健康経営優良法人で補助金の加点を取る方法|使える5補助金と認定の時期
この記事の要点
健康経営優良法人の認定は、持続化、新事業進出・ものづくり、省力化、デジタル化・AI導入、事業承継・M&Aの5補助金で加点になります。補助金を検討中の社長向けに、求められる認定の年、申請の流れと時期、加点が外れる例をまとめます。
健康経営優良法人の認定は、持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、省力化投資補助金(一般型)、デジタル化・AI導入補助金、事業承継・M&A補助金の5つで加点の対象です。
どの補助金も申請時(または締切日)に認定済みであることが条件で、3つの補助金は「健康経営優良法人2026」と年まで指定しています。
次の「健康経営優良法人2027」は、中小規模法人部門の申請受付が2026年10月16日(金)17時で締め切られ、認定の発表は2027年3月中旬頃の予定です。
補助金の申請を考えていて、「健康経営優良法人を取ると加点になる」と聞いた社長に向けた記事です。どの補助金で加点になるか、どの年の認定が必要か、認定までの流れと時期、加点が外れるケースを、公募要領と健康経営優良法人の公式ポータルサイトで確かめた範囲でまとめます。
健康経営優良法人の加点が使える補助金
2026年10月14日時点で公表されている公募要領では、持続化、新事業進出・ものづくり、省力化(一般型)、デジタル化・AI導入、事業承継・M&Aの5つの補助金が加点の対象です。
健康経営優良法人とは、従業員の健康管理を経営の視点で考え、特に優良な取組をしている法人を、日本健康会議が認定する制度です。経済産業省が制度を進めていて、申請は公式ポータルサイト「ACTION!健康経営」から行います。会社の規模によって、大規模法人部門と中小規模法人部門に分かれています。
補助金ごとの条件と期限、申請時に出すものを並べた表です。
| 補助金(公募回) | 条件の要点 | 期限 | 出すもの |
|---|---|---|---|
| 持続化補助金(通常枠 第20回・創業型 第4回) | 健康経営優良法人の認定を受けている(年の指定なし)。【重点政策加点】の1つ | 申請時に認定済み | 様式2で「5.健康経営優良法人加点」を選択。GビズIDの登録情報と認定情報で自動判定 |
| 新事業進出・ものづくり補助金(第1回) | 「健康経営優良法人2026」に認定されている | 申請締切日の時点で認定済み | 申請画面で選択(追加の提出書類の指定なし) |
| 省力化投資補助金 一般型(第8回) | 「健康経営優良法人2026」に認定されている | 申請時に認定済み | 申請画面で選択(追加の提出書類の指定なし) |
| デジタル化・AI導入補助金(2026) | 令和7年度に「健康経営優良法人2026」に認定された。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠が対象 | 申請時に認定済み | 申請画面で選択(追加の提出書類の指定なし) |
| 事業承継・M&A補助金(16次) | 公募申請時点で健康経営優良法人である。事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠が対象 | 公募申請時点で認定済み | 健康経営優良法人の認定証 |
| 成長加速化補助金(3次) | 加点ではなく、審査の「波及効果」の例として地域未来牽引企業の選定と並んで挙がっている | 申請時に認定済み | 事業計画の中で取組として書く |
出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.47『(8)加点項目』台帳で見る
加点の一覧は各補助金の早見表(持続化補助金の加点早見表、新事業進出・ものづくり補助金の加点早見表、省力化投資補助金の加点早見表、デジタル化・AI導入補助金の加点早見表、事業承継・M&A補助金の加点早見表、成長加速化補助金の審査で評価される取組)にまとめています。対象の補助金や認定の年の指定は公募回ごとに変わるため、最新の公募要領で確認が必要です。
5つの公募要領のどれも、大規模法人部門と中小規模法人部門を区別していません。加点の点数は書かれておらず、新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は「一定程度の加点」という表現です。ほかの加点との組み合わせは補助金の加点一覧で整理しています。
どの年の認定が必要?
