地域おこし協力隊の補助金加点|事業承継で使える条件と任期の注意
この記事の要点
地域おこし協力隊の加点は、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠で、申請時に委嘱を受けている隊員が同じ市区町村の事業を継ぐ場合に受けられます。加点の条件と出す書類、継ぐ人の要件、任期中に申請する段取りを公募要領で整理しました。
この記事の目次
地域おこし協力隊の加点は、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠にあり、公募申請の時点で自治体から協力隊員の委嘱を受けていて、承継者が行う生産性向上の取組をその市区町村で行う場合に受けられます。
出すものは協力隊員の身分証で、任期が終わって委嘱が切れたあとは対象になりません。
地域おこし協力隊として活動していて、任期中や任期のあとに地元の店や会社を継ぐときに、補助金の加点がどう使えるかを知りたい方に向けた記事です。
事業承継・M&A補助金の公募要領と総務省の制度の案内をもとに、加点の条件と、継ぐ人に求められる要件を整理します。
事業承継促進枠の協力隊加点とは?
事業承継・M&A補助金は、事業を継ぐ前後の設備投資や、M&Aの専門家への費用などを補助する国の制度です。そのうち事業承継促進枠は、5年以内に親族や従業員へ事業を継ぐ予定の会社が、継ぐ人と一緒に行う設備投資などを補助します。
地域おこし協力隊は、都市から過疎地域などに住民票を移した人を自治体が委嘱し、地域の産品の開発やPR、農林水産業の手伝いなどをしながら定住を目指してもらう総務省の制度で、任期はおおむね1年から3年です。事業承継促進枠には、この協力隊員が地域の事業を継ぐ場合の加点があります。事業承継・M&A補助金の4つの枠は事業承継・M&A補助金の公募と4つの枠で取り上げています。
加点の対象になる協力隊員の条件は?
公募要領の条件は、地方公共団体から「地域おこし協力隊」の委嘱を受け、取組の実施地が当該地域であることです。
| 確かめること | 公募要領の決まり |
|---|---|
| いつの時点で協力隊員か | 公募申請時に委嘱を受けていること |
| 取組の場所 | 承継者が行う生産性向上の取組の実施地が、委嘱した市区町村であること |
| 出すもの | 地域おこし協力隊員の身分証 |
| 使える枠 | 事業承継促進枠(専門家活用枠・PMI推進枠には無い) |
出典:事業承継・M&A補助金 16次 事業承継促進枠 公募要領 p.36『15.2. 加点事由について(3)』台帳で見る
協力隊員として委嘱を受けた市区町村と、継ぐ店や工場のある市区町村が同じであることが前提です。隣の町の会社を継ぐ場合は、加点の対象になりません。事業承継の加点のほかの項目は事業承継の加点とアトツギ甲子園の取り方で取り上げています。
協力隊員が継ぐ人になれる条件は?
加点の前に、協力隊員が事業承継促進枠の「承継予定者」に当たるかを確かめます。公募要領は、法人を継ぐ場合の承継予定者を役員3年以上、継続雇用3年以上、役員と雇用の通算3年以上、又は被承継者の親族で代表経験が無い者としています。個人事業を継ぐ場合は、個人事業に継続して3年以上雇用された者、又は被承継者の親族で承継対象事業の代表経験が無い者です。
- 協力隊の活動として会社を手伝ってきただけでは、役員や従業員としての年数に入るとは限りません。役員の登記や雇用契約がいつからかを確かめます。
- 事業を継ぐ時期の条件は「2026年11月6日から5年後の2031年11月5日までに事業承継を実施」です。
- 公募要領では「補助事業が第一次産業(農業、林業、漁業)である事業は対象外」とされています。農家や漁業の経営を継ぐ計画は、この枠では対象になりません。
親族ではない人が継ぐ場合の考え方は従業員への事業承継(親族外)でも補助金は使える?で取り上げています。
任期中に申請するための段取りは?
