成長志向の経営計画(仮称)とは?持続化補助金の来年度の変化と準備

この記事の要点

成長志向の経営計画(仮称)は、成長目標を掲げた小規模事業者が商工会・商工会議所の伴走で計画を作り宣言する仕組みです。中小企業庁の検討会と概算要求の資料をもとに、対象・計画の中身・持続化補助金での扱いと準備を整理しました。

この記事の目次
  1. 成長志向の経営計画(仮称)とは?
  2. 宣言できる事業者の目安
  3. 計画は売価や資金まで書く
  4. 伴走から宣言までの流れ
  5. 来年度案と今の公募の違い
  6. 宣言で受けられる優遇
  7. 今から集める計画の材料
  8. 間違えやすい点
  9. 専門家から見たポイント
  10. よくある質問
結論

成長志向の経営計画(仮称)は、成長目標を掲げた小規模事業者が商工会・商工会議所の伴走で計画を作り、登録・公表(宣言)する仕組みです。今公募中の持続化補助金は宣言なしで申請でき、変わるのは来年度以降の案です。

来年度の持続化補助金で何が変わり、今のうちに何を準備すればよいかを知りたい方に向けた記事です。中小企業庁の検討会と概算要求の資料、採択事例をもとに、宣言の中身と判断のしかたを整理します。

成長志向の経営計画(仮称)とは?

成長志向の経営計画(仮称)は、小規模事業者の「稼ぐ力」を高めるために中小企業庁が検討している仕組みです。成長目標と、そこに至る道筋を書いた計画を登録・公表することを「宣言」と呼んでいます。

この仕組みは、2026年5月に公表された検討会の中間とりまとめで打ち出されました。令和9年度の概算要求の段階で、小規模事業対策推進等事業に175億円が要求されています。

小規模事業対策推進等事業では、宣言の仕組みと、商工会・商工会議所の支援の実績を評価する仕組みを一緒に作るとしています。

出典:令和9年度 中小企業・小規模事業者・地域経済関係 概算要求等のポイント p.2

中小企業向けには売上10億円を目指す10億宣言が検討されていて、成長志向の経営計画はその小規模事業者版にあたります。

宣言できる事業者の目安

成長志向の経営計画(仮称)の対象は、売上を大きく伸ばしたい小規模事業者です。検討会の資料は、目標の水準を売上高1億円(飲食業・生活関連サービス業など1億円が難しい業種は5千万円程度)としています。

売上の目標だけでなく、利益率の高い事業を目指す「高収益型」の計画も含める案です。今の売上が小さくても、成長の筋道を描ければ宣言できる作りが想定されています。

小規模事業者に当たるかの数え方は補助金を申請できる会社・できない会社で取り上げています。

量産と内製化の採択事例

事業を大きくする道筋を描いた、持続化補助金の採択事例です。

1量産体制づくり

宣言の仕組みができる前に、御社が今公募中の持続化補助金に合いそうかは、会社のURLを入れるとAIで確かめられます。

AIで対象か確認する

計画は売価や資金まで書く

成長志向の経営計画(仮称)の計画には、検討会の資料で次の項目を書くことが求められています。

自社・市場の分析、売価の設定、マーケティング、販路開拓、設備投資、資金調達、人材の確保・育成、デジタルや外注の活用、業務の効率化、知財・ブランディング。

出典:小規模事業者の「稼ぐ力」強化 検討会 第2回 事務局資料 p.1

今の持続化補助金の経営計画書と比べると、売価の設定や資金調達、人材の育成まで広く書く点が違います。売上の目標だけでなく、稼ぐ仕組みと、それを支える人とお金の手当てまで示す計画です。

今の経営計画書の書き方は持続化補助金の経営計画書の書き方で取り上げています。

人材と計画の採択事例

人材や計画づくりに踏み込んだ、持続化補助金の採択事例です。

1人材の採用

同じ業種の計画は製造業の採択事例で見比べられます。

伴走から宣言までの流れ

成長志向の経営計画(仮称)は、商工会・商工会議所が中心になって進める仕組みです。資料では、商工会・商工会議所の経営指導員の伴走支援を必須にし、支援した商工会・商工会議所も登録・公表するとしています。

  1. 事業者が経営指導員と一緒に、自社の課題を言葉にする。
  2. 経営指導員の伴走のもとで、成長の道筋を書いた計画を作る。
  3. 計画と、伴走した商工会・商工会議所を登録・公表する。
  4. 宣言したあとも、何年かにわたって状況を報告する。

今の持続化補助金でも、商工会・商工会議所の支援を受けて取り組むことが要件で、様式4の発行を受けます。受け取り方は持続化補助金の様式4とはで取り上げています。

来年度案と今の公募の違い

持続化補助金について、令和9年度の概算要求の段階では「売上規模の拡大を目指す小規模事業者の販路開拓等を支援。「成長志向の経営計画(仮称)」を宣言する者を含む」と書かれています。支援の相手が、販路開拓から売上規模の拡大へ広がる案です。

項目 今の持続化補助金 来年度の案
支援する相手 販路開拓に取り組む小規模事業者 売上規模の拡大を目指す小規模事業者。成長志向の経営計画を宣言した事業者を含む
商工会・商工会議所 様式4の発行と計画づくりの支援 計画づくりの伴走と、宣言の登録・公表
宣言した事業者の扱い 仕組みが無い 補助金の優先措置を検討

