創業融資の据置期間とは?利息だけ払う期間の決め方と延ばせるか
この記事の要点
据置期間は、融資を受けてから元金の返済を始めるまでの、利息だけを払う期間です。日本政策金融公庫と東京都の制度融資での上限、据置を長くしたときの毎月の返済の変わり方、長さを決める目安、契約後に延ばすときの注意を整理しました。
この記事の目次
据置期間とは、融資を受けてから元金の返済を始めるまでの、利息だけを払う期間のことです。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金では、設備資金にも運転資金にも、返済期間の中に据置期間を付けられます。
据置を長くすると最初の負担は軽くなりますが、残りの期間で元金を返すため、据置が終わった後の毎月の返済額は大きくなります。
創業融資を申し込む前に、据置期間を何か月にすればよいか、後から延ばせるのかを知りたい方に向けた記事です。
日本政策金融公庫の制度ページと、東京都の制度融資の要項から、据置期間の上限と、長さを決めるときの考え方を整理します。金利の数字は毎月変わるため、この記事では書かずに公庫の金利ページへ案内します。
新規開業・スタートアップ支援資金とは?
新規開業・スタートアップ支援資金は、日本政策金融公庫の国民生活事業が扱う創業向けの融資です。対象は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方で、融資の限度額は7,200万円です。
以前の制度は2024年にこの制度へまとめられています。制度の全体と申し込み方は公庫の新規開業・スタートアップ支援資金で取り上げています。
据置期間の間に払うのは利息だけ?
据置期間の間は、元金を返さず、借りた額にかかる利息だけを毎月払います。たとえば600万円を借りた場合、据置期間中は600万円に金利をかけた利息だけを払い、元金の600万円は据置が終わってから返し始めます。
新規開業・スタートアップ支援資金は、契約のときの金利が最後まで変わらない固定金利です。金利の数字は使いみちや返済期間、担保の有無などで変わるため、日本政策金融公庫の金利情報のページで確かめます。
開業してすぐは売上が安定しないため、据置期間を付けると、手元のお金を店の準備や仕入れに回せます。創業融資を借りるか迷うときの考え方は起業・創業時に創業融資は借りるべき?で取り上げています。
公庫と制度融資で据置は何か月まで?
据置期間の上限は、融資の制度ごとに決まっています。返済期間の中に据置期間が含まれる点はどれも同じです。
| 融資の制度 | 返済期間 | うち据置期間 |
|---|---|---|
| 公庫 新規開業・スタートアップ支援資金(設備) | 20年以内 | 5年以内 |
| 公庫 新規開業・スタートアップ支援資金(運転) | 10年以内 | |
| 公庫 一般貸付(設備) | 10年以内 | 2年以内 |
| 公庫 一般貸付(運転) | 5年以内(特に必要な場合7年以内) | 1年以内 |
| 東京都 小規模事業・フリーランス向け融資(小口) | 運転資金7年以内・設備資金10年以内(いずれも据置期間1年以内を含む) | |
| 東京都 一般事業融資(事業一般) | 運転資金7年以内・設備資金10年以内(いずれも据置期間6か月以内を含む) | |
出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」「一般貸付」、東京都産業労働局「令和8年度 東京都中小企業制度融資要項」
創業向けの公庫の融資は、ふつうの事業資金の一般貸付より据置期間を長くとれます。上限はあくまで上限で、実際の長さは事業計画を見て公庫と相談して決めます。都の制度融資の全体は東京都の制度融資で取り上げています。
据置を長くすると返済はどう変わる?
返済期間が同じなら、据置を長くするほど、元金を返す期間が短くなり、毎月の元金の返済額が増えます。運転資金600万円を返済期間5年で借り、元金を毎月同じ額ずつ返す場合で比べます。
| 据置期間 | 元金を返す期間 | 毎月の元金の返済 |
|---|---|---|
| なし | 60か月 | 10万円 |
| 6か月 | 54か月 | 約11.1万円 |
| 1年 | 48か月 | 12.5万円 |
このほかに、毎月の利息がかかります。据置期間の間は元金が減らないため、払う利息の合計も、据置を長くするほど多くなります。
据置が終わる月から返済が急に増えるため、その時点で毎月の利益から返せるかを、創業計画書の収支の見込みで確かめておきます。売上の見込みの作り方は補助金の事業計画で売上予測はどう作る?で取り上げています。
据置期間の長さを決める3つの目安は?
据置期間は、長いほどよいわけではありません。次の3つを目安に決めます。
- 売上が安定するまでの月数:飲食店や小売店のように開業してすぐ売上が立つ事業は短く、受注まで時間がかかる事業は長めにします。
- 設備か運転資金か:店の内装や機械など長く使う設備は、返済期間も長くとれるため、据置を付けても毎月の負担が大きくなりにくいです。
- 入るお金の時期:補助金のように後から入るお金がある場合は、その入金の時期まで据置を付けると、返済と入金の時期をそろえられます。
面談では、なぜその長さにしたのかを聞かれることがあります。収支の見込みと合わせて説明できるようにしておきます。面談で聞かれることは日本政策金融公庫の面談で聞かれる質問と答え方で取り上げています。
専門家から見た据置期間のポイント
据置期間は、補助金と融資を組み合わせるときに大事になります。持続化補助金の採択事例でも、機械装置等費を使った事例が149件あり、設備の代金を先に払い、補助金は後から入るという順番になります。
向いている会社
開業の準備に数か月かかり、その間は売上が無い会社です。設備資金に半年から1年の据置を付けると、開業までの間の返済を利息だけに抑えられます。
迷う会社
開業してすぐに売上が立つ見込みがある会社です。据置を長くとると利息の合計が増えるため、短めにするか、付けない選び方もあります。補助金の入金と融資の返済の順番は補助金と融資はどちらが先?で取り上げています。
間違えやすい点
据置期間で間違えやすいのは、返済期間との関係と、決めた後の変更です。
据置期間は、返済期間の外に足されるのではなく、返済期間の中に含まれます。返済期間5年・据置1年なら、元金は残りの4年で返します。
据置期間は、契約のときに決めます。契約の後に延ばしたい場合は、返済の条件の変更として公庫や金融機関に相談することになり、次の融資の審査に影響することもあります。最初に余裕のある長さを考えておきます。
創業融資の審査で見られる点は創業融資の審査対策で取り上げています。
よくある質問
据置期間を付けると審査で不利になりますか?
据置期間を付けたことだけで不利になるとは、公庫の案内には書かれていません。創業計画書の収支の見込みと合った長さかどうかが大事です。
据置期間の間に繰上げて返すことはできますか?
繰上げ返済の扱いは、借りた支店に確かめます。手元のお金に余裕ができたときは、元金を早めに減らして利息を抑える方法もあります。
設備資金と運転資金で据置期間を分けられますか?
設備資金と運転資金を別々に借りる場合は、それぞれに返済期間と据置期間を決めます。
据置期間が終わった後の返済はどうなりますか?
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