パートナーシップ構築宣言で補助金の加点を取る方法|掲載まで約10日と締切の逆算
この記事の要点
パートナーシップ構築宣言は新事業進出・ものづくり補助金で加点になり、締切時点でポータルサイトへの掲載が条件です。補助金を検討中の社長向けに、登録から約10日の掲載、締切からの逆算、新ひな形の注意をまとめます。
パートナーシップ構築宣言が補助金の加点になるのは、公表済みの公募要領では新事業進出・ものづくり補助金(第1回)だけです。成長加速化補助金(3次)では、加点ではなく審査の「波及効果」の例として挙がっています。
条件は、公募要領が指定する更新後のひな形で作った宣言が、申請締切日の時点でポータルサイトに公表されていることです。登録から公開までは約10日かかります。
新事業進出・ものづくり補助金(締切 2026年10月30日(金)18:00)で使うなら、締切の10日以上前に登録を終えるのが計算上の限度で、修正依頼に備えて2週間前までの登録が目安です。
補助金の申請を考えていて、「パートナーシップ構築宣言をすると加点になる」と聞いた社長に向けた記事です。どの補助金で加点になるか、宣言の登録から公開までの日数、締切から逆算した登録日、加点が外れるケースを、公募要領とポータルサイトの案内で確かめた範囲でまとめます。
パートナーシップ構築宣言の加点が使える補助金
2026年10月14日時点の公募要領で、加点項目に入っているのは新事業進出・ものづくり補助金だけです。持続化、省力化(一般型)、事業承継・M&A、デジタル化・AI導入の公募要領には出てきません。
パートナーシップ構築宣言とは、取引先との共存共栄と、発注側として望ましい取引慣行(国が定める「振興基準」)を守ることを、会社の代表者名で宣言し、ポータルサイトに公表する仕組みです。宣言するのは「発注者」の立場にある事業者で、内閣府と中小企業庁が進めています。
補助金ごとの扱いを並べた表です。
| 補助金(公募回) | 条件の要点 | 期限 | 出すもの |
|---|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり補助金(第1回) | 更新後のひな形で作った宣言をポータルサイトで公表 | 申請締切日の時点で公表されていること | 申請画面で加点を選ぶ(追加の提出書類の指定なし) |
| 成長加速化補助金(3次) | 加点ではなく、審査の「波及効果」で取引姿勢の例として挙がっている | 申請時に宣言済み | 事業計画の中で取組として書く |
| 持続化補助金(第20回) | 加点項目にない | なし | なし |
| 省力化投資補助金 一般型(第8回) | 加点項目にない | なし | なし |
| 事業承継・M&A補助金(16次) | 加点項目にない | なし | なし |
| デジタル化・AI導入補助金(2026) | 加点項目にない | なし | なし |
出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.46『3-1. 書面審査(8)加点項目』台帳で見る
新事業進出・ものづくり補助金の公募要領が加点の対象とするのは「令和8年1月1日に更新されたひな形を利用して宣言を公表している事業者」です。
加点の一覧は各補助金の早見表(新事業進出・ものづくり補助金の加点早見表、成長加速化補助金の審査で評価される取組)にまとめています。対象の補助金や条件は公募回ごとに変わるため、最新の公募要領で確認が必要です。新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は、加点の大きさを「一定程度の加点」と書いているだけで、点数は示していません。ほかの加点との組み合わせは補助金の加点一覧で整理しています。
宣言の手順と日数
宣言は「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトの登録フォームから出し、修正の依頼がなければ登録の約10日後に公開されます。申請が集中する時期は、数日多くかかることがあると案内されています。
ポータルサイトの「登録方法」で確かめた手順です。
- 宣言の中身を確かめる。宣言は代表者名で行い、企業名と代表者名を含む宣言文がサイトで公開されます。宣言には振興基準を守ることが含まれるため、先に振興基準を読みます。
- ひな形と記載要領をダウンロードする。いま配られているのは2026年1月版です。宣言文は、取引先との連携の取組(IT導入の支援、グリーン化、健康経営、BCPなどから選んで具体的に書く)と、振興基準の遵守(定型文)が柱です。
- 宣言文を作り、社内の手続きを済ませる。署名欄の企業名、代表権のある役職名、氏名、宣言日はワードなどで入力し、手書きはできません。押印は要りません。
- 宣言文をPDFにして、登録フォームから企業名や業種などの必須項目とあわせてアップロードする。登録すると、担当者に「『パートナーシップ構築宣言』を受領しました。」という件名のメールが届きます。
- 公開を待つ。修正依頼がなければ約10日後に「登録企業リスト」に載ります。補助金の申請前に、このリストで自社の宣言が載っていることを確かめます。
掲載の申し込みには、暴力団排除や、直近1年間に下請取引に関する勧告を受けていないか(受けた場合は履行しているか)などを誓う宣誓書が伴います。グループでまとめた宣言は受け付けられず、1社ずつの宣言です。個人事業主は、屋号と「代表」などの役職名を入れて宣言します。
出典:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト『登録方法』
いつまでに登録する?