新事業進出・ものづくり、省力化、デジタル化・AI導入の3つは「健康経営優良法人2026」と年を指定し、持続化と事業承継・M&Aは年を指定していません。
健康経営優良法人は年ごとに認定され、名前に年が付きます。デジタル化・AI導入補助金の公募要領は「令和7年度に『健康経営優良法人2026』に認定された事業者」と書いています。つまり2026年版は、令和7年度の申請受付を経て認定されたものです。
- 年の指定がある補助金:新事業進出・ものづくり(第1回)、省力化(一般型 第8回)、デジタル化・AI導入(2026)。いずれも健康経営優良法人2026。
- 年の指定がない補助金:持続化(通常枠 第20回・創業型 第4回)は「認定を受けている事業者」、事業承継・M&A(16次)は「公募申請時点で健康経営優良法人であること」。
認定がいつまで有効かについて、事務局の「変更・返納・取消規約」は「認定年度(4月1日から翌年3月31日)」という言葉を使っています。一方で、2026年版の有効期限を日付で書いた公式の記載は、確認した範囲では見つかりませんでした。年の指定がない補助金に古い年の認定で出す場合は、申請前に事務局へ確かめておくと安心です。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領 p.24『3-3(2)① 加点項目について』台帳で見る
認定の手順と時期
健康経営優良法人2027の申請受付は2026年8月17日(月)に始まり、中小規模法人部門は2026年10月16日(金)17時、大規模法人部門は2026年10月9日(金)が締切です。認定の発表は2027年3月中旬頃の予定です。
中小規模法人部門と大規模法人部門の分かれ目
中小規模法人部門は、従業員数か資本金(出資金)のどちらかが次の範囲に入る法人です。会社法上の会社などの基準を並べた表です。
| 業種 | 中小規模:従業員数 | 中小規模:資本金 | 大規模:従業員数 |
|---|---|---|---|
| 卸売業 | 1人以上100人以下 | 1億円以下 | 101人以上 |
| 小売業 | 1人以上50人以下 | 5,000万円以下 | 51人以上 |
| サービス業 | 1人以上100人以下 | 5,000万円以下 | 101人以上 |
| 製造業その他 | 1人以上300人以下 | 3億円以下 | 301人以上 |
従業員数の基準で見ると、従業員50人以下の会社はどの業種でも中小規模法人部門に入ります。
中小規模法人部門の手順
- 健康宣言に参加する。協会けんぽや健康保険組合に入っている会社は、加入している保険者が行う「健康宣言事業」への参加が前提です。保険者が健康宣言事業をしていない場合は、自治体の健康宣言事業か自社独自の健康宣言で代えられます。参加にかかる日数は公式に記載がないため、早めに保険者に確認します。
- 申請用のIDを取る。初めて申請する法人は、ACTION!健康経営のID発行サイトで法人番号、法人名、メールアドレスなどを登録します。新規のID登録は申請期間中だけ受け付けています。過去に申請した法人には、登録済みのメールアドレスに案内が届きます。
- 申請書を作って出す。申請サイトから申請書(Excel)をダウンロードし、取組の内容を入力してアップロードします。申請書の中に、認定基準に合っているかを簡単に自己チェックできるシートがあります。
- 申請料を払う。中小規模法人部門の申請料は1件15,000円(税込16,500円)で、請求書は2026年11月上旬頃に届き、振込の締切は2026年12月31日(木)です。
- 発表を待つ。内定は2027年2月下旬頃、認定の発表は2027年3月中旬頃の予定です。
大規模法人部門は、申請書の代わりに「健康経営度調査票」に回答して出します。申請料は1件80,000円(税込88,000円)です。中小規模法人部門の資料は、締切について「一切延長を受け付けません」としています。
出典:健康経営優良法人認定事務局「健康経営優良法人2027 認定申請に関する事務局からのお知らせ」
今から取って間に合う?
