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トップ/補助金/ソフトウェア・IT企業の補助金|自社開発・SaaS・受託の対象の違い
補助金

ソフトウェア・IT企業の補助金|自社開発・SaaS・受託の対象の違い

公開 2026/10/18専門家監修

この記事の要点

IT企業が自社のSaaSや新サービスを開発する費用は、新事業進出・ものづくり補助金で外部への委託やクラウド費として計上できます。受託開発や自社の人件費が対象外になる理由、社内の業務ソフトや大きな投資に合う補助金を公募要領で整理しました。

この記事の目次
  1. 新事業進出・ものづくり補助金とは?
  2. 自社のSaaS開発に使える経費は?
  3. 受託開発や販売用ソフトは対象になる?
  4. 社内の業務に使うソフトはどの補助金?
  5. 大きな開発投資に使える補助金は?
  6. 専門家から見たIT企業の補助金のポイント
  7. 間違えやすい点
  8. よくある質問
結論

IT企業が自社のSaaSや新しいサービスを開発する費用は、新事業進出・ものづくり補助金で、外部への開発の委託やクラウドの費用として計上できます。自社のエンジニアの人件費と、お客さまから受けた受託開発の費用は対象外です。

社内の案件管理や工数管理のソフトはデジタル化・AI導入補助金、販路を広げる取り組みは持続化補助金と、目的で使い分けます。

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ソフトウェアの開発会社やSaaSの会社、システムの受託開発をしている会社が、どの補助金を何に使えるかを知りたい方に向けた記事です。

新事業進出・ものづくり補助金、デジタル化・AI導入補助金、成長加速化補助金、持続化補助金の公募要領から、自社開発・SaaS・受託の違いに関係する所を整理します。

新事業進出・ものづくり補助金とは?

新事業進出・ものづくり補助金は、中小企業が新しい製品やサービスを開発したり、新しい事業に進出したりする設備投資を、国が補助する制度です。IT企業では、新しいサービスを動かすシステムの開発が主な使い道になります。

革新的新製品・サービス枠の考え方は「革新的な新製品・新サービス開発とは、顧客等に新たな価値を提供することを目的に、自社の技術力等を活かして新製品・新サービスを開発すること」です1。中小企業に当たるかの基準は、ソフトウェア業と情報処理サービス業だけ別に定められ、「中小企業者の基準(続き):ゴム製品製造業(一部除く)3億円/900人、ソフトウェア業・情報処理サービス業3億円/300人、旅館業5,000万円/200人、その他の業種3億円/300人」とされています。制度の全体は新事業進出・ものづくり補助金とはで取り上げています。

自社のSaaS開発に使える経費は?

自社のサービスとして提供するシステムを作る場合、開発の費用は「機械装置・システム構築費」、動かすサーバーの費用は「クラウドサービス利用費」に入ります。

費用 経費の区分と扱い
開発会社への委託・パッケージの購入 機械装置・システム構築費:機械装置・システム構築費:専ら補助事業に使用する機械装置・工具器具、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用等
サーバー・クラウドの利用料 クラウドサービス利用費:専ら補助事業のために使用するもの。サーバー購入費、PC・タブレット等の本体費用は対象外
検査・設計などの一部の外注 (検査・加工・設計等に係る)外注費:上限は補助対象経費総額(税抜き)の1/4
サービスの広告・PRサイト 広告宣伝・販売促進費は、補助事業の製品・サービスの広告(パンフレット・動画・写真等)の作成と媒体掲載、PR用ウェブサイトの構築、展示会出展、ブランディング・プロモーションの経費
自社のエンジニアの人件費 対象外

出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.27『1-6-1. 補助対象経費の区分』台帳で見る

開発の大半を外部に任せ、自社は企画だけを行う形にすると、事業そのものが対象外になることがあります。設計や中心の機能は自社で持ち、一部を外部に頼む分担にします。経費の区分のくわしい条件は新事業進出・ものづくり補助金の対象経費一覧で取り上げています。

受託開発や販売用ソフトは対象になる?

お客さまから受けた受託開発の費用は、補助金の対象になりません。補助金は自社の事業のために使う設備やシステムを支えるもので、お客さまに納めるシステムはその外にあります。新事業進出・ものづくり補助金は、対象外の事業として「①補助事業の主たる内容そのものを外注・委託する事業や、実施の大半を外注・委託して企画だけを行う事業は対象外」を挙げています2。

ソフトそのものを売る目的の開発も、補助金によって扱いが分かれます。成長加速化補助金は「自社の他事業と共有する場合、パソコン・タブレット・スマートフォン本体、販売目的のソフトウェア構築は対象外」としており、持続化補助金も販売を目的にしたシステムやソフトの開発を対象外の例に挙げています。補助金の対象外になる事業の例は補助金の対象外になる事業とは?で取り上げています。

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社内の業務に使うソフトはどの補助金?

