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補助金

新商品・新サービスを出すときの補助金|新事業・新市場の採択事例

公開 2026/10/18専門家監修

この記事の要点

新商品や新サービスを始めるときは、試作と知らせる費用なら持続化補助金、初めての製品で別の客層に出る設備投資なら新事業進出・ものづくり補助金が合います。計画の規模ごとの選び方と、採択事例の取り組みを整理しました。

この記事の目次
  1. 新事業進出・ものづくり補助金とは?
  2. 試作の規模で決まる3つの補助金の違い
  3. 持続化補助金で新商品を試した事例
  4. 新しい客層へ設備を入れた新事業の事例
  5. 技術を生かす新製品は革新的枠で考える
  6. 専門家から見た新事業の補助金のポイント
  7. 間違えやすい点
  8. よくある質問
結論

新商品・新サービスを出すときの補助金は、試作と知らせる費用が中心なら持続化補助金、自社にとって初めての製品で別の客層に出るための設備や建物なら新事業進出・ものづくり補助金の新事業進出枠、技術を生かした新製品の開発なら同じ補助金の革新的新製品・サービス枠が合います。

どの制度も、今の商品の量を増やすだけ、メニューを1品足すだけの計画は新事業として扱われません。

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新しい商品やサービスを始めたいが、どの補助金で、どこまでの費用を出せるのかを知りたい方に向けた記事です。

採択事例のうち課題を「新事業・新市場」とした事例と、小規模事業者持続化補助金・新事業進出・ものづくり補助金の公募要領から、計画の規模ごとの選び方を整理します。

新事業進出・ものづくり補助金とは?

新事業進出・ものづくり補助金は、中小企業が新しい製品やサービスに挑む設備投資を補助する国の制度で、2026年度からものづくり補助金と新事業進出補助金をまとめて始まりました。公募要領は目的を「技術的革新性のある製品・サービスの開発、新市場・高付加価値事業への進出、輸出に向けた国内の輸出体制の強化を後押しし、企業規模の拡大・付加価値向上による生産性向上と賃上げにつなげることが目的」としています1。

枠ごとの補助上限や要件の全体は新事業進出・ものづくり補助金とはで取り上げています。

試作の規模で決まる3つの補助金の違い

新商品の補助金は、まず「いくらの投資で、誰に売るか」で絞れます。数十万円の試作とチラシなら持続化補助金、数百万円以上の機械や建物が要るなら新事業進出・ものづくり補助金が候補です。

補助金と枠 合う新商品・新サービス 補助上限(小さな会社の区分)
持続化補助金 試作品・パッケージの開発と、チラシ・展示会・ネットで新しい客に知らせる取り組み 50万円
新事業進出・ものづくり補助金 革新的新製品・サービス枠 自社の技術を生かした新製品・新サービスの開発(試作の設備を含む) 従業員数1~5人:750万円(賃上げ特例適用時 850万円)
新事業進出・ものづくり補助金 新事業進出枠 自社にとって初めての製品で、今と違う客層の市場に出る事業(建物費も対象) 従業員数1~20人:2,500万円(賃上げ特例適用時 3,000万円)

出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.8『1-2-2. 新事業進出枠』台帳で見る

新事業進出枠には補助下限(補助下限額 750万円)があります。小さく試したい段階で大きな枠を選ぶと、投資額が下限に届かないことがあります。持続化補助金の申請枠の違いは持続化補助金の申請枠の選び方で取り上げています。

持続化補助金で新商品を試した事例

持続化補助金で新商品に取り組んだ採択事例は、試作の費用と、その商品を新しい相手に知らせる費用を1つの計画に入れています。公募要領は新商品開発費を「新商品の試作品や包装パッケージの試作開発の経費。テストマーケティングや市場調査を行った結果を踏まえたもの、またはそれらを伴うものが対象」と定めています2。

  • へら絞りの金属加工の工場:コースターやトレイなどの生活道具を開発し、サイトの検索対策と業者向けの展示会で知らせました。新規の客を11名ほど得て、売上高は前年より23%ほど伸びています。
  • 個人宅向けだった木工の工房:木製遊具のカタログを作り、全国の幼稚園・保育園・自治体の公園に送りました。園からの注文が増えて客単価も上がり、売上は22%増えています。
  • 米を作る農家:一人暮らしの女性に向けて、6種の米を1週間分ずつ詰めたセットとレシピを作りました。見本市で百貨店や専門店と商談し、3件の受注につながっています。
  • 国道沿いの飲食店:近くの工業団地で働く人に向けた高めの弁当を始め、店の中身が分かる看板を立てました。前年の同じ時期より来店客数が24.7%、売上が28.9%増えています。

どの事例も、新商品そのものより「今まで来ていなかった客」をはっきり決めているのが共通点です。試作の費用の細かい条件は持続化補助金で新商品・新メニューを開発するで取り上げています。

新しい客層へ設備を入れた新事業の事例

新事業進出枠では、製品が自社にとって新しいことに加えて、売る相手が今の客層と違うことを示します。公募要領は「新たな市場とは、既存事業で対象となっていなかったニーズ・属性(法人/個人、業種、行動特性等)を持つ顧客層を対象とする市場」と定めています3。