今から新しく認定を取る場合、最も早い「健康経営優良法人2027」でも発表は2027年3月中旬頃で、それより前に締切がある公募回では使えません。
今の公募回の締切と、求められる認定を並べた表です。
| 補助金 | 今の公募回の締切 | 求められる認定 |
|---|---|---|
| 省力化投資補助金 一般型 | 2026年10月16日(金)17:00 | 健康経営優良法人2026 |
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 2026年10月30日(金)18:00 | 健康経営優良法人2026 |
| 事業承継・M&A補助金 | 2026年11月6日(金)17:00 | 公募申請時点で健康経営優良法人(年の指定なし) |
| 成長加速化補助金 | 2026年11月12日(木)15:00 | 加点ではなく審査の評価例(申請時に認定済み) |
| 持続化補助金 | 2026年12月15日(火)17:00 | 認定を受けている(年の指定なし) |
| デジタル化・AI導入補助金 | 2026年10月30日(金)17:00 | 健康経営優良法人2026 |
2026年10月14日時点で日付が公表されている締切は、どれも2027年の認定発表より前です。デジタル化・AI導入補助金は、受付スケジュールを事務局のホームページで順次公表するとしています。今の公募回でこの加点を使えるのは、すでに健康経営優良法人の認定を持っている会社に限られます。
次の公募回で使いたい会社の目安は次のとおりです。
- 健康経営優良法人2027の中小規模法人部門は、2026年10月16日(金)17時が申請締切です。健康宣言への参加とIDの登録が済んでいないと申請できないため、間に合うかは保険者の手続き次第です。
- 2027年版に申請した会社は、認定の発表(2027年3月中旬頃)より後に締切がある公募回から使える可能性があります。ただし、次の公募要領が2027年版を対象にするかは、公表されてみないとわかりません。
- 2027年版の申請に間に合わなかった会社は、その次の年の申請受付を待つことになります。2028年版の日程はまだ公表されていません。
加点が外れる場合
加点が外れるのは主に、指定と違う年の認定で出したとき、申請時点で認定を受けていないとき、持続化補助金で加点の選び方のルールに反したときです。
新事業進出・ものづくり、省力化、デジタル化・AI導入の3つは「2026」と年を指定しています。2025年版しか持っていない会社や、2027年版に申請しただけで発表前の会社は、この3つの今の公募回では条件に当てはまりません。新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は、加点項目を「申請締切日時点で満たしている必要があります」と書いています。
持続化補助金では、加点は【重点政策加点】と【政策加点】から1つずつ、合計2つまでです。健康経営優良法人加点は【重点政策加点】に入っていて、同じ【重点政策加点】のくるみん・えるぼし加点や事業環境変化加点などと一緒に選ぶと、加点審査の対象外になります。
持続化補助金は、GビズIDに登録された情報と健康経営優良法人の認定情報を照らし合わせて、加点を自動で判定します。公募要領は、GビズIDの登録情報に不備や未連携があっても個別対応はしないとしています。申請前に、GビズIDの登録内容を確かめておきます。GビズIDの取り方はGビズIDの取得方法にまとめています。
認定そのものが取り消される場合もあります。事務局の規約では、申請内容の虚偽や、健康診断・ストレスチェックの未実施、労働基準法違反での送検・公表などがあると認定が取り消され、返納や取消になると「認定日に遡って認定がなかったものと扱う」とされています。その場合に補助金の加点がどう扱われるかは、公募要領に書かれていません。
採択後の減点を心配する声もあります。公募要領が「未達の報告から18か月間の大幅減点」の対象としているのは、賃上げに関する加点です。健康経営優良法人の加点は、申請時点で認定を持っているかで決まる加点で、採択後に数値の達成を求められる種類の加点ではありません。賃上げの加点については賃上げ加点の記事で取り上げています。
出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 公募要領 第8版 p.35『Ⅲ.加点審査』台帳で見る
専門家から見たポイント
健康経営優良法人の加点は、すでに認定を持つ会社にとっては選ぶだけで使える加点で、持っていない会社にとっては1年がかりの準備になる加点です。
向いている会社
健康経営優良法人2026の認定を持っていて、新事業進出・ものづくり、省力化、デジタル化・AI導入のどれかを今の公募回で出す会社です。3つとも申請画面で選ぶだけで、追加の書類は求められていません。
持続化補助金で、【重点政策加点】のほかの項目に当てはまらない会社もそうです。くるみん・えるぼしの認定がなく、赤字賃上げや事業環境変化の加点にも当たらない場合、健康経営優良法人加点が【重点政策加点】の候補になります。
取るべきか迷う会社
