従業員への事業承継(親族外)でも補助金は使える?承継予定者の条件
この記事の要点
従業員や役員に会社を継がせる親族外の承継でも、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠を使えます。3年以上の勤務などの承継予定者の条件、第三者への売却との違いを公募要領で整理しました。
この記事の目次
従業員に会社を継がせる親族外の承継でも、事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠を使えます。承継予定者が、役員や従業員として3年以上その会社で働いていることが条件です。
第三者に株式を売るM&Aは、この枠の対象外です。会社を外部に売る場合は、専門家活用枠を使います。
子どもではなく、長く働いてきた従業員や役員に会社を継いでもらいたいと考えている方に向けた記事です。
事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠の公募要領とよくある質問から、親族外の承継予定者の条件と、親族の承継との違いを整理します。
親族外の承継予定者に求められる条件
法人の場合、承継予定者の条件は役員3年以上、継続雇用3年以上、役員と雇用の通算3年以上、又は被承継者の親族で代表経験が無い者です1。親族でなければ、役員か従業員として3年以上の経験が必要です。
| 承継予定者 | 法人の場合の条件 |
|---|---|
| 役員 | 役員を3年以上 |
| 従業員 | 継続して3年以上雇用 |
| 役員と従業員の両方の経験 | 通算で3年以上 |
| 親族 | 代表の経験が無いこと(年数は問わない) |
事業承継促進枠の全体は事業承継・M&A補助金の4つの枠で取り上げています。
個人事業主が従業員に事業を譲る場合
個人事業主の場合、承継予定者の条件は個人事業に継続して3年以上雇用された者、又は被承継者の親族で承継対象事業の代表経験が無い者です。
個人事業主は、被承継者と承継予定者の共同申請が必須です。事業を譲る側は青色申告をしていることが条件で、白色申告の場合は対象外になります。個人事業主が使える制度の違いは個人事業主が使える補助金で取り上げています。
第三者への売却は事業承継促進枠の対象外
事業承継促進枠で認められる承継の形は決まっています。よくある質問は、株式譲渡など第三者へのM&Aによる承継は対象外とし、法人は同じ法人内での代表者交代、個人事業主は承継予定者への事業譲渡の形だけを認めています。
従業員でも、3年の条件を満たさない人や、外部の会社に継がせる場合は、M&Aとして専門家活用枠を考えます。M&Aで仲介会社を使う場合の決まりはM&A支援機関登録制度とは?で取り上げています。
代表者の交代と株式の移転が必要
補助金をもらうには、決まった期間のうちに実際に承継することが必要です。公募要領は、事業承継対象期間内に登記上の代表者が変わり、法人は承継予定者による株式取得等の所有権移転、個人事業主は廃業・開業や事業資産の譲渡等による引継ぎが確認できること。としています2。
従業員への承継では、承継予定者が株式を買うお金をどう用意するかが課題になります。承継予定者の会社が株式を買うHD承継も、決まった場合に限り認められています。資金の組み立て方は設備投資は補助金と融資のどちらで?で取り上げています。
専門家から見た親族外の承継のポイント
事業承継・M&A補助金の採択率は、15次で61.3%です。親族外の承継は、承継予定者が会社の仕事を知っている強みを計画書で示せます。承継の加点の取り方は事業承継の加点とアトツギ甲子園の取り方で取り上げています。
事業承継促進枠が向いている会社
番頭役の役員や長く勤めた従業員がいて、その人が新しい取り組みを主導できる会社です。生産性向上の取り組みの責任者は、承継予定者が担います。
迷うのは株式の買い取りが重い会社
会社の株式の価値が高いと、従業員が個人で買い取るのは大変です。HD承継や融資を組み合わせられるかを、先に相談します。
間違えやすい点
親族外の承継で間違えやすいのは、年数の数え方と、賃上げの要件です。
従業員としての3年は、継続して雇用されていた期間で数えます。途中で辞めて戻ってきた場合は、続けて3年になっているかを確かめます。
補助上限額を引き上げる賃上げ要件は、未達だと引き上げた分を返すことになります。公募要領は、3%以上の賃上げ未達、又は事業計画期間中に水準を維持できない場合、補助上限額の引き上げ額(最大で200万円)を返還としています。
補助金を返すことになる場合は効果報告で目標に届かなかったら?で取り上げています。
よくある質問
今は雇用されていない元従業員でも承継予定者になれますか?
個人事業主の場合、よくある質問は、今その事業に雇用されている必要は必ずしもないとしています。継続して3年以上雇用された経験があることが条件です。
パートの従業員でも承継予定者になれますか?
継続して3年以上雇用されていれば、条件に当てはまる場合があります。雇用の形が分かる書類を用意します。
承継の前に補助事業を始めてもよいですか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(2件)
- 事業承継・M&A補助金 16次 事業承継促進枠 公募要領 p.12『6.1.(1)承継予定者の要件』
- 事業承継・M&A補助金 16次 事業承継促進枠 公募要領 p.16『7. 申請単位』
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