個人事業主が使える補助金は?法人との違いと申請で出す書類
この記事の要点
個人事業主も持続化補助金や新事業進出・ものづくり補助金など主な補助金に申請できます。法人との違いは出す書類と青色申告の有無です。制度ごとの条件、確定申告書の控えの注意、青色申告が条件になる補助金を公募要領で整理しました。
この記事の目次
個人事業主も、持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、省力化補助金、デジタル化・AI導入補助金、事業承継・M&A補助金に申請できます。法人と比べて使える制度が狭くなることはほとんどありません。
違いが出るのは、出す書類と、青色申告をしているかどうかです。登記の書類の代わりに確定申告書や本人確認書類を出し、事業承継・M&A補助金のように青色申告を条件にする制度もあります。
個人事業主のままで補助金に申請できるか、法人と何が違うかを知りたい方に向けた記事です。
各制度の公募要領から、個人事業主に関係する要件と書類だけを抜き出して整理します。
個人事業主が申請できる主な補助金の一覧
主な補助金は、個人事業主も法人と同じように申請できます。制度ごとに、個人事業主に特有の条件を表にまとめます。
| 制度 | 個人事業主に特有の条件 |
|---|---|
| 持続化補助金 | 商工業者であること。屋号が複数あっても応募は1件 |
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 確定申告書の控えに電子申告の受付番号か税務署の収受日付印が要る |
| 省力化補助金 | 法人と同じ要件で申請できる |
| デジタル化・AI導入補助金 | 本人確認書類と所得税の納税証明書を出す |
| 事業承継・M&A補助金 | 青色申告者であること |
出典:持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版 p.24『8.申請手続』台帳で見る
開業したばかりの方が使える制度は創業1年目から使える補助金で取り上げています。
持続化補助金で個人事業主が気をつける点
持続化補助金は、個人事業主の申請がもっとも多い制度です。対象になるのは対象となりうるのは、会社および会社に準ずる営利法人(株式会社・合同会社・企業組合・協業組合・士業法人など)、商工業者である個人事業主、一定の要件を満たした特定非営利活動法人です1。
医師や農業だけの事業者など、商工業者に当たらない事業は対象外になるため、業種を先に確かめます。また、同じ人が個人事業と会社の両方で同じ事業に申請することはできません。副業や兼業で申請するときの決まりは持続化補助金は副業・兼業でも申請できる?で取り上げています。
個人事業主が申請で出す書類の違い
法人は登記事項証明書と決算書を出しますが、個人事業主は確定申告書と本人確認書類を出します。持続化補助金は、個人事業主に「個人事業主は直近の確定申告書(第一表・第二表と収支内訳書1・2面、または第一表・第二表と青色申告決算書1〜4面)の写し」を求めています2。
デジタル化・AI導入補助金の交付申請では、個人事業主は個人事業主:運転免許証(有効期限内)・運転経歴証明書・住民票(発行から3カ月以内)のいずれか、直近分の所得税の納税証明書(その1又はその2)、税務署が受領した直近分の確定申告書の控え、所得税の青色申告決算書又は収支内訳書を出します。代わりの書類は認められません。
- 確定申告書は、税務署が受け取ったことがわかる控えを用意する。
- 納税証明書は「その1」か「その2」で、税目は所得税。
- 本人確認書類は有効期限内か、住民票なら発行から3か月以内。
公的書類の取り方と有効期限は補助金申請で用意する公的書類一覧で取り上げています。
確定申告書の控えで差し戻されないために
個人事業主の書類でいちばん多い不備は、確定申告書の控えです。新事業進出・ものづくり補助金は「確定申告書の控えには電子申告の日時・受付番号が必要。紙申告の場合は収受日付印の押印又は納税証明書(その2)の提出が必要」としています3。
e-Taxで申告した方は、受付番号と日時が載った受信通知をあわせて残しておきます。紙で申告して控えに収受日付印がない場合は、納税証明書(その2)を取って代わりにします。申請の書類をいつまでにそろえるかは補助金の準備はいつから始める?で取り上げています。
青色申告が条件になる補助金の要件
事業承継・M&A補助金は、個人事業主に青色申告を求めます。事業承継促進枠では「個人事業主は青色申告者で、確定申告書Bと所得税青色申告決算書の写しを提出できること。」としています4。
白色申告のままだと、事業承継・M&A補助金は使えません。親の事業を継ぐ予定があるなら、早めに青色申告の承認申請を出しておきます。承継の補助金の全体は事業承継・M&A補助金の採択後の手続きもあわせて確かめてください。
専門家から見た個人事業主の申請のポイント
個人事業主だから採択されにくい、ということはありません。持続化補助金の採択事例364件を見ても、個人の飲食店や美容室、小売店の事例が多く並んでいます。
個人のまま申請してよい方
当面は会社にする予定がなく、確定申告書をきちんと出している方です。補助事業が終わるまで今の名義で通せるため、手続きが単純です。
申請の前に法人成りを考えたい方
補助事業の期間中に会社にする予定がある方です。採択の後から交付決定までの間は名義を変えられないため、時期を先に決めます。詳しくは法人成りすると補助金はどうなる?で取り上げています。
間違えやすい点
個人事業主が間違えやすいのは、支払いの名義と、家族の扱いです。
補助事業の支払いは、本人の名義の口座やカードで行います。家族の名義のカードで払った経費は、補助の対象にならないことがあります。
従業員の数を数えるとき、個人事業主本人は「常時使用する従業員」に入りません。家族の専従者の扱いも制度ごとに決まりがあるため、数え方を確かめます。
従業員の数え方は持続化補助金の従業員数|常時使用する従業員で取り上げています。
よくある質問
開業届を出していなくても申請できますか?
事業をしていることを書類で示す必要があるため、開業届と確定申告をしておくのが前提です。まだなら、申請の前に税務署へ開業届を出します。
赤字の個人事業主でも申請できますか?
赤字でも申請できる制度が多くあります。持続化補助金では、赤字の事業者が賃金を上げるときの特例もあります。
屋号が2つある場合は2回申請できますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(4件)
- 持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版 p.4『2.補助対象者』
- 持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版 p.27『11.申請に必要な書類』
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.39『2-2-1. 添付書類』
- 事業承継・M&A補助金 16次 事業承継促進枠 公募要領 p.8『5. 補助対象者』
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