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トップ/補助金/資本性劣後ローンとは?自己資本と見なされる仕組みと向いている会社
補助金

資本性劣後ローンとは?自己資本と見なされる仕組みと向いている会社

公開 2026/10/18専門家監修

この記事の要点

資本性劣後ローンは、返済の順番がほかの借入れより後で、元金を最後にまとめて返すため、金融機関が自己資本とみなせる融資です。日本政策金融公庫の資本性ローンの仕組み、業績で変わる利率、申し込める会社、向いている会社と迷う会社を整理しました。

この記事の目次
  1. 資本性劣後ローンとは?
  2. 借入れなのに自己資本と見なされる理由は?
  3. 利息だけ払い元金を最後に返す仕組みは?
  4. 業績で変わる利率と担保の扱いは?
  5. 申し込める会社と組み合わせる融資は?
  6. 専門家から見た資本性ローンのポイント
  7. 間違えやすい点
  8. よくある質問
結論

資本性劣後ローンは、返済の順番がほかの借入れより後になり、元金を最後にまとめて返す長期の融資で、金融機関が会社の財務を見るときに自己資本とみなせる借入れです。日本政策金融公庫では「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」の名前で扱っています。

新しい事業や立て直しに取り組み、ほかの金融機関からも借りて事業を広げたい会社に向いています。

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資本性劣後ローンという言葉を聞いて、ふつうの融資と何が違い、自社が使うと財務や次の借入れにどう効くのかを知りたい方に向けた記事です。

日本政策金融公庫の挑戦支援資本強化特別貸付の制度ページから、自己資本とみなされる仕組み、返し方、利率の決まり方、申し込める会社を整理します。限度額と利率の数字は公庫の制度ページと金利のページで確かめてください。

資本性劣後ローンとは?

資本性劣後ローンは、会社が倒産したときの返済の順番をほかの借入れより後ろにした(劣後させた)うえで、長い期間の最後に元金を一括で返す融資です。こうした条件があるため、金融機関は会社の財務を評価するときに、この借入れを出資と同じように自己資本とみなせます。

日本政策金融公庫の国民生活事業と中小企業事業がそれぞれ扱っており、小規模な会社や個人企業が使うのは国民生活事業の制度です。この記事は国民生活事業の制度を中心に取り上げます。融資を借りる考え方の全体は起業・創業時に創業融資は借りるべき?で取り上げています。

借入れなのに自己資本と見なされる理由は?

公庫の制度ページは、この融資を「金融機関の資産査定上、自己資本とみなすことができます」と案内しています。資産査定とは、金融機関が貸している会社の返す力を評価することです。

くらべる点 ふつうの融資 資本性劣後ローン
元金の返し方 毎月少しずつ返す 最後にまとめて返す
倒産したときの返済の順番 ほかの借入れと同じ ほかの借入れより後
担保・保証人 相談して決める 無担保・無保証人
金融機関の評価 負債 自己資本とみなせる

出典:日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」

自己資本が厚く見えると、ほかの銀行や信用金庫がその会社に貸すときの評価が上がりやすくなります。資本性劣後ローンを呼び水にして、民間の金融機関からの融資を受けやすくする、という使い方がこの制度のねらいです。金融機関が会社を評価する仕組みは金融機関の格付けで取り上げています。

利息だけ払い元金を最後に返す仕組みは?

返し方は期限一括返済です。元金は最後の回にまとめて返し、それまでの間は利息だけを払います。返済期間は5年を超える長い期間から選ぶ形で、くわしい年数は公庫の制度ページに載っています。

たとえば新しい事業の立ち上げに長い時間がかかる場合でも、毎月の返済は利息だけなので、手元のお金を事業に回せます。一方で、最後の回に元金の全額を返すため、それまでに利益を積み上げるか、借り換えなどの返し方を考えておく必要があります。

ふつうの創業融資で、元金の返済を待ってもらう期間の考え方は公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で取り上げています。

業績で変わる利率と担保の扱いは?

利率は、融資の後1年ごとに、直近の決算の業績に応じて決まります。税引後の当期純利益が0円以上の年と、0円未満の年で使われる利率が分かれ、赤字の年は返済期間にかかわらず低い一律の利率になります。数字は公庫の金利情報のページで確かめます。

  • 担保・保証人:無担保・無保証人で使えます。
  • 低い利率の特例:民間の金融機関の支援を受けて事業計画書を作り、必要な資金から自己資金を除いた額のうち、原則として2分の1を超える額をその金融機関が貸し、融資の後3年間その金融機関に進み具合を報告して指導を受ける場合は、低い利率が使われます。
  • 報告の約束:完済まで、四半期ごとに経営の状況を公庫に報告する特約を結びます。

民間の金融機関に事業計画を見てもらう流れは金融機関による確認書とは?も参考になります。

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申し込める会社と組み合わせる融資は?

