レーザー加工機・3Dプリンターに合う補助金|試作・小ロット生産の制度
この記事の要点
レーザー加工機や3Dプリンターは、新製品の試作や小ロット生産なら新事業進出・ものづくり補助金、加工の段取りや人手を減らすなら省力化投資補助金、小さな工房の新商品なら持続化補助金が候補です。カタログの製品と成果事例の傾向も整理しました。
この記事の目次
レーザー加工機や3Dプリンターで新しい製品の試作や小ロット生産を始めるなら、新事業進出・ものづくり補助金の革新的新製品・サービス枠が中心です。
今の加工の段取りや人手を減らすなら省力化投資補助金、従業員の少ない工房が名入れやオリジナル品の新商品で販路を広げるなら持続化補助金の機械装置等費が候補になります。
レーザー加工機・レーザーカッター・レーザーマーカー・3Dプリンターを補助金で入れたい製造業や工房が、どの制度を選べばよいかを知りたい方に向けた記事です。
新事業進出・ものづくり補助金、省力化投資補助金、持続化補助金の公募要領と、ものづくり補助金の成果事例から整理します。
試作と量産で合う補助金はどう違う?
同じレーザー加工機でも、新しい製品を作るのか、今の製品を早く作るのか、新しいお客さまに売るのかで、合う補助金が変わります。
| 入れる目的 | 合う補助金 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 新しい部品・製品の試作と小ロット生産 | 新事業進出・ものづくり補助金(革新的新製品・サービス枠) | 金属3Dプリンターでの複雑な形の部品、樹脂の試作品 |
| 別の業界向けの製品を量産する | 新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠) | レーザー加工の新工場で建材や医療機器の部材を作る |
| 板金や溶接の段取り・人手を減らす | 省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型) | ファイバーレーザ溶接ロボットシステム、3Dプリンタ(AM) |
| 小さな工房の新商品で販路を広げる | 持続化補助金 | レーザー彫刻での名入れ、3Dプリンターでのオリジナル雑貨 |
出典:省力化投資補助金 カタログ注文型 製品カテゴリ p.422『3Dプリンタ(AM)』
試作の材料や外注も含めた開発の費用は開発費・試作品開発費に使える補助金で取り上げています。
新事業進出・ものづくり補助金とは?
新事業進出・ものづくり補助金は、中小企業の新製品・新サービスの開発や新市場への進出にかかる設備投資を国が補助する制度で、レーザー加工機や3Dプリンターのような加工機は機械装置・システム構築費に入ります。
試作と開発に向く革新的新製品・サービス枠は、補助下限額 100万円です1。3つの枠の違いは新事業進出・ものづくり補助金とは?で取り上げています。
試作用の3Dプリンターは革新的枠の対象?
革新的新製品・サービス枠では、新しい製品の開発に使う機械が必要で、革新的枠は機械装置・システム構築費が必須。新事業進出枠・グローバル枠は機械装置・システム構築費又は建物費のいずれかが必須とされています2。3Dプリンターやレーザー加工機は、その中心になる設備として計画できます。
ただし、機械を入れるだけでは開発になりません。どんな形や素材の製品を、何回の試作で、どの性能まで仕上げるかを計画に書きます。3Dのデータを作るCADのソフトや3Dスキャナーも、専用に使うなら同じ区分に入ります。枠の要件は新事業進出・ものづくり補助金の革新的新製品・サービス枠で取り上げています。
カタログにあるレーザー・3D関連の製品は?
