調剤薬局システムに使える補助金|対象のソフトの数・価格帯と選び方
この記事の要点
調剤薬局システムは、デジタル化・AI導入補助金に登録されたソフトのうち、対象の登録番号を選べば補助の対象になります。登録は35シリーズ。価格帯の内訳、クラウド型の割合、自己負担の目安、選び方を、登録ソフトの数をもとに整理しました。
この記事の目次
調剤薬局システムは、デジタル化・AI導入補助金に登録されたソフトのうち、対象の登録番号(プラン)を選べば補助の対象になります。
調剤薬局向けの登録ソフトは35シリーズ(登録番号103件)で、扱うIT導入支援事業者は40社です。
価格の真ん中は70万円で、10万〜50万円のソフトが43%を占めます。真ん中の価格なら、自己負担は35万円が目安です。
調剤薬局でレセプトコンピュータの入れ替えを考えているが、どの登録ソフトが補助の対象で、いくらくらいの価格帯が多いのか分からない。登録ソフトの数と価格から選び方を知りたい方に向けた記事です。
デジタル化・AI導入補助金は、業務で使うITツールの導入費用の一部を補助する国の制度です。制度の全体は公募要領の台帳で確かめられます。
登録は35シリーズ、103の登録番号
デジタル化・AI導入補助金に登録された調剤薬局向けのソフトは、2026年10月時点で35シリーズ(登録番号103件)、扱うIT導入支援事業者は40社です。シリーズは、同じ製品のプラン違い・人数違いを1つにまとめた数です。
数の出典は「デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール検索(中小企業基盤整備機構・公式)」です。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 登録シリーズ | 35 |
| 登録番号 | 103 |
| 扱うIT導入支援事業者 | 40社 |
35シリーズは、すべて調剤薬局向けとして登録されています。登録ソフトは、次の2つのページから探せます。
- 登録ソフトの一覧
- 業種から探すなら業種固有プロセスの一覧
真ん中の価格は70万円
登録ソフトの価格は、一番安いもので2,800円、一番高いもので240万円と幅があります。真ん中は70万円で、下から4分の1は21.6万円、上から4分の1は150万円です。
| 価格帯 | シリーズ数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 1 | 3% |
| 10万〜50万円 | 15 | 43% |
| 50万〜150万円 | 10 | 29% |
| 150万円以上 | 9 | 26% |
割合は35シリーズに対するもので、四捨五入のため合計は100%になりません。予算から探すなら、一番多い10万〜50万円の帯が絞り込みの目安になり、個別の価格は登録ソフトの一覧で確かめられます。
クラウド型が71%、インボイス対応は49%
登録された35シリーズのうち、機能ごとの割合は次のとおりです。
| 機能 | 割合 |
|---|---|
| クラウド型 | 71% |
| インボイス対応 | 49% |
| AI機能 | 26% |
| 生成AI | 20% |
割合はいずれも35シリーズに対するものです。クラウド型は、利用料が補助の対象になる年数に上限があります。対象の年数は、公募要領の台帳の対象経費の行で確かめられます。
選ぶときは4つの基準で見る
登録ソフトを比べるときは、次の4点で見ると判断しやすくなります。
- 登録番号まで確かめる。登録番号は103件あり、対象かどうかは番号(プラン)ごとに決まります。シリーズ名だけでは判断できません。
- クラウドなら対象の年数を見る。クラウド型は71%あります。利用料を何年分まで補助に入れられるかは、申請前に公募要領で確かめます。
- 申請する枠を先に決める。インボイス対応のソフトは49%です。インボイス枠か通常枠かで補助率や補助上限が変わるため、枠を先に決めます。
- AI機能が必要かを決めてから探す。AI機能のあるソフトは26%、生成AIを使うものは20%です。業務の流れから必要な機能を決めて絞ります。
御社が入れ替えたい調剤薬局システムが補助の対象になるか、AIで3分ほどで確かめられます。
真ん中の価格なら自己負担は35万円が目安
通常枠の補助率は1/2以内です。真ん中の70万円のソフトで、全額が補助対象経費になる場合、補助は最大35万円で、御社の自己負担は35万円が目安です。
通常枠の補助額は、5万円~150万円未満(1プロセス以上)の区分と、150万円~450万円以下(4プロセス以上)の区分に分かれ、計算した35万円は前者の範囲に入ります。補助の対象になるのは登録された経費に限られ、対象外の費用は全額が自己負担です。申請の流れはデジタル化・AI導入補助金の申請手順で確かめられます。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.16『2-3 補助対象経費、補助率及び補助額』台帳で見る
薬局の業務ソフトを入れた例は2件
調剤薬局の採択事例のうち、レセプトや業務ソフトの導入に当たる例は2件です。件数が少ないため、近い業種の記事もあわせて確かめてください。
1レセプトと自動会計
手作業の会計をレセプトコンピュータと自動会計システムで自動化
有限会社本田医薬情報センター
成果レセプトコンピュータと自動会計システムの導入により、患者のデータを一元管理するシステムが構築できました。
2M&A型|全店で同じ業務ソフト
後継者のいない薬局を引き継ぎ、共通の業務ソフトで店の間の行き来と調剤を効率化
株式会社中村薬局(売上高:3億円~5億円)
成果店の間の人の行き来と調剤の作業が効率よくなりはじめました。
1件目は、ものづくり補助金(平成25年度。今のものづくり・新事業進出補助金の前身)で、レセプトコンピュータと自動会計システムを入れた例です。患者のデータを一元管理するシステムが構築できました。2件目は、事業承継・M&A補助金(令和2年度 第3次補正予算)で、全店に同じ業務ソフトを入れた例です。店の間の人の行き来と調剤の作業が効率よくなりはじめました。
