開業前の補助金申請はできる?創業型・創業助成と開業届を出す時期
この記事の要点
国の補助金の多くは開業後が前提ですが、持続化補助金の創業型は開店準備中でも、東京都の創業助成事業は創業前の個人でも申し込めます。開業届と創業支援を受ける日の順番、開業前に払った費用の扱いを公募要領と公式の案内で整理しました。
この記事の目次
国の補助金の多くは開業していることが前提で、持続化補助金の通常枠も、開業届の開業日が申請日より後の創業予定者は対象外です。
開業前から動けるのは、開業届を出したあと店を開ける前でも申請できる持続化補助金の創業型と、都内で創業を具体的に計画している個人も申し込める東京都の創業助成事業です。どちらも市区町村などの創業支援を先に受けることが条件のため、支援を受ける日と開業届を出す日の順番を決めてから動きます。
これから店や会社を始める段階で、開業前に申請できる補助金はあるのか、開業届はいつ出せばよいのかを知りたい方に向けた記事です。
持続化補助金の創業型・通常枠の公募要領と、東京都中小企業振興公社の創業助成事業の案内から、開業前に申請できる条件と開業届の時期を整理します。
開業前から準備できる持続化補助金の創業型とは?
持続化補助金の創業型は、創業して間もない小規模事業者が、チラシ・ホームページ・店の改装などで販路を広げる費用の一部を補助する枠です。補助率は2/3で、補助上限は200万円(インボイス特例対象事業者は50万円上乗せ)です1。
創業型は、まだ店を開けていない事業者も申請できる場合があると定めています。
店舗オープン準備中など未だ事業活動を開始していない事業者も対象となり得るが、補助事業終了までに事業活動を開始することが必要
条件の中心は、市区町村が認定した「特定創業支援等事業」の支援を受けていることです。証明書の取り方は特定創業支援等事業とは?で取り上げています。
開業届はいつ出せば申請に間に合う?
開業前に申請できるといっても、開業届や会社の設立そのものは申請より前に済ませておく必要があります。創業型と通常枠で、開業日の扱いは次のように分かれます。
| 枠 | 開業日・支援を受けた日の条件 |
|---|---|
| 持続化補助金 創業型 | 特定創業支援等事業による支援を受けた日および開業日(設立年月日)が公募締切時から起算して過去1か年の間であること |
| 持続化補助金 創業型(法人成り) | 個人事業の法人化をした場合、個人事業の開業日から1年を経過している場合は申請不可 |
| 持続化補助金 通常枠 | 申請時点で開業していない創業予定者は対象外(開業届上の開業日が申請日より後の場合も対象外) |
出典:持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版 p.7『5. 申請要件』台帳で見る
持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区) p.5『2. 補助対象者(補助対象者の範囲)』台帳で見る
創業型では、開業日と支援を受けた日の両方が、締切から数えて過去1年の間に入っていなければなりません。早く開業届を出しすぎると、次の公募の締切には1年を超えてしまうことがあります。公募の時期と締切は持続化補助金の公募はいつ?で取り上げています。
東京都の創業助成事業は開業前でも申し込める?
東京都中小企業振興公社の創業助成事業は、都内で創業を具体的に計画している個人も申請できます。創業したあとの人は、法人は登記から、個人事業主は開業届を出してから5年未満であることが条件です。
申請には、TOKYO創業ステーションなど公社が指定する創業支援を事前に利用していることが要件に含まれ、要件をそろえるまでに3か月以上かかることもあると案内されています。対象になる経費は、店舗の賃借料・広告費・器具備品・従業員の人件費などで、交付決定より前に払った開業の費用は対象になりません。
募集は年に数回で、申請はJグランツで受け付けます。助成額や募集の時期は回ごとに変わるため、東京都中小企業振興公社の助成事業一覧で確かめます。
家賃や人件費まで対象になる点の詳しい中身は創業支援助成事業の申請・採択で取り上げています。
開業前に払った費用は補助の対象になる?
開業前に申請できる制度でも、申請の前や交付決定の前に払った費用は対象になりません。持続化補助金の創業型も、交付決定前に発注・契約、購入、支払い等を実施したものは対象外(展示会の出展申込みのみ例外)としています2。
開店に合わせて看板や内装を先に発注すると、その分は自己負担になります。開業の日を決める前に、採択の発表と交付決定の時期を逆算し、補助金で払う物は交付決定のあとに発注する順番にします。交付決定より前に発注できない理由と例外は交付決定前の発注・契約はなぜ補助対象外?で取り上げています。
専門家から見た開業前の申請のポイント
持続化補助金の採択事例364件のうち、新しい事業や新しい市場への挑戦を課題にした事例は93件あります。開業前の申請でも、誰に何を売るかを数字で書ければ、創業したばかりという立場は不利になりません。
開業前から申請を準備するのが向いている会社
開業日がまだ動かせ、市区町村の創業セミナーや個別相談をこれから受けられる人です。支援を受ける日、開業届を出す日、創業型の締切を1年の中に収める計画が立てられます。
開業前の申請を急ぐか迷う会社
開店の日が決まっていて、看板や内装の発注を待てない人です。補助金の交付決定を待つと開店が遅れる場合は、開業後に通常枠で申請するか、先に創業融資で資金を用意する方が合うことがあります。融資と補助金の順番は創業融資と補助金は同時に使える?で取り上げています。
間違えやすい点
開業前の申請は、日付の順番を間違えると申請そのものができなくなります。
持続化補助金では、開業日の書かれていない開業届は無効です。開業届は、税務署に出す前に開業日の欄が埋まっているかを確かめます。
創業型は、補助事業が終わるまでに事業を始めていることが条件です。開店準備中に申請しても、補助事業の期間中に開業できなければ補助金は受け取れません。
開業1年目から使えるほかの制度の選び方は創業1年目から使える補助金で取り上げています。
よくある質問
開業届を出す前に持続化補助金へ申請できますか?
できません。創業型は開業日が申請要件に入っており、通常枠は開業届の開業日が申請日より後の創業予定者を対象外にしています。
会社員のうちに準備を始めてもよいですか?
市区町村の特定創業支援等事業は、創業前の人も受けられるものが多くあります。支援を受けた日が締切から過去1年に入るように、受ける時期を決めます。
開業前に申請して不採択だったら、開業後にもう一度出せますか?
創業型は、開業日と支援を受けた日が過去1年に入っている間は、次の公募にも申請できます。1年を過ぎたあとは、通常枠を考えます。
開業前の人が国の新事業進出・ものづくり補助金に申請できますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(2件)
- 持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版 p.8『6.(1) 補助率、補助上限額』
- 持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版 p.16『7.(4)⑥ 補助対象外となる経費』
参考資料
確認日:2026年10月17日
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