省力化投資補助金の製造事業者登録とは?製品登録の条件と手順

この記事の要点

省力化投資補助金の製造事業者には、メーカーだけでなく外国メーカーの日本総代理店も含まれます。公式の登録要領をもとに、製造事業者として登録する手順と必要な書類、製品登録へ進む流れと注意点を整理しました。

この記事の目次
  1. 省力化投資補助金の製造事業者登録とは?
  2. 製造事業者として登録できる会社の範囲
  3. 製品登録は工業会の審査から始まる
  4. 製品を登録する単位と付属品の扱い
  5. 登録で外れやすい製品の3つの型
  6. 登録の期限と登録したあとに続く責任
  7. 1つの登録製品は何業種の現場に入った?
  8. 間違えやすい点
  9. 専門家から見た製造事業者のポイント
  10. よくある質問
結論

製造事業者登録とは、省力化製品を作るメーカーや国内の総代理店が、自社と製品を省力化投資補助金のカタログ注文型の対象として登録する手続きです。申請は製品カテゴリごとに決められた工業会に出し、工業会と事務局の審査、中小企業庁の承認を経て登録されます。

工業会の会員でなくても登録できますが、すでに承認された製品カテゴリに当たる製品であることが条件で、ソフトウェアだけの製品や開発途中の製品は登録できません。

自社で作る機械や、海外メーカーから独占で仕入れている製品を、省力化投資補助金のカタログに載せたいメーカーや総代理店の担当者に向けた記事です。

中小企業省力化投資補助金(以下、省力化投資補助金)で製造事業者に当たる会社の範囲、製品登録の流れと単位、登録で外れやすい製品、登録したあとに続く責任を、公募要領と事務局のよくある質問で確かめます。

省力化投資補助金の製造事業者登録とは?

製造事業者登録は、省力化製品を作るメーカーや国内の総代理店が、自社と製品を省力化投資補助金のカタログ注文型の対象として登録する手続きです。登録された製品だけがカタログに載り、中小企業は販売事業者を通じてその製品を補助金で買えます。

販売事業者の登録はカタログ登録の流れで取り上げています。

御社がこの補助金の対象になるかは、会社のURLを入れるだけでAIが確かめます。

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製造事業者として登録できる会社の範囲

製造事業者として登録できるのは、製品を作る会社だけでなく、外国の製造会社が出資した日本法人と、日本国内の独占販売権を持つ総代理店も含みます。公募要領では「製造事業者:省力化製品を製造する事業者、製造する外国会社が出資して設立した日本法人、または国内の総代理店(日本国内の独占販売権を持つ事業者)」と定めています1。

個人事業主は、物を作っていても製造事業者になれません。事務局のよくある質問も、個人事業主は要件を満たさないため登録できないと答えていて、法人であることが前提です。

海外製品を扱う商社は、国内の独占販売権があれば総代理店として製造事業者になれますが、複数の商社が同じ製品を並行して輸入している場合は総代理店に当たりません。製品を売る側の登録は販売事業者のカタログ登録の流れで別に説明しています。

製品登録は工業会の審査から始まる

製品の登録は、製品カテゴリを担当する工業会に審査書類を出すところから始まり、承認されたあとにカタログへの掲載と販売事業者の登録が続きます。

順番 やること 決まり
① カテゴリを確かめる 自社製品が当たる製品カテゴリが承認済みかを公式サイトで見る 製品カテゴリ:特定の業務に使われ類似の効能を持つ製品の分類。工業会等の登録申請を受け中小企業庁が業所管省庁等と協議して認定し、カテゴリごとに省力化指数が策定される
② 審査書類を出す 製品審査申請書を担当の工業会に送る 製品審査申請書は1申請につき1ファイルで、担当の工業会のメールアドレスに送る。納品実績には国内の販売実績だけを入れる
③ 承認を受ける 工業会と事務局の審査、中小企業庁の承認 承認されると製品と製造事業者が登録される
④ カタログに載せる カタログ申請をして、販売事業者の登録を待つ カテゴリ登録・製品登録・カタログ申請・販売事業者の登録を経て掲載され、新しい登録はホームページで公表される

出典:省力化投資補助金 カタログ注文型 よくあるご質問 p.2『製品登録 2~10』台帳で見る

カテゴリがまだ無い製品は、工業会がカテゴリを申請して承認されるまで登録できません。カタログに載った製品を中小企業がどう申請するかはカタログ注文型と一般型の違いで説明しています。