国民生活事業の制度は、決められた融資の制度の要件に当たり、地域の経済を元気にする事業に取り組む法人か個人企業が対象です。

  1. 新規開業・スタートアップ支援資金、新事業活動促進資金、企業再建資金など、公庫が挙げる7つの融資制度のどれかの要件に当たること。
  2. 地域の経済の活性化にかかわる事業を行うこと。
  3. 税務申告を1期以上している場合は、原則として所得税などを納め終えていること。
  4. 公庫に事業計画書を出すこと。

出典:日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」ご利用いただける方・融資条件

使いみちは、当てはまる融資制度に決められた設備資金と運転資金です。限度額はほかの融資とは別枠で決まっているため、新規開業・スタートアップ支援資金などのふつうの融資と組み合わせて借りられます。財務内容や事業の見通しの審査があり、結果によっては使えない場合もあります。公庫と制度融資の組み合わせ方は創業融資はどこで借りる?で取り上げています。

専門家から見た資本性ローンのポイント

資本性劣後ローンは、新しい事業に大きな投資をする会社が、補助金や民間の融資と組み合わせて使う場面が多い融資です。新事業進出補助金の採択事例97件でも、成果を数字で示した事例は59件あり、売上が立つまでに時間がかかる計画ほど、元金を後で返す資金が合います。

向いている会社

新しい事業や事業の立て直しに取り組み、民間の金融機関からも借りたいが、自己資本が薄くて評価が伸びない会社です。資本性劣後ローンで自己資本を厚く見せ、支援してくれる金融機関の融資と組み合わせると、低い利率の特例も使えます。

迷う会社

事業が安定していて、毎月の返済に困っていない会社です。業績がよい年の利率はふつうの融資より高くなる場合があり、最後に元金をまとめて返す負担も残ります。財務を厚く見せる必要がどれだけあるかで決めます。新しい事業の計画の立て方は新事業進出・ものづくり補助金の事業計画書の書き方で取り上げています。

間違えやすい点

資本性劣後ローンで間違えやすいのは、返すお金の準備と、出資との違いです。

注意

自己資本とみなせるのは、金融機関が評価するときの扱いです。会社の決算書の上では借入金のままで、最後には元金を全額返します。返済の期限から逆算して、利益の積み上げ方を計画します。

注意

利率は1年ごとに直近の業績で変わります。黒字の年は赤字の年より高い利率になるため、利益が出始めたときの利息の負担も見込んでおきます。

補助金と融資を使う順番は補助金と融資はどちらが先?で取り上げています。

よくある質問

個人事業主でも使えますか?

国民生活事業の制度は、法人だけでなく個人企業も対象です。決められた融資制度の要件に当たり、地域の経済にかかわる事業を行うことが条件です。

創業したばかりでも申し込めますか?

新規開業・スタートアップ支援資金の要件に当たる人も対象の融資制度に入っています。申告が1期以上ある場合は、所得税などを納め終えていることが求められます。

途中で元金の一部を返せますか?

元金は最後の回にまとめて返す決まりです。途中で返したい場合の扱いは、借りた支店に確かめます。

中小企業事業の資本性ローンとの違いは何ですか?

中小企業事業の制度は、より規模の大きい中小企業向けで、限度額や要件が国民生活事業の制度とは違います。どちらを使うかは、会社の規模と借りたい額で公庫に相談します。

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出典

参考資料

  • 日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」(国民生活事業)
  • 日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」(中小企業事業)
  • 日本政策金融公庫「金利情報」
  • 公式サイトの値の台帳(日本政策金融公庫)

確認日:2026年10月17日

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目次

  1. 資本性劣後ローンとは?
  2. 借入れなのに自己資本と見なされる理由は?
  3. 利息だけ払い元金を最後に返す仕組みは?
  4. 業績で変わる利率と担保の扱いは?
  5. 申し込める会社と組み合わせる融資は?
  6. 専門家から見た資本性ローンのポイント
  7. 間違えやすい点
  8. よくある質問

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