省力化投資補助金のカタログ注文型には、製造業などを対象にしたレーザー・3D関連の製品カテゴリがあります。カテゴリごとの登録製品は増えたり減ったりするため、申請の前にカタログで確かめます。
| 製品カテゴリ | 主な対象業種 | 減らす作業 |
|---|---|---|
| 3Dプリンタ(AM) | 製造業、建設業、専門・技術サービス業 | 試作や治具づくりの段取り、加工機のプログラムの切り替え |
| ファイバーレーザ溶接ロボットシステム | 製造業 | 人の手での溶接と仕上げ |
| カメラ位置決め機能付き板金レーザ加工機 | 製造業 | 材料の位置合わせと段取り |
| CNC三次元測定機 | 製造業 | 加工品の寸法の測定 |
| 地上型3Dレーザースキャナー | 建設業、専門・技術サービス業 | 現場の測量と図面づくり |
出典:省力化投資補助金 カタログ注文型 製品カテゴリ p.416『ファイバーレーザ溶接ロボットシステム』
製品を選んで販売事業者と申請する流れは省力化投資補助金カタログ注文型の申請方法で取り上げています。
小さな工房なら持続化補助金で買える?
従業員の少ない工房や雑貨店が、レーザー彫刻機で名入れのサービスを始める、3Dプリンターでオリジナルの商品を作るといった場合は、持続化補助金の機械装置等費が使えます。対象は、補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費。単価50万円(税抜き)以上は処分制限財産です3。
持続化補助金は販路を広げるための制度なので、機械で作った新商品をどこで誰に売るかまで計画に書きます。試作品やパッケージの試作には、新商品開発費も組み合わせられます。新商品の開発に使った事例は持続化補助金で新商品・新メニューを開発するで取り上げています。
専門家から見たレーザー・3D機器のポイント
ものづくり補助金の成果事例(平成24〜31年度)で、入れた設備にレーザー加工機・レーザーカッター・レーザー彫刻機・レーザーマーカーを挙げた事例は131件、3Dプリンターを挙げた事例は92件あり、どちらも金属製品製造業が一番多くなっています。レーザー加工機の事例は生産能力の不足、3Dプリンターの事例は新製品・新技術の開発を困りごとにしたものが多く、同じ加工機でも目的が分かれます。新事業進出・ものづくり補助金の採択事例でも、製造業で新事業・新市場を課題にした事例は31件あります。
補助金が向いている会社
外注していた試作やレーザー加工を内製にして、試作の日数を短くしたい会社です。外注の費用と日数が数字で分かっていれば、入れた後の効果を計画で示せます。
どの補助金にするか迷う会社
レーザー加工機を、今の受注を早くこなすためと、新しい製品を作るための両方に使いたい会社です。既存の製品の生産にも使うと、新事業進出・ものづくり補助金では専ら補助事業に使う設備と言えなくなるため、主な目的を1つに決めます。審査で見られる項目は新事業進出・ものづくり補助金の審査項目と加点で取り上げています。
間違えやすい点
レーザー加工機や3Dプリンターで間違えやすいのは、安い機種と、ほかの仕事との共用です。
新事業進出・ものづくり補助金では、補助対象となる機械装置等は単価10万円(税抜き)以上です。卓上の小さな3Dプリンターだけの申請は、補助の下限額にも届きにくくなります。
補助金で入れた機械を、計画にない今の製品の加工に使うと、目的外の使用になります。補助事業の製品と今の製品を同じ機械で作るなら、申請の前に使い方を整理します。
補助金で買った機械を処分・転用するときの決まりは補助金で買った設備は売れる?で取り上げています。
よくある質問
3Dプリンターの材料(樹脂や金属粉)は対象ですか?
新事業進出・ものづくり補助金では、試作品の開発に使う材料は原材料費に入ります。量産で使う材料や、補助事業の期間が終わったときに残った材料は対象外です。
中古のレーザー加工機は対象ですか?
新事業進出・ものづくり補助金では、3者以上の中古品の販売事業者から相見積もりを取れば中古の設備も対象です。省力化投資補助金のカタログ注文型では、中古品は対象外です。
レーザー加工を外注する費用は対象ですか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(3件)
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.6『1-2-1. 革新的新製品・サービス枠』
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.27『1-6. 補助対象経費』
- 持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区) p.12『7.(3)① 機械装置等費』
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