公開まで約10日かかるため、締切の10日前が登録の計算上の限度です。修正依頼や混雑で数日延びることを考えると、締切の2週間前までに登録しておく方が安全です。
公表済みの締切と、登録の目安を並べた表です。約10日は暦日で単純に数えた目安です。
| 補助金(公募回) | 締切 | 登録の目安 |
|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり補助金(第1回) | 2026年10月30日(金)18:00 | 締切の10日前が計算上の限度。2週間前までが目安 |
| 成長加速化補助金(3次) | 2026年11月12日(木)15:00 | 申請時に宣言済みにするなら同じく締切の2週間前まで(加点ではなく審査の評価例) |
出典:中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領 p.18『7.(1)受付期間』台帳で見る
宣言文は代表者名で出すため、社内の決裁に時間がかかる会社は、その日数も足して逆算します。新事業進出・ものづくり補助金の締切には「厳守」と書かれており、公開が1日遅れると加点は受けられません。
加点が外れる場合
加点が外れるのは主に、更新前のひな形で宣言しているとき、締切日の時点でまだ公開されていないときです。
新事業進出・ものづくり補助金の条件は、公募要領が指定する更新後のひな形を使った宣言です。更新前に宣言して掲載されている会社でも、更新前のひな形のままでは、この条件に当てはまりません。新しいひな形で宣言し直し、締切までに公開されている必要があります。
新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は、加点項目すべてについて「申請締切日時点で満たしている必要がある」と書いています。登録しただけで公開前の状態は、公表している事業者に当たりません。
採択後の減点を心配する声もあります。同じ公募要領で、未達のときに減点の対象になると書かれているのは、賃上げに関する加点です。パートナーシップ構築宣言は、採択後に数値の達成を求められる種類の加点ではありません。賃上げの加点は賃上げ加点の記事で取り上げています。
一方で、宣言は公開後も守り続けるものです。ポータルサイトの公表要領では、下請取引に関する法律にもとづく勧告や排除措置命令を受けたときなどに、所管省庁の求めで掲載が取りやめになります。
出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.46『3-1. 書面審査(8)加点項目』台帳で見る
専門家から見たポイント
パートナーシップ構築宣言は、認定の審査が無く約10日で公開されるため、締切まで2週間ほどあれば間に合う可能性がある数少ない加点です。
向いている会社
新事業進出・ものづくり補助金に申請する会社で、仕入先や外注先に発注している会社です。宣言の中身は振興基準を守ることと取引先との連携の取組なので、取引条件の見直しを日頃から進めている会社ほど書きやすくなります。成長加速化補助金に申請する会社も、取引先への姿勢を事業計画で示す材料になります。
取るべきか迷う会社
持続化、省力化、事業承継・M&A、デジタル化・AI導入だけに申請する会社は、今回の公募要領では加点になりません。宣言した内容を社内で守れる体制が無いまま、加点のためだけに宣言するのも勧めません。掲載の取りやめは公表要領に書かれた手続きです。
よくある失敗
- 以前に宣言して掲載されているので大丈夫と考え、更新前のひな形のまま申請する。
- 締切の数日前に登録し、締切日に公開が間に合わない。
- 宣言文のひな形の赤文字(説明文や例)を消し忘れる、署名欄を手書きにするなどで修正依頼がかかり、公開が遅れる。
短い期間で取れるほかの加点には、健康経営優良法人の加点やくるみん・えるぼしの加点もあります。審査に45日かかる事業継続力強化計画の加点と比べると、間に合いやすさの違いがわかります。新事業進出・ものづくり補助金の審査の全体はものづくり補助金の審査観点で取り上げています。
よくある質問
前に宣言して掲載されていれば、そのまま加点になる?
新事業進出・ものづくり補助金では、なりません。条件は公募要領が指定する更新後のひな形での宣言で、更新前のひな形による宣言は当てはまりません。ポータルサイトで配られている2026年1月版のひな形で宣言し直します。
登録してから公開まで何日かかる?
ポータルサイトの案内では、修正依頼がなければ約10日です。申請が集中する時期は数日多くかかることがあります。公開は「登録企業リスト」で確かめられます。
個人事業主でも宣言できる?
できます。ポータルサイトの登録方法では、個人事業主は氏名だけでなく、屋号と「代表」などの役職名を入れるよう案内しています。
申請のときに宣言文を添付する?
新事業進出・ものづくり補助金の公募要領に、追加で出す書類の指定はありません。申請画面で加点を選び、締切時点でポータルサイトに公表されていることが条件です。
ほかの質問はよくある質問にまとめています。
まとめ
パートナーシップ構築宣言の加点は、公表済みの公募要領では新事業進出・ものづくり補助金で使え、新しいひな形で作った宣言が締切時点で公開されていることが条件です。公開まで約10日のため、締切の2週間前までにひな形をダウンロードし、社内の決裁と登録を済ませるのが目安です。御社が締切に間に合うか、どの加点を選ぶべきかは、専門家に無料で相談できます。
参考資料
- 「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト 登録方法(全国中小企業振興機関協会)
- 「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト パートナーシップ構築宣言とは
- パートナーシップ構築宣言 記載要領(2026年1月版)
- パートナーシップ構築宣言 公表要領(令和7年12月15日、令和8年1月1日施行)
- 中小機構 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領(1.3版)
- 中小機構 中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領 Ver1.4
確認日:2026年10月14日
専門家が内容を確認しました(2026年10月14日)。
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