取り上げています。
一般型で審査の評価を上げ直すには?
一般型の書面審査の技術面は「書面審査(2) 技術面:省力化指数、投資回収期間、付加価値額、オーダーメイド設備の4つの観点」です4。前回の計画で、この4つの数字の根拠が弱かった所から直します。
| 見直す所 | 直し方の例 |
|---|---|
| 省力化指数 | 減る作業の時間を、作業ごとに1日あたりの分数で測り直す |
| 投資回収期間 | 削減できる人件費の単価と年間の稼働日数を、賃金台帳と勤務表から出し直す |
| 付加価値額 | 空いた人手で増やす売上の中身を、取引先や商品ごとに書く |
| オーダーメイド設備 | 自社の工程に合わせて何を組み合わせ、何を変えるかを図で示す |
| 足下の賃上げ | 物価の上がり方を上回る1人あたりの給与の伸びを計画に入れる |
出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.30『5-1 書面審査』台帳で見る
賃上げの計画について、公募要領には「直近決算期から基準年度までの「従業員の1人当たり給与支給総額」の年平均成長率が物価上昇率を上回る程度の賃上げが達成されない計画は審査上大幅に不利。足下の賃上げは採択後交付決定までに従業員へ表明必須」とあります。締切までに取れる加点も見直します。省力化ナビの確認や事業場内最低賃金の引き上げのように、応募の直前でも間に合う加点があります。加点の一覧は補助金の加点一覧で取り上げています。
型を変えて出し直すこともできる?
できます。一般型とカタログ注文型は、同じ経費に両方を使うことはできませんが、型を変えて出し直すことはできます。
一般型で不採択になった設備が、カタログに載っている製品の組み合わせで置き換えられるなら、カタログ注文型で入れる道があります。反対にカタログ注文型からの切り替えでは、一般型の公募要領が「人手不足の解消に向けてオーダーメイド設備等を導入する事業計画。汎用設備を単体で導入する事業は対象外(組み合わせ等で高い効果を生む場合はオーダーメイド設備とみなす)」としている点に気をつけます5。カタログの製品を1台そのまま入れる計画は、一般型では対象になりません。
型の切り替えで迷うときは、補助上限と手続きの重さを比べます。一般型は口頭審査や採択後の交付申請もあるため、入れるまでの期間は長くなります。一般型の審査と採択後の手順は省力化投資補助金 一般型の審査と採択後の流れで取り上げています。
専門家から見た再申請のポイント
一般型は公募回ごとの比べ合いです。公表されている一般型の採択率は第6回で63.9%でした。回ごとの推移は次のグラフのとおりです。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の採択率(公募回ごと)
最新の第6回は63.9%(全6回の平均は65.2%)
| 公募回 | 応募 | 採択 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 第6回 2026/08/28 | 1,841 | 1,176 | 63.9% |
| 第5回 2026/06/05 | 2,035 | 1,251 | 61.5% |
| 第4回 2026/03/06 | 2,100 | 1,456 | 69.3% |
| 第3回 2025/11/28 | 2,775 | 1,854 | 66.8% |
| 第2回 2025/08/08 | 1,160 | 707 | 60.9% |
| 第1回 2025/06/16 | 1,809 | 1,240 | 68.5% |
| 全6回の平均 | 1,953 | 1,281 | 65.2% |
出典:中小企業庁「採択結果」・ミラサポplus(中小企業省力化投資補助金(一般型)、各回の公表資料)。採択率は採択数÷応募数で当社が計算しています。公募回の名前から各回の発表ページを開けます。
同じ型で出し直すと向いている会社
カタログ注文型で、不備の差し戻しや書類の食い違いが原因と思われる会社です。書類と計画の書き方を直せば、すぐに出し直せます。一般型でも、加点を足せる会社や足下の賃上げを計画に入れられる会社は、同じ設備のまま次の公募回で評価を上げやすくなります。
出し直すか迷う会社
一般型で、設備の構成そのものが汎用の機械1台に近い会社です。計画の書き方では直せないため、カタログ注文型に切り替えるか、設備の組み合わせを見直します。設備を急いで入れたい会社は、次の公募回を待つより、カタログ注文型や別の補助金を考えたほうが早いこともあります。人手不足の設備に使える制度は人手が足りない小さな製造業の補助金で取り上げています。
間違えやすい点
再申請で間違えやすいのは、待っている間に設備を買ってしまうことです。
カタログ注文型では「製品本体の対象外:顧客が実質負担する費用、対外的に無償のもの、中古品、交付決定前に購入した製品、リースの金利・保険料、消費税」とされています。不採択の後に先に製品を買うと、出し直しても対象になりません。発注してよい日は交付決定通知書とは?で取り上げています。
一般型の公募要領には「中小企業庁所管補助金で賃上げに関する加点を受けて採択され要件未達の場合、未達報告から18か月の間、正当な理由がない限り大幅に減点」とあります。ほかの補助金で受けた加点も含むため、再申請の前に過去の補助金の報告の状況を確かめます。
よくある質問
不採択の理由は教えてもらえますか?
一般型は、採択結果の理由の開示や異議の申し立てを受け付けていません。カタログ注文型も、書類の不備は差し戻しで知らされますが、審査の理由の説明はありません。
不採択になったことは次の審査で不利になりますか?
一般型の公募要領にある減点は、賃上げ加点の未達と、同じような設備の申請が集中したときの過剰投資の2つです。不採択になったことそのものを減点する決まりはありません。
カタログ注文型で、審査中に申請を取り下げて出し直せますか?
一度出した申請は、採否が決まるまで取り下げられません。不備で差し戻された場合は、直して出し直します。
不採択の通知はどこで確かめますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(5件)
- 省力化投資補助金 カタログ注文型 応募・交付申請の手引き p.92『1. 交付申請後の流れ』
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.14『1-7 補助対象外となる事業』
- 省力化投資補助金 カタログ注文型 応募・交付申請の手引き p.94『7. よくある不備』
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.30『5-1(2) 書面審査 技術面』
- 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.12『1-5(2)④ その他の要件』
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