  • イチゴの農家:値の下がる規格外のイチゴを、鮮度を保つ凍結機と真空包装機で冷凍し、デザートやかき氷の素材として売り出しました。30kgを冷凍するまでの時間は3日から7時間に縮み、月630kgを自社で加工できるようになっています。
  • 受注生産の部品メーカー:福祉施設向けの自社製品を開発し、取引先の言い値で作る仕事から抜け出しました。自社製品が評価され、取引先と対等に価格の話ができるようになっています。
  • 釣針のめっき工場:輸出の減少を受けて光を反射しない黒めっきの技術を開発し、のこぎりの刃という別の分野に進みました。のこぎりのメーカーの新製品に採用されています。

いずれも、売る相手が業種や用途ごと変わっています。新事業進出枠に当たるかどうかの判断は新事業進出・ものづくり補助金の新事業進出枠で取り上げています。

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技術を生かす新製品は革新的枠で考える

今ある技術を組み合わせて性能の違う製品を作る計画は、革新的新製品・サービス枠に当たります。公募要領は、この枠について「革新的な新製品・新サービス開発とは、顧客等に新たな価値を提供することを目的に、自社の技術力等を活かして新製品・新サービスを開発すること」と説明しています4。

この枠は、開発のための機械やシステムが必須の経費です。試作を繰り返す設備、品質を測る検査機、新しい加工のための機械など、開発の工程に要る物を中心に組みます。工程を速くするだけの設備は、この枠の対象になりません。

新事業進出枠との違いと上限の区分は新事業進出・ものづくり補助金の革新的新製品・サービス枠で取り上げています。

専門家から見た新事業の補助金のポイント

新しい商品の計画で大切なのは、売り先の顧客層が今と違うことを、数字や声で示すことです。採択事例545件のうち、課題を「新事業・新市場」とした事例は149件あります。割合は持続化補助金の事例で25.5%、新事業進出・ものづくり補助金の事例で45.4%です。

持続化補助金の事例のうち、新商品開発費を使ったものは57件です。新商品だけを作る計画は少なく、多くは広報費やウェブサイト関連費と組み合わせて「作って、知らせる」形にしています。

持続化補助金から始めると向いている会社

今の技術や設備で試作はでき、足りないのは知らせる手段という会社です。試作品を見本市やモニターで試し、反応を確かめてから大きな投資を考えると、次の申請の計画にも実績として書けます。

どの枠にするか迷う会社

新商品のために数百万円の機械が要るが、売り先がまだ今の取引先と同じ会社です。売り先が同じなら新事業進出枠では新しい市場と言えないため、技術の新しさで革新的枠を考えるか、売り先を変えた計画に組み直します。採択事例の課題と取り組みは採択事例のデータで探せます。

間違えやすい点

新商品の補助金で間違えやすいのは、新しさの基準、始める時期、創業して間もない会社の扱いの3つです。

注意

新事業進出枠の公募要領には「製造量・提供量の増大、過去製品の再製造、製造方法の変更のみ、単なるメニューの追加、市場の一部のみ、単に商圏が異なる場合などは該当しない」とあります。今の商品を別の地域で売る計画は、新しい市場とは見なされません。

注意

持続化補助金の公募要領には「交付決定日前に行われた発注・契約・支出行為は補助対象外。採択通知書だけでは補助事業を始められない」とあります。試作の材料や型の発注は、交付決定の通知を受けてからにします。

注意

新事業進出枠には「新規設立・創業後1年に満たない事業者は対象外(新事業進出枠に限る)。最低1期分の決算書が必要」という決まりがあります。開業して間もない会社は、持続化補助金の創業型や革新的枠を先に確かめます。

交付決定から事業を始めるまでの流れは補助金の交付申請とは?で取り上げています。

よくある質問

新しいサービスでも新商品開発費の対象になりますか?

持続化補助金の新商品開発費は、試作品や包装パッケージの試作開発の経費です。形のないサービスは、体験の器具や知らせる費用など、別の経費の区分で組むのが一般的です。

世の中にすでにある商品でも新事業進出枠に申請できますか?

できます。新事業進出枠の新しさは、世の中で初めてかどうかではなく、御社にとって初めての製品かどうかで見られます。そのうえで、売る相手が今の客層と違うことを示します。

持続化補助金で試作し、その後に新事業進出・ものづくり補助金を使えますか?

使えます。同じ経費に2つの補助金を重ねることはできませんが、試作の結果をもとに量産の設備を別の補助金で入れる計画は組めます。

新商品が売れなかったら補助金を返しますか?

売上の目標に届かなかっただけで返す決まりは、持続化補助金の公募要領にはありません。新事業進出・ものづくり補助金は賃上げなどの要件に未達のときの返還があるため、目標の数字は無理のない範囲で置きます。

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出典(4件)
  1. 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.6『1-1. 事業の目的』
  2. 持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区) p.16『7.(3)⑥ 新商品開発費』
  3. 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.7『1-2-2. 新事業進出枠』
  4. 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.6『1-2-1. 革新的新製品・サービス枠』

参考資料

  • 中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領」
  • 全国商工会議所「持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)」
  • 公募要領の台帳(新事業進出・ものづくり補助金)
  • 公募要領の台帳(持続化補助金)

確認日:2026年10月17日

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目次

  1. 新事業進出・ものづくり補助金とは?
  2. 試作の規模で決まる3つの補助金の違い
  3. 持続化補助金で新商品を試した事例
  4. 新しい客層へ設備を入れた新事業の事例
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