省力化補助金の採択データ

中小企業省力化投資補助金(一般型)の第6回の採択率は63.9%でした。採択事例では製造業が39%と最も多く、経費はカタログ掲載の省力化製品が57%の事例で使われています。

採択率の推移

第6回63.9%
直近5回の平均64.5%

採択事例 28件採択事例を見る ›

出典(1件)
  1. 中小企業庁「採択結果」・ミラサポplus(第2回〜第6回)
採択率は採択数÷応募数で計算しています。業種・経費は、国・省庁などが公開している採択事例28件を数えた割合です(1つの事例で複数使うため、合計は100%を超えることがあります)。

製品を登録する単位と付属品の扱い

製品は原則として型番ごとに登録し、省力化の効果と本体価格が同じなら、型番違いを1つの製品にまとめられます。組み合わせて動く製品は、効果を出すのに要る最低限の構成をまとめて登録し、効果に関係しない部品を含めると対象外になります。

  • 付属品の数が顧客で違う製品:納品の実績に合わせて、本体と付属品の数を変えた複数の構成で登録でき、付属品は製品本体価格に含めます。
  • 同じカテゴリの2つ目の製品:申請書には本体の型番を書きます。登録済みの製造事業者が同じカテゴリで別の製品を登録するときは、製造事業者の登録をやり直す必要はありません。
  • 工業会の会員でない会社:工業会の会員でなくても登録できますが、登録済みのカテゴリに当たる製品で、カテゴリの業種の範囲だけです。要件を満たせば、同じ製品を複数のカテゴリに登録できます。

付属品の構成をいくつも登録しておくと、顧客は必要な数に近い構成を選べて、足りない分だけ自費で足せます。登録した製品を中小企業が買うときの条件はカタログ製品が補助の対象になる条件で取り上げています(省力化投資補助金 カタログ注文型 よくあるご質問 p.3『製品登録 15』)。

登録で外れやすい製品の3つの型

登録で外れやすいのは、ソフトウェアだけで動く製品、開発や組み立てが残っている製品、置き換えの機能を選んでいない製品の3つです。

  • ソフトウェアだけの製品:ソフトウェアだけの製品は対象外で、機械と一体で使うソフトウェアを合わせて登録します。作り手が違う場合も、両方の保守の窓口を示し、保証もソフトウェアを含めて出します。
  • 未完成の製品:中小企業が組み立てや開発をしないと完成しない製品は対象外です。
  • 置き換えの機能を設定していない製品:工業会が決めた「置き換えが可能となる省力化機能・性能」を持つ製品は、当てはまる機能を選んで申請します。

置き換えの機能とは、顧客が古い機械を買い替えるときに、新しく加わる機能として認められる機能のことです。この設定が無いと、すでに同じカテゴリの機械を持つ顧客が申請しにくくなります。介護の分野は「介護業向けの製品カテゴリは、中小企業庁が業所管省庁と協議して必要性が認められるものに限る。介護報酬が支払われる介護事業でしか使われない製品カテゴリは開設しない」とされています2。買い替えの具体例は券売機の買い替えと置き換えの条件で取り上げています。

登録の期限と登録したあとに続く責任

登録の受付には期限があり、登録したあとも価格と保守の責任が続きます。期限は公募要領で「カタログへの登録期限の記載なし(改訂No.12で「公募受付期間終了の半年前程度まで随時」の記載が削除された。登録有効期間は令和9年9月末まで)」とされています。

登録した本体価格は、顧客が申請できる額の上限になります。「製品本体価格:製品毎に事前登録されている額を上限に申請。購入に係る製品本体価格は、一部カテゴリの製品を除き単価50万円以上」と決まっているため、登録価格を実際の売値より高くつけると、事務局の確認で問題になります。応募・交付申請の手引きは、価格を引き上げて登録する行為を「製品を通常価格より特別に引き上げた価格で登録して補助金を受ける行為や、販売事業者・第三者から資金を受けて関係者間で還流させ、通常の商取引を装う行為も、公表・立入調査・取消等の対象。」と書いています3。

保守の窓口は、機械とソフトウェアの両方について製造事業者が用意します。販売店と組んで売る場合の役割分担は販売事業者のカタログ登録の流れと合わせて決めておきます。

1つの登録製品は何業種の現場に入った?

