小売業・卸売業は省力化補助金を何に使う?採択された使い道と事例

この記事の要点

小売業・卸売業の省力化補助金は、設備導入に使う採択事例が最も多く、次いで業務システム・ITが続きます。採択事例6件をもとに、使い道と実例を整理し、補助上限や対象の条件も公募要領の台帳で確かめられるようにしました。

この記事の目次
  1. 6件中4件が設備導入に使われている
  2. 業務システム・ITは6件中3件
  3. 対象は中小企業者と小規模事業者で分かれる
  4. 補助上限は従業員数で5段階に分かれる
  5. 採択率は公募回で変わる
  6. 専門家から見たポイント
  7. 間違えやすい点
  8. よくある質問
結論

採択事例のうち、小売業・卸売業の省力化補助金の採択事例は6件あり、2026年10月時点で67%にあたる4件が設備導入に使われていました。

次に多いのは業務システム・ITの3件です。事例が6件と少ないため、近い業種や制度の採択事例も合わせて確かめてください。

魚の下処理や給油の許可のように、店の作業を機械やシステムに任せたいが、省力化補助金でどの使い道が採択されているのか分からない。小売業・卸売業の使い道を知りたい方に向けた記事です。

省力化補助金(正式には中小企業省力化投資補助事業)は、人手を減らす設備やシステムの導入を補助する国の制度です。公募要領の内容は省力化補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

6件中4件が設備導入に使われている

採択事例のうち、2026年10月時点で小売業・卸売業の設備導入は6件中4件です。使い道の内訳は次のとおりです。

やりたいこと 件数 割合
設備導入 4件 67%
業務システム・IT 3件 50%
海外・インバウンド 1件 17%
販路拡大・集客 1件 17%

割合は小売業・卸売業の採択事例6件に対するもので、1つの事例が複数の使い道に当てはまるため合計は100%を超えます。個別の事例は小売業・卸売業の採択事例で見られます。

設備導入の例では、タイ200枚のウロコ取りが6人がかりで計300分から12分になった計画など、作業の時間を大きく減らす成果が示されています。

1一般型|魚の下処理の機械化

2カタログ注文型|給油許可をタブレットに移す

3カタログ注文型|わっぱ飯の調理短縮

業務システム・ITは6件中3件

採択事例のうち、業務システム・ITの使い道は2026年10月時点で6件中3件です。ECサイトや顧客の管理、給油の許可などをシステムでまとめる計画が見られます。ECと顧客管理をつなぐ例では、レンタル業務が1日640分から250分になり、要員が3名から1名になりました。同じ分野の例は省力化補助金の採択事例でも見られます。

1カタログ注文型|事務所の常駐をなくす

2一般型|ECと顧客管理の連携

対象は中小企業者と小規模事業者で分かれる

省力化補助金の一般型の対象は、次の2つの基準で決まります。基準の全文は省力化補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

  • 日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業等(個人事業主を含む)。特定事業者の一部、NPO法人、社会福祉法人、歯科医業を営む医療法人も対象
  • 小規模企業者・小規模事業者:常勤従業員数が製造業その他・宿泊業・娯楽業20人以下、卸売業・小売業・サービス業5人以下

店の作業を減らす機械やシステムの導入が、御社の規模で一般型の対象になるかは、AIで3分ほどで確かめられます。

AIで対象か確認する

補助上限は従業員数で5段階に分かれる

一般型の補助上限は従業員数で決まり、大幅な賃上げをする場合は上限が引き上げられます。特例の条件や枠ごとの違いは省力化補助金の公募要領の台帳にまとめています。

従業員数 補助上限(一般型)
5人以下 従業員5人以下:750万円(大幅賃上げ特例適用時1,000万円)
6〜20人 従業員6~20人:1,500万円(特例適用時2,000万円)
21〜50人 従業員21~50人:3,000万円(特例適用時4,000万円)
51〜100人 従業員51~100人:5,000万円(特例適用時6,500万円)
101人以上 従業員101人以上:8,000万円(特例適用時1億円)

出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.9『1-4(1)② 補助上限額』台帳で見る

補助率は次の3つに分かれます。

  • 中小企業 1/2(最低賃金引き上げ特例適用時 2/3)
  • 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者 2/3
  • 最低賃金引き上げ特例:中小企業の補助率を2/3に引き上げ(小規模企業者・小規模事業者、再生事業者、常勤従業員がいない場合は不可)

採択率は公募回で変わる

省力化補助金の採択率は、最新回(第6回)で63.9%です。回ごとの推移は、次のグラフのとおりです。業種別の採択率は公表されていないため、この記事では業種の採択率は示しません。