出典:小規模事業者の「稼ぐ力」の強化に向けた諸課題に関する検討会 中間とりまとめ(概要) スライド1・2

今の公募で出る金額

今公募中の持続化補助金(通常枠)の補助率は2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)です。特例の要件を満たすと、上限が上乗せされます。

区分 補助上限(上乗せ後)
通常枠 50万円
インボイス特例 100万円
賃金引上げ特例 200万円
両特例 250万円

申請の締切は2026年12月15日(火)17:00です。様式4の発行の受付は2026年12月4日(金)で締め切られ、締切のあとは発行されません。

今年度の採択と次の申請

今の公募回で採択されて補助事業を行った事業者は、様式第14の提出を終えてから1年たつまで、次の申請ができません。来年度の仕組みを待つか、今の公募で使うかは、この決まりも合わせて考えます。

今の公募の値は持続化補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

宣言で受けられる優遇

成長志向の経営計画(仮称)を宣言した事業者には、優遇が検討されています。中間とりまとめでは、宣言した事業者に、補助金の優先措置とマル経融資の優先適用を行うとしています。

宣言の内容と伴走する支援機関は、宣言のポータルサイトで公表する案です。

マル経融資は、商工会・商工会議所の経営指導を受けた小規模事業者が、無担保・無保証で借りられる日本政策金融公庫の融資です。宣言すると、この融資を優先して使える方向です。

融資の使い方は補助金と組み合わせる融資のページでまとめています。

今から集める計画の材料

成長志向の経営計画(仮称)の運用はまだ決まっていませんが、計画に書く材料は今から集められます。同じ材料で、今年度の持続化補助金を使うかどうかも判断できます。

  1. 直近2〜3年の売上・粗利・経費を整理し、原価と利益をつかむ。
  2. 売価が原価や手間に見合っているかを見直す。
  3. 売上を伸ばす商品・サービスと、売り先を書き出す。
  4. 地元の商工会・商工会議所に、来年度の計画づくりを相談しておく。

狙う客の絞り方と目標の数字の示し方は持続化補助金の経営方針・目標の書き方で取り上げています。

自社の強みと弱みの書き出し方は持続化補助金の経営状況分析の書き方が参考になります。

売り先を絞った採択事例

売る相手をはっきりさせた、持続化補助金の採択事例です。

1客層の絞り込み

御社に近い業種の計画は、持続化補助金の採択事例から探せます。

申請までの準備の流れは「補助金ガイドブック」にまとめています。計画の材料をどの順番でそろえるかを確かめられます。

申請準備の資料を無料で受け取る

間違えやすい点

成長志向の経営計画(仮称)で間違えやすいのは、今の公募との関係と、宣言の進め方です。

  1. 名前はまだ仮:「(仮称)」のとおり、名前も中身も変わる可能性があります。
  2. 今の公募ではまだ要らない:今公募中の持続化補助金は、宣言をしなくても今の公募要領のとおりに申請できます。
  3. 宣言が必須とは決まっていない:概算要求では「宣言する者を含む」と書かれていて、宣言が必須とは書かれていません。
  4. 自社だけでは宣言できない:経営指導員の伴走が前提の案です。今の持続化補助金でも、社外の代理人だけで商工会・商工会議所に相談することはできません。

今の申請で上限を上げる条件は持続化補助金の賃金引上げ特例とは?で取り上げています。

専門家から見たポイント

成長志向の経営計画(仮称)の宣言は、今の持続化補助金の採択事例より一段大きな成長を描く計画になります。持続化補助金の採択事例のうち、売上の伸びを示した事例の真ん中の値は20%です。

向いている事業者

売上が数千万円あり、新しい商品や売り先で売上を大きく伸ばす道筋が見えている事業者です。商工会・商工会議所と日ごろから相談している事業者は、伴走の体制をすぐに作れます。

迷う事業者

今の売上を守ることが中心で、大きく伸ばす予定が無い事業者です。無理に宣言しなくても、今の持続化補助金を使えます。

今の公募で採択の評価を上げる方法は持続化補助金の加点要件とは?で取り上げています。

よくある失敗

売上の目標だけを高く書き、売価や原価の見直しが計画に入っていないことです。資料は、原価・利益や資金繰りの把握を計画の土台に置いています。

今の公募で先に使うか、宣言の仕組みを待つかは、売上の伸ばし方と次の申請までの期間で変わります。迷う場合は専門家に無料で相談すると、御社の計画に合う順番を確かめられます。

専門家に無料で相談する

よくある質問

成長志向の経営計画はいつから宣言できる?

受付の開始日はまだ公表されていません。令和9年度の予算で仕組みを作る要求が出ている段階なので、早くても来年度からになる見込みです。

飲食店でも売上1億円が必要?

検討会の資料では、飲食業や生活関連サービス業のように1億円が難しい業種は、売上5千万円程度が妥当としています。最終的な水準は、仕組みが決まるときに示されます。

宣言すると持続化補助金の上限は上がる?

今の資料には、上限を上げるとは書かれていません。「補助金の優先措置」の中身は、来年度の公募要領で決まります。

今の公募に成長を目指す人向けの加点はある?

今の持続化補助金には小規模事業者卒業加点があり、補助事業の終了時点で従業員の数が小規模事業者の範囲を超える場合が対象です。この加点で採択されて補助事業を行った事業者は、その後の持続化補助金の対象外になります。

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出典

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

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