カタログに載った製品は、カテゴリに登録された業種であれば、業種の違う会社にそのまま売れます。採択事例では、スチームコンベクションオーブンという1つのカテゴリの製品が、カフェ、土産物店の食事所、和菓子店、リゾートホテルの4つの現場で使われています。

買った会社 オーブンに任せた作業 成果
千葉県のカフェ(従業員3人) 食事メニューのハンバーグの焼き 1回の調理数が2〜3個から20個に(事例ページ)
福島県の土産物店の食事所 名物のわっぱ飯の大量調理 調理が1人60分から1人15分に(事例ページ)
福島県の和菓子店(従業員3人) マカロンの焼成 焼成が1人2時間から1時間に(事例ページ)
兵庫県の温泉型リゾートホテル 焼き魚や茶わん蒸しの大量調理 調理従事者が2人から1人に(事例ページ)

4件の申請は、どれも1回に作れる量や調理の人数を導入前と後で比べる形でまとめられています。メーカーが製品ページに使い方の場面を業種ごとに書いておくと、販売店も買う会社も効果を説明しやすくなります。

間違えやすい点

製造事業者が間違えやすいのは、直販の手続き、自社への導入、海外製品の扱いの3つです。

  1. 製品を登録しただけでは、顧客と共同で申請できません。自社で直接売るなら、販売事業者としての登録も別に済ませます。

  2. 製造事業者が、自社で登録した製品と同じカテゴリの製品を自社の工場に補助金で入れることはできません。

  3. 海外メーカーの製品は、日本法人か、国内の独占販売権を持つ総代理店でなければ登録できません。並行輸入の商社は製造事業者に当たりません。

販売店として登録するときの条件は販売事業者のカタログ登録の流れで確かめられます。

どこで評価が分かれるかは、事業の中身によって変わります。御社の計画でどう書けばよいかは、専門家に無料で相談して確かめられます。

専門家に無料で相談する

申請の流れは、資料で先につかめます。

専門家から見た製造事業者のポイント

カタログに載せる価値があるのは、同じ構成の製品を複数の業種の中小企業に売れるメーカーです。省力化投資補助金の採択事例を業種で見ると、製造業が39.3%、宿泊業・飲食サービス業が17.9%で、ほかに卸売・小売や運輸、建設の事例もあり、買う側の業種は幅広くなっています。

中小企業が申請できるのは、製品カテゴリに登録された業種の会社だけです。カテゴリの業種は、産業分類の大分類か中分類くらいの区切りで1つ以上決められるため、売りたい業種がカテゴリに入っているかを登録の前に確かめます。

登録で販路が広がるメーカー

据え付ければすぐに動く汎用の機械を、全国の販売店を通じて売っているメーカーです。カタログの製品ページから販売店に問い合わせが来るので、販売店の数が多いほど登録の効果が出ます。

登録より一般型での提案が合うメーカー

顧客ごとに設計を変える専用機や、ロボットと周辺装置を組み合わせて納める会社です。こうした製品は型番で登録しにくく、顧客が一般型でオーダーメイドの設備として申請するほうが計画に合います。

販売店の立場で必要な登録は販売事業者のカタログ登録の流れで取り上げています。

よくある質問

工業会に入っていなくても製品を登録できますか?

できます。ただし承認された製品カテゴリに当たる製品だけで、カテゴリに決められた業種以外では登録できません。

1つの製品を複数のカテゴリに登録できますか?

できます。カテゴリごとの要件を満たせば、同じ製品を複数のカテゴリで登録できます。

型番の違う製品はまとめて登録できますか?

省力化の効果と本体価格が同じなら、1つの製品にまとめられます。どちらかが違えば、型番ごとに登録します。

納品実績には海外の実績も入れられますか?

入れられません。製品登録の納品実績は、国内の販売実績だけを書きます。

ほかの「よくある質問」を見る

メーカーの立場に限らない疑問は補助金のよくある質問にまとめています。

ほかの質問も見る省力化投資補助金のよくある質問
出典(3件)
  1. 省力化投資補助金 カタログ注文型 公募要領 p.3『1-2 定義(4)』
  2. 省力化投資補助金 カタログ注文型 公募要領 p.3『1-2 定義(2)(注)』
  3. 省力化投資補助金 