加点は公募申請の時点で委嘱を受けていることが条件なので、任期の終わりと締切の順番が大切です。事業承継・M&A補助金の締切は2026年11月6日(金)17:00です。
- 任期の終わる月と、自治体の委嘱の期間を確かめます。
- 継ぐ会社の代表者と、役員への就任や雇用の時期、株式や事業の引継ぎの時期を話し合います。
- 認定経営革新等支援機関に、事業承継の見込みを確かめてもらった計画書を作ります。
- 協力隊員の身分証の写しを用意し、電子申請で加点を選びます。
認定経営革新等支援機関の探し方は認定支援機関とは?で取り上げています。
専門家から見た協力隊加点のポイント
協力隊員が地域の店や工場を継ぐ計画は、後継者がいない会社の課題と重なります。事業承継・M&A補助金の採択事例19件のうち、事業承継・後継者を課題にした事例は9件あります。
協力隊加点が向いている人
任期中から継ぐ先の会社で役員や従業員として働いていて、任期が終わる前に申請できる人です。地域で築いた人のつながりは、継いだあとの販路の説明にも使えます。
加点を待つか迷う人
任期が終わるのが締切より前で、まだ役員や従業員の年数が足りない人です。加点のために申請を急ぐより、承継予定者の要件を満たす次の公募を待つほうが計画を固められることがあります。採択の水準は事業承継・M&A補助金の採択率は?で取り上げています。
間違えやすい点
協力隊加点で間違えやすいのは、委嘱の時点と、取組の場所です。
任期を終えた元隊員は、公募申請の時点で委嘱を受けていないため、加点の対象になりません。定住して何年も経ってから継ぐ場合も同じです。
加点には承継者の取組の実施地が委嘱を受けた市区町村であることが要ります。本社が別の市区町村にある会社では、補助事業を行う場所がどこかを確かめます。
事業承継・M&A補助金の採択後の報告は事業承継・M&A補助金の採択後の手続きで取り上げています。
よくある質問
持続化補助金にも地域おこし協力隊の加点はありますか?
持続化補助金の加点の一覧に、地域おこし協力隊の加点はありません。協力隊の加点があるのは、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠です。
協力隊員が自分で起業する場合も加点になりますか?
この加点は、事業を継ぐ承継者の取組が対象です。継ぐ事業がない起業では、事業承継促進枠そのものの対象になりません。
身分証のほかに、委嘱状も出しますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典
参考資料
確認日:2026年10月17日
公募・締切・改訂のお知らせ(無料)
補助金の公募・締切・改訂を、メールでお知らせします
- 公募開始新しい公募回の公募要領が出たとき
- 締切前締切の2週間前と3日前(事前の書類の締切も)
- 改訂公募の途中で公募要領が変わったとき。変わった箇所とページ番号をお送りします
お送りするのはこの3つだけです。配信はメールの下のリンクからいつでも止められます。
補助金の関連記事
一覧へ公開 2026/10/18
要点省力化投資補助金は中小企業庁と中小機構が進める国の補助金です。公式の事務局サイトの見分け方、「実質無料」「自己負担を後で戻す」勧誘が公募要領で不正とされる理由、販売事業者と契約する前に確かめる点をまとめました。
公開 2026/10/18
要点成長加速化補助金の準備は、GビズIDの取得と100億宣言の掲載から始めます。申請の時点で宣言が載っていないと申請できません。見積・金融機関の確認書・投資計画書を締切から逆算して進める順番と、締切後の日程をまとめました。
公開 2026/10/18
要点持続化給付金はコロナ禍で売上が減った事業者への給付で、申請はすでに終わっています。持続化補助金は販路開拓の費用を後払いで補助する今も続く制度です。目的・受け取れる額・条件・時期の違いと、給付金を受けた事業者も申請できるかをまとめました。
公開 2026/10/18
要点自治体のAI導入の補助金は「DX」「デジタル化」の名前で募集されることが多く、J-Net21や自治体のサイトで探します。国のデジタル化・AI導入補助金との違いと、同じ経費に両方は使えない併用の決まりをまとめました。