医療・福祉の業務システムの例は医療・福祉が業務システム・ITに使える補助金でも取り上げています。
採択率は公募回で変わる
デジタル化補助金の採択率は、最新回(26年4次)で44.4%です。数字は公式の採択データの結果で、回ごとの推移は次のグラフのとおりです。
デジタル化・AI補助金の採択データ
デジタル化・AI導入補助金(通常枠。2025年まではIT導入補助金 通常枠)の26年4次の採択率は44.4%でした。採択事例では製造業が22%と最も多く、経費はソフトウェア購入費が81%の事例で使われています。
採択率の推移
採択の多い業種
よく使われた経費
採択事例 37件採択事例を見る ›
出典(1件)
採択されなかったときに理由を聞けるかは、補助金の不採択の理由は教えてもらえる?で取り上げています。
専門家から見たポイント
調剤薬局システムは、登録35シリーズから予算と業務の範囲で絞る進め方が基本です。公式の採択データでは、最新回の応募が1,836件、採択が816件でした。
予算の上限から絞りたい会社
価格帯は10万〜50万円が15シリーズで最も多く、150万円以上も9シリーズあります。予算の上限を先に決めると、比べる数を減らせます。
レセプトや会計まで一つにまとめたい会社
レセプトコンピュータと自動会計システムを入れて患者データを一元管理した例は、ものづくり補助金(平成25年度)にあります。業務全体の流れを先に決めると、登録ソフトの機能と合わせやすくなります。
複数店舗の業務をそろえたい会社
全店で同じ業務ソフトを使った例では、店の間の人の行き来と調剤の作業が効率よくなりはじめました。店舗ごとの業務を先に洗い出すと、そろえる範囲を決めやすくなります。
IT導入支援事業者の選び方は、次のページで確かめられます。
登録番号の選び方や、御社の計画がどの経費に当たるかは、専門家に無料で相談して確かめられます。
間違えやすい点
間違えやすいのは、登録の範囲と、契約や購入の時期です。
- 登録されていないソフトは対象外。IT導入支援事業者が登録したソフトだけが対象になります。
- 登録番号ごとに対象が決まる。同じシリーズでも、登録番号(プラン)によって対象かどうかが分かれます。
- 交付決定の前の購入は対象外。交付決定前に購入したITツールは対象になりません。契約や支払いは交付決定の後に行います。
- リースと中古は対象外。リース・レンタル契約のITツール(お助け隊サービスを除く)、中古品は補助の対象になりません。
- 事例は過去の公募回のもの。紹介した事例は平成25年度と令和2年度の採択で、補助率や補助額は今の公募要領で確かめます。
登録ソフトの探し方はデジタル化・AI導入補助金の登録ソフトを探すで確かめられます。
よくある質問
登録されていないソフトでも補助の対象になりますか?
なりません。補助の対象になるのは、IT導入支援事業者が登録したソフトだけです。登録ソフトは登録ソフトの一覧で探せます。
クラウドの利用料は何年分まで対象ですか?
通常枠の公募要領には「ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費」と書かれています。クラウド利用料は、最大2年分が補助の対象になる経費に入ります。
インボイス枠と通常枠は何が違いますか?
枠によって補助率と補助上限が変わります。インボイス枠の補助上限は、ソフトウェア購入費・導入関連費:下限なし~350万円(1機能のみは上限50万円、2機能以上は350万円)です。通常枠の補助額は、1プロセス以上と4プロセス以上で区分が分かれます。
ソフトの契約はいつ行えばよいですか?
契約や支払いは、交付決定の後に行います。交付決定の前に購入したものは補助の対象外です。
紹介された事例の使い方は、今も同じように使えますか?
紹介した事例は平成25年度と令和2年度の公募回です。補助率や補助額は公募回で変わるため、今の決まりはデジタル化・AI導入補助金の公募要領の台帳で確かめます。
公募の受付状況
デジタル化・AI導入補助金
- 公募回
- 6次締切分
- 締切
- この回の受付は終了しました
公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)
この補助金の採択事例
一覧へ同じ取り組みで、実際に採択された会社です。
原価計算の手間を省くため日報と会計をつなぎ、月次集計を1週間以上短縮
株式会社 一寸房✓ 経産省などの認定・選定
成果受注物件ごとの月次利益集計の期間が1週間以上短縮され、体感で約30%のコスト削減になった。
手計算の勤怠集計を見直し、給与計算までの作業時間を8割以上削減
花の舞酒造 株式会社✓ 経産省などの認定・選定
成果給与計算までの作業時間が8割以上減り、労務管理の担当者に新しい仕事を任せられるようになった。
記録の順番待ちと転記を、介護向けソフトとタブレットでなくす
有限会社鈴木在宅ケアサービス✓ 経産省などの認定・選定
成果パソコンの順番待ちと帳票への転記がなくなり、記録の時間と手間が大きく減りました。
VOICE
この補助金を使った人の声
熊本県の放課後等デイサービス従業員13名できるだけ子どもと接する時間を多く作りたいと思っています。一方で、どうしても事務作業は付いて回ってしまいます。支援記録をつけたり保護者への請求書を作成したりしますが、とても手間がかかります。
京都府の電気工事会社従業員8名この業界は非常に閉じた世界ですから、経営者同士の横の繋がりも非常に重要です。社会的に人手不足と言われていますが、この業界も本当に人手不足。案件によっては人手が足りないこともありますから。
大阪府の金属部品の熱処理・塗装会社従業員71名入力作業のような人手はできるだけ減らしていき、人の力は、出てきたデータを分析し、判断して手を打つところに活用していきたいと考えています。
出典:国・省庁などの公開情報をもとに当社が加工
中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。
まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。
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