カタログ注文型の採択後の流れ|納品・実績報告・入金と効果報告
この記事の要点
省力化投資補助金のカタログ注文型で採択された後に、契約・納品・支払い・実績報告・入金・効果報告をどの順番で進めるかを、公募要領と手引きから整理します。銀行振込に限られる支払いや、賃上げで上限を引き上げた場合の注意点も取り上げます。
この記事の目次
省力化投資補助金のカタログ注文型は、採択と同時に交付決定が出ます。その日から決められた期間の中で、契約・納品と検収・請求・銀行振込での支払いを順に済ませ、実績報告を出すと、確定検査を経て補助金が入ります。
入金の後も毎年の効果報告が続き、その間に製品が置かれているかの実地検査も受けます。
カタログ注文型で採択の通知を受け取り、納品から実績報告、入金、その後の報告までに何をすればよいかを知りたい方に向けた記事です。
カタログ注文型の公募要領・応募と交付申請の手引き・よくあるご質問から、採択の後の手続きを順番に整理します。
中小企業省力化投資補助金とは?
中小企業省力化投資補助金は、人手が足りない中小企業が、作業を機械に任せる設備を入れるときの費用を補助する国の制度です。カタログ注文型は、事務局のカタログに登録された製品を、登録された販売事業者と一緒に申請して入れる型です。
カタログ注文型の申請の手順と製品の選び方は省力化投資補助金カタログ注文型の申請方法で取り上げています。
採択の通知が届いたら最初に何をする?
カタログ注文型は、ほかの補助金のように採択の後で交付申請をし直す必要がありません。公募要領は「採択と同時に交付決定が行われる」としています1。
交付決定通知書は、申請マイページと販売事業者ポータルからダウンロードします。通知書に書かれた補助金の額と、補助事業を終える期限の日を最初に確かめます。交付決定の額は、申請のときに自社で入力した補助金の申請額がそのまま使われます。
そのうえで、販売事業者と納品の日程を決めます。公募要領は「交付決定の通知を受けてから補助事業に着手(契約・納品・支払も補助事業に含む)」としています。通知書の読み方は交付決定通知書とは?で取り上げています。
契約から支払いまでの順番と書類は?
交付決定の後は、決まった順番で進めます。手引きは「交付決定後は契約→納品・検収→請求→支払の順で行う。請求が納品前になる場合も、契約より後である必要がある。」としています。
| 順番 | すること | 残す書類 |
|---|---|---|
| ①契約 | 販売事業者と、申請した製品・台数・価格で契約する | 発注書・契約書 |
| ②納品・検収 | 製品と、登録どおりの周辺機器をすべて受け取り、動くかを確かめる | 納品書・検収書 |
| ③請求 | 本事業の費用だけを載せた請求書を受け取る | 請求書 |
| ④支払い | 銀行振込で払う(現金は不可) | 振込の控え・通帳の写し |
| ⑤実績報告 | ①〜④の書類と導入の写真などを出す | 実績報告書 |
出典:省力化投資補助金 カタログ注文型 応募・交付申請の手引き p.92『1. 交付申請後の流れ』台帳で見る
製品本体は、交付申請で入力した価格を超えて買うことはできません。登録の構成に周辺機器が含まれる製品は、そのすべてを入れないと補助金を受け取れません。証憑の不備で多い点は実績報告で差し戻される証憑の不備で取り上げています。
実績報告はいつまでに何を出す?
実績報告は、交付決定通知書に書かれた補助事業の完了期限までに出します。事務局は、契約・納品・検収・請求・支払いを終えてから実績報告書を出すよう案内しています(省力化投資補助金 カタログ注文型 よくあるご質問 p.11『補助事業実施・実績報告 1~4』)。期限は「交付決定通知書に記載する日(交付決定日から原則12か月以内)まで」です。
実績報告には、支払いの証憑、製品を入れたことの証憑、事業計画の達成の状況(省力化の効果と賃上げの実績)を入れます。取得した財産に貼るシールの「取得日」には、製品の検収の日を書きます。
賃上げで補助上限を引き上げた会社は、賃金の引き上げが確かめられるまで実績報告を出せません。給与支給総額・事業場内最低賃金は実績報告時の直近月の値を用いるため、給与を上げた月の賃金台帳がそろってから出します。賃上げの目標の決まりは省力化投資補助金の賃上げ要件とは?で取り上げています。
補助金はいつ、どう入金される?