補助金の加点だけを目当てに、これから新しく取ろうとしている会社です。2027年版の申請受付は2026年8月17日から10月16日までの約2か月で、発表は申請締切の約5か月後です。健康宣言への参加、申請書づくり、申請料もかかります。従業員の健康診断やストレスチェックなど、社内の取組を続けることが前提の制度なので、加点のためだけに取る位置づけには向きません。
デジタル化・AI導入補助金の公募要領は、健康経営優良法人に取り組む企業には自治体や金融機関でもインセンティブがあると書いています。採用や社内の健康づくりと合わせて考えられる会社なら、補助金の加点は付いてくる効果の1つになります。
よくある失敗
- 2027年版に申請しただけで、発表前に「認定済み」として加点を選ぶ。
- 年の指定がある補助金に、2025年版など古い年の認定で出す。
- 持続化補助金で、健康経営優良法人加点とくるみん・えるぼし加点を両方選び、加点審査から外れる。
- GビズIDの登録情報が古いまま、持続化補助金の自動判定で認定が確認されない。
- 事業承継・M&A補助金で、認定証の写しを付け忘れる。
くるみん・えるぼしの加点と比べたい場合はくるみん・えるぼしの加点、締切までに間に合いやすい加点を探している場合は事業継続力強化計画の加点も参考になります。成長加速化補助金で並んで挙がっている地域未来牽引企業は地域未来牽引企業の記事で取り上げています。持続化補助金のほかの加点は持続化補助金の加点要件にまとめています。
よくある質問
健康経営優良法人2027の認定でも加点になる?
今の公募回では使えません。新事業進出・ものづくり、省力化、デジタル化・AI導入の今の公募要領は「健康経営優良法人2026」を指定しています。2027年版の発表は2027年3月中旬頃の予定で、次の公募回で対象になるかは次の公募要領で確かめます。
大規模法人部門と中小規模法人部門で加点に違いはある?
公募要領に違いは書かれていません。5つの補助金の公募要領は、どちらの部門の認定かを区別していません。部門は従業員数か資本金で決まり、従業員50人以下の会社はどの業種でも中小規模法人部門です。
認定の申請中でも加点になる?
なりません。どの補助金も、申請時か申請締切日の時点で認定されていることが条件です。内定の段階や発表前の段階では、認定済みとは扱われないと考えて準備します。
個人事業主でも取れる?
確認した公式資料では、個人事業主が対象かどうかは書かれていませんでした。申請区分の資料は、会社法上の会社や士業法人など「法人」の区分だけを示しています。個人事業主の場合は、ACTION!健康経営の事務局に確かめます。
認定を取るのに費用はかかる?
申請料がかかります。中小規模法人部門は1件15,000円(税込16,500円)、大規模法人部門は1件80,000円(税込88,000円)です。請求書は申請期間の終了後に届きます。
ほかの質問はよくある質問にまとめています。
まとめ
健康経営優良法人の加点は5つの補助金で使え、うち3つは今の公募回で「2026」と年を指定しているため、すでに認定を持っている会社だけが使える加点です。持っていない会社は、2027年版の発表が2027年3月中旬頃になることを前提に、次の公募回で使えるかを公募要領の公表を待って確かめます。御社が今の締切で使える加点はどれか、次の公募回に向けて何を準備するかは、専門家に無料で相談できます。
参考資料
- ACTION!健康経営(健康経営優良法人認定制度 公式ポータルサイト)
- ACTION!健康経営 健康経営優良法人2027 中小規模法人部門の申請
- ACTION!健康経営 健康経営優良法人2027 大規模法人部門の申請
- 健康経営優良法人認定事務局「健康経営優良法人2027 認定申請に関する事務局からのお知らせ」
- 健康経営優良法人認定事務局「健康経営優良法人2027(中小規模法人部門)申請書・認定要件・改定ポイント解説」
- 健康経営優良法人認定事務局「健康経営優良法人申請区分」(2027)
- 健康経営優良法人認定事務局「健康経営優良法人変更・返納・取消規約」
- 経済産業省 健康経営
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)
- 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉第4回 公募要領 第8版
- 中小機構 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領
- 中小機構 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(改訂版)
- 事業承継・M&A補助金 16次 事業承継促進枠 公募要領(Ver.1.0、2026年9月)
- 中小機構 中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領 Ver1.4
確認日:2026年10月14日
専門家が内容を確認しました(2026年10月14日)。
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