創業融資の金利はいくら?公庫と制度融資の比べ方と下げる方法
この記事の要点
創業融資の金利は一律ではなく、公庫では特別利率の要件、使いみち、返済期間、担保の有無で変わります。特別利率が使える人、創業から2期の間の引下げの特例、制度融資を信用保証料と補助まで含めて比べる方法を、公庫と東京都の資料で整理しました。
この記事の目次
創業融資の金利は一律ではなく、日本政策金融公庫なら、借りる人が特別利率の要件に当たるか、使いみち、返済期間、担保の有無で変わります。数字は毎月見直されるため、公庫の金利情報のページで、自分に当てはまる区分の利率を確かめます。
自治体の制度融資は、金融機関の金利に信用保証料を足し、自治体の補助を引いた実際の負担で、公庫と比べます。
創業融資を申し込む前に、金利がどう決まり、公庫と制度融資のどちらが安くなるか、金利を下げる方法はあるかを知りたい方に向けた記事です。
日本政策金融公庫の制度ページと特例制度のページ、東京都の制度融資の要項から、金利の決まり方と比べ方を整理します。金利の数字は毎月変わるため、この記事では書かず、公庫の金利情報のページへ案内します。
新規開業・スタートアップ支援資金とは?
新規開業・スタートアップ支援資金は、日本政策金融公庫の国民生活事業が、新しく事業を始める人と、事業を始めてからおおむね7年以内の人に貸す創業向けの融資です。返済期間は設備資金で20年以内です。
契約のときの金利が返済の最後まで変わらない固定金利で、創業期の人は原則として無担保・無保証人で使えます。制度の全体は公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で取り上げています。
公庫の金利が人によって変わる理由は?
新規開業・スタートアップ支援資金の金利は、原則は基準利率で、決められた要件に当たる人が使う資金には、基準利率より低い特別利率が使われます。公庫の制度ページは、使いみち、返済期間、担保の有無などによって違う利率が使われると書いています。
| 金利を変える要素 | どう変わるか |
|---|---|
| 借りる人の要件 | 要件に当たると、基準利率より低い特別利率A・B・Cが使われる |
| 使いみち | 土地にかかる資金は、原則として特別利率の対象外 |
| 返済期間 | 返済期間の長さで、使われる利率の区分が分かれる |
| 担保の有無 | 担保を出すかどうかで、使われる利率が分かれる |
出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」利率(年)
同じ年に同じ額を借りても、人によって金利が違うのはこのためです。自分がどの区分に当たるかは、申し込む前に支店で確かめられます。借りられる人の条件は創業融資を借りられる人・借りられない人で取り上げています。
特別利率が使えるのはどんな人?
特別利率はA・B・Cの3つで、Cがいちばん低い区分です。公庫の制度ページが挙げる主な要件は次のとおりです。
- 特別利率A:女性、35歳未満か55歳以上の人、市区町村の認定特定創業支援等事業の証明書を受けた人、会計と事業計画の要件を満たす人、地域おこし協力隊の人、地方へのUターンなどで創業する人、新しい技術やノウハウを持つ人など。
- 特別利率B:ベンチャーキャピタルなどから出資を受けている人、過疎地域で創業する人など。
- 特別利率C:地域未来交付金による起業支援金と移住支援金の両方の交付決定を受けて創業する人など。
認定特定創業支援等事業とは、市区町村が商工会議所などと開く創業セミナーや個別の相談のことで、決められた回数を受けると証明書がもらえます。開業の前に受けておくと、特別利率Aの要件の1つを満たせます。
認定支援機関の助言を受けて事業計画書を作る人は、新規開業・スタートアップ支援資金の中小企業経営力強化関連が使え、利率は特別利率Aです。この制度は日本政策金融公庫|中小企業経営力強化資金で取り上げています。
創業から2期の間に金利が下がる特例は?
創業支援貸付利率特例制度は、新しく事業を始める人か、事業を始めてから税務申告を2期終えていない人が対象の特例で、各融資制度の利率から一定の引下げが行われます。雇用を増やす場合は、さらに大きく引き下げられます。
特別利率と組み合わせて使えるため、特別利率Aに当たる人がこの特例も使うと、基準利率よりかなり低くなる場合があります。一部、この特例を使えない融資の制度もあるため、支店で確かめます。引下げの幅は公庫の創業支援貸付利率特例制度のページに載っています。
法人の代表者が保証人にならずに借りられる経営者保証免除特例制度は、上乗せの利率が無いとされています。開業の時期と申告の回数の関係は法人成りすると補助金はどうなる?も参考になります。
制度融資の実際の負担はどう比べる?
自治体の制度融資は、金融機関が貸し、信用保証協会が返済を保証し、自治体が金利の上限や補助を決める融資です。そのため、金融機関の金利だけでは負担がわかりません。
- 金融機関の金利で、返済の期間中に払う利息の合計を出す。
- 信用保証協会に払う信用保証料を足す。
- 自治体の保証料の補助や利子の補給があれば、その分を引く。
- 公庫で同じ額・同じ期間を借りた場合の利息の合計と比べる。
東京都の制度融資は、東京都、東京信用保証協会、金融機関の三者が協調して資金を供給する仕組みです。金利は改定されるため、東京都の制度融資の要項・パンフレットのページで確かめます。
都の制度融資の全体は東京都の制度融資で取り上げています。
専門家から見た創業融資の金利のポイント
金利を下げる近道は、認定支援機関の助言を受けて計画を作ることです。中小企業庁の一覧(2026年10月15日時点)で認定支援機関は30,844機関あり、東京都の窓口だけで7,340か所あります。地元の税理士や金融機関にも認定を受けている所が多くあります。
向いている会社
開業の前に創業セミナーや認定支援機関の助言を受ける時間がある人です。特別利率Aの要件を満たしたうえで、創業支援貸付利率特例制度も使えれば、同じ額でも払う利息を抑えられます。
迷う会社
すぐにお金が要り、セミナーや計画づくりの時間がとれない人です。金利を下げるために開業を遅らせると、売上が立つ時期も遅れます。金利の差と開業の時期を比べて決めます。公庫と制度融資の選び方は創業融資はどこで借りる?で取り上げています。
間違えやすい点
創業融資の金利で間違えやすいのは、比べるものと、金利の時期です。
制度融資の金利は、信用保証料を含めずに書かれていることがあります。公庫と比べるときは、保証料と自治体の補助を足し引きした総額で比べます。
公庫の金利は毎月見直されます。以前に見た数字や、知人が借りたときの数字は、今の自分の区分の金利とは違います。申し込む月の金利情報のページで確かめます。
面談で金利の区分の要件を説明するときの準備は日本政策金融公庫の面談で聞かれる質問と答え方で取り上げています。
よくある質問
公庫の金利は借りた後に変わりますか?
新規開業・スタートアップ支援資金は固定金利のため、契約のときの金利が返済の最後まで使われます。
担保を出すと金利は下がりますか?
公庫の制度ページは、担保の有無で違う利率が使われるとしています。担保を出すかどうかは、支店と相談して決めます。
個人事業主と法人で金利は違いますか?
個人か法人かだけで金利が決まるわけではありません。特別利率の要件、使いみち、返済期間、担保の有無で決まります。
創業セミナーの証明書はどこでもらえますか?
事業所のある市区町村が、商工会議所や金融機関などと開く認定特定創業支援等事業を受けると、市区町村から証明書が出ます。受けられる時期と回数は、市区町村の窓口で確かめます。
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