省力化補助金の採択データ

中小企業省力化投資補助金(一般型)の第6回の採択率は63.9%でした。採択事例では製造業が39%と最も多く、経費はカタログ掲載の省力化製品が57%の事例で使われています。

採択率の推移

第6回63.9%
直近5回の平均64.5%

採択事例 28件採択事例を見る ›

出典(1件)
  1. 中小企業庁「採択結果」・ミラサポplus(第2回〜第6回)
採択率は採択数÷応募数で計算しています。業種・経費は、国・省庁などが公開している採択事例28件を数えた割合です(1つの事例で複数使うため、合計は100%を超えることがあります)。

採択されなかったときに理由を聞けるかは、補助金の不採択の理由は教えてもらえる?で取り上げています。

専門家から見たポイント

採択事例は小売業・卸売業で6件と少ないため、この業種の傾向は目安として読んでください。採択事例のうち、省力化補助金全体では28件を数えています(2026年10月時点)。

設備を入れて作業時間を減らしたい会社

設備導入の例では、作業の時間が大きく減った成果を数字で示している計画が見られます。成果を数字で示せるかが、計画の筋道を作ります。

受注や事務の手間をシステムで減らしたい会社

業務システム・ITの例は、ECと顧客管理をつなぐなど、事務の作業を一度にまとめる計画です。1日390分減らした成果などが示されています。

販路やインバウンドも視野に入れる会社

海外・インバウンドや販路拡大の例は、6件中各1件と少数です。同じ業種で持続化補助金の使い道を比べるなら、卸売・小売業の持続化補助金の記事で使える経費を確かめられます。

機械とシステムを同じ申請でどの経費区分に入れるか迷うときは、専門家に無料で相談して確かめられます。

間違えやすい点

間違えやすいのは、補助の対象にならない経費です。経費の細かな条件は省力化補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

  1. 中古品は対象外。中古品購入費
  2. 基礎工事は対象外。設置場所の整備工事や基礎工事に要する費用は対象外。「据付け」は設置と一体の軽微なものに限る
  3. 汎用品は対象外。汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用のパソコン・プリンタ・スマートフォン・タブレット端末等)
  4. 保守契約が必要。システム構築費を計上する場合は3~5年の保守・メンテナンス契約の締結が必要。保守・メンテナンス費用は補助対象外

よくある質問

小売業・卸売業の会社でも申請できますか?

対象の基準は、本社と補助事業の実施場所、中小企業者の範囲で決まります。業種だけで対象かどうかが決まるわけではありません。基準は省力化補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

何を買えば補助の対象になりますか?

機械装置・システム構築費(必須):必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必要(借用に要する経費は含まない)

機械装置以外の経費にも上限はありますか?

「機械装置・システム構築費」以外の経費は総額で500万円(税抜き)までを補助上限額とする

申請の締切はいつですか?

締切は2026年12月下旬(予定)です。公募回によって変わるため、最新の日付は公募要領の台帳で確かめてください。

ほかの「よくある質問」を見る

ほかの質問も見る省力化投資補助金のよくある質問
出典

いま申請できる回

中小企業省力化投資補助金

公募回
第9回
締切
2026年12月下旬(予定)

公募要領の台帳より(2026年10月31日確認)

よく採択されているテーマ

中小企業省力化投資補助金で採択された計画7,432件を、やりたいことで分けました。

中小企業省力化投資補助金では「設備導入」が70%で一番多く、次が「業務システム・IT」(23%)です。

業種ごとのテーマを見る ›

「設備導入」で採択された計画名の例

  • 老朽化した下水道管を守る!非開削工法による省力化事業
  • 専用農機の複合導入による水稲栽培方法の転換と効率化
  • 限界生産性が高い道央圏向け鉄骨加工量増加のための省力化投資

この補助金の採択事例

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卸売業、小売業で、実際に採択された会社です。

申請枠:一般型

申請枠:一般型

VOICE

この補助金を使った人の声

  • 費用対効果の観点から、中規模以下の営業所へのシステム導入は悩んでいたが、本補助金により投資に踏み切れた。

    大阪府の石油製品販売業従業員35名
  • 事業計画書の作成は、ずっと頭の中で練ってきた構想や事業に対する想いを書き出したので、難しいことではなかった。

    宮崎県の鮮魚卸・加工業従業員8名
  • 建物内の給油許可システムへの入力作業や確認作業に追われることで、当社が大切にしているお客様へのプラスアルファの声掛けや車両の異常チェックなど、付加価値の高いサービスに充てる時間が削られていた。

    愛知県のガソリンスタンド運営従業員25名
出典:国・省庁などの公開情報をもとに加工

中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

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