補助金は、実績報告の後の確定検査で額が決まってから支払われます。公募要領は全体の手順を「流れ:公募→交付申請(電子申請)→採択通知→交付決定→補助事業実施・実績報告→確定検査(交付額の確定)→補助金の請求→支払→効果報告」としています2。
確定検査では、実績報告の書類と申請の内容が合っているかが見られ、事務局から結果と支払いの案内が届きます。交付決定の額がそのまま全部支払われるとは限らず、証憑で確かめられない費用は減らされます。製品の代金は先に自社で払うため、入金までの資金を手元で用意しておきます。
ファイナンス・リースで入れた場合は、補助金はリース会社に支払われ、毎月のリース料が補助金の分だけ下がります。補助金が入るまでの資金繰りは補助金と融資はどちらが先?で取り上げています。
入金の後に続く効果報告と検査は?
補助金が入った後も、手続きは終わりません。公募要領は「効果報告期間は3年間(3回目の効果報告を行うまで)。期限までに提出がない場合は交付決定取消の場合あり」としています。
| 入金の後にあること | 中身 |
|---|---|
| 効果報告(毎年) | 効果報告では、省力化製品の稼働状況と事業計画の達成状況(従業員数・労働時間・決算情報、給与支給総額・事業場内最低賃金)を、報告時点で期末を迎えている直近の事業年度の値で報告する |
| 実地検査 | 効果報告期間が終わるまでの間に1回以上の実地検査がある |
| 保険の継続 | 補助額が大きい製品は、保険や共済に事業計画期間の終わりまで入り続ける |
| 財産の管理 | 耐用年数の間は、事務局の承認なしに売ったり貸したりしない |
出典:中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)公募要領 p.18『3-5 補助事業終了後のフォローアップ』台帳で見る
効果報告に使う従業員の数や労働時間は、日ごろの勤怠の記録から出します。製品を入れる前の作業時間の記録を残しておくと、どれだけ減ったかを示しやすくなります。一般型の効果報告との違いは省力化投資補助金 一般型の審査と採択後の流れで取り上げています。
専門家から見た採択後のポイント
省力化投資補助金の採択事例28件のうち、成果を数字で示した事例は27件あります。作業の時間が何分から何分になったかを数字で残している会社ほど、効果報告を書きやすくなります。
採択後の手続きが進めやすい会社
製品の在庫があり、交付決定の後すぐに納品できる会社です。納品・支払い・実績報告を早く終えれば、入金も早まります。販売事業者が設置と初期の設定まで受け持つなら、検収の日も決めやすくなります。
手続きの段取りに迷う会社
賃上げで補助上限を引き上げた会社や、設置の工事が必要な大きい製品を入れる会社です。賃金の上昇を確かめるまで実績報告を出せないため、入金が後ろにずれます。給与を上げる月と、補助事業の完了期限の日の両方から逆算して日程を組みます。採択の後の制度ごとの違いは補助金の交付申請とは?で取り上げています。
間違えやすい点
採択の後に間違えやすいのは、支払いの方法と会社の形の変化です。
支払いは銀行振込だけで、現金での支払いは認められません。手形や相殺、ポイントでの値引きも、証憑の金額と支払った額が合わなくなるため使いません。証憑の残し方は実績報告で差し戻される証憑の不備で取り上げています。
交付申請から支払までに事業承継(法人成り・個人成りを含む)等で実施主体が変わる可能性がある場合は、必ず事前に事務局へ相談する。事前連絡なく変わると交付を受けられない可能性がある。個人事業主が補助事業の途中で法人にする予定があるときは、手続きを始める前に事務局へ連絡します。
よくある質問
実績報告を出したら補助事業は終わりですか?
実績報告を出した時点で補助事業の実施期間は終わります。その後に確定検査と入金があり、さらに効果報告の期間が続きます。
交付決定を受けた後に申請を取り下げられますか?
原則として取り下げられません。交付決定の内容や条件に不服がある場合だけ、通知を受けた日から10日以内に書面で申し出られます。
請求書より多い額を払ってしまったらどうしますか?
請求額と支払額が一致することを示すため、補助の対象外の費用の請求書も合わせて出します。
保険にはいつまで入っておく必要がありますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(2件)
- 中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)公募要領 p.14『3-1(3) 採択通知および交付決定』
- 中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)公募要領 p.6『1-5 事業スキーム』
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