案件や工数の管理など、自社の業務を効率化するソフトは、デジタル化・AI導入補助金が合います。情報サービス業向けのプロセスとして、公募要領は「情報サービス業(情P-06):案件・契約・予算管理、工程・進捗・プロジェクト管理、工数管理、制作ツール、マーケットプレイス・ビジネスマッチングプラットフォーム等」を挙げています3。

この補助金で入れられるのは、IT導入支援事業者が登録した完成品のツールです。IT企業が自社のツールを登録して売る側に回る場合は注意が要り、公募要領は「デジタル化・AI導入補助金2026のIT導入支援事業者(構成員を含む)に登録している・登録しようとする事業者は、補助事業者(複数者連携枠はグループ構成員)になれない。代表者・役員も他の事業者として申請できない(昨年度以前の登録はこの限りでない)」としています。通常枠の条件はデジタル化・AI導入補助金の通常枠で取り上げています。

大きな開発投資に使える補助金は?

売上を大きく伸ばす計画で、ソフトに大きな投資をする会社は、成長加速化補助金も選べます。この補助金のよくある質問は、ソフトだけの導入について「Q:システム・ソフトウェアだけの導入は対象か → A:投資額1億円(税抜き)等の要件を満たせば対象。その場合、耐用年数省令の「ソフトウェア」に当たる経費で1億円を上回る必要がある。」と答えています(成長加速化補助金 3次 よくあるご質問 p.21『Q58』)。

自社で使うソフトであることが条件で、外部への開発の委託や購入の費用が対象です。成長加速化補助金の要件と対象経費は中小企業成長加速化補助金の要件・対象経費で取り上げています。

専門家から見たIT企業の補助金のポイント

IT企業は、開発の多くを社員の手で行うため、補助の対象になる費用が思ったより小さくなりがちです。採択事例545件のうち情報通信業の事例は10件で、持続化補助金の事例が9件、新事業進出・ものづくり補助金の事例が1件でした。

新事業進出・ものづくり補助金が向いている会社

受託開発の売上が中心で、自社のSaaSなど新しいサービスを始めたい会社です。外部に頼む開発やクラウドの費用が大きく、新しいお客さまと売上の見込みを計画に書ける場合に合います。

持続化補助金と迷う会社

従業員が少なく、開発より営業や認知を広げることが課題の会社です。サービスの紹介サイトや展示会への出展、広告に使うなら、持続化補助金の方が計画を立てやすくなります。IT企業が持続化補助金を使った例はIT・通信企業の持続化補助金で取り上げています。

間違えやすい点

IT企業の申請で間違えやすいのは、開発費の根拠の示し方と、外部への頼み方です。

注意

新事業進出・ものづくり補助金では「100万円(税抜き)以上のシステム構築費を計上する場合は、実績報告時に要件定義書(費用見積書を含む)又は開発費用算出資料を提出する」とされています。見積の段階から、機能ごとの工数と単価が分かる形にしておきます。

注意

開発を頼む会社は、外注費と専門家の費用で分けても同じ相手にはできず、「技術導入費、外注費、専門家経費の支出先に同一の事業者(みなし同一事業者を含む)を含めることはできない」とされています。グループ会社に開発を頼む場合も注意が要ります。

採択された後の交付申請と実績報告の流れは新事業進出・ものづくり補助金の採択後で取り上げています。

よくある質問

自社のエンジニアの人件費は補助金の対象になりますか?

新事業進出・ものづくり補助金や成長加速化補助金では、自社の人件費は対象外です。外部への委託や購入の費用、クラウドの費用を計上します。

受託開発で使うパソコンは対象ですか?

パソコンやタブレットは、どの主な補助金でも汎用品として対象外です。

SaaSのサーバー代は何か月分が対象ですか?

新事業進出・ものづくり補助金のクラウドサービス利用費は、補助事業の期間の分だけが対象です。期間を超える分は按分して外します。

小さなIT企業でも持続化補助金は使えますか?

従業員の数が小規模事業者の基準に入れば使えます。販路を広げる取り組みが対象で、受託の案件そのものの費用は対象になりません。

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出典(3件)
  1. 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.6『1-2-1. 革新的新製品・サービス枠』
  2. 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.25『1-5. 補助対象外となる事業』
  3. デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.38『別紙2:業種・プロセス一覧』

参考資料

  • 中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領」
  • 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版)」
  • 中小企業基盤整備機構「中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領」
  • 中小企業基盤整備機構「成長加速化補助金 3次 よくあるご質問」
  • 全国商工会議所「持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)」
  • 公募要領の台帳(新事業進出・ものづくり補助金)
  • 公募要領の台帳(デジタル化・AI導入補助金)
  • 公募要領の台帳(成長加速化補助金)
  • 公募要領の台帳(持続化補助金)

確認日:2026年10月17日

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目次

  1. 新事業進出・ものづくり補助金とは?
  2. 自社のSaaS開発に使える経費は?
  3. 受託開発や販売用ソフトは対象になる?
  4. 社内の業務に使うソフトはどの補助金?
  5. 大きな開発投資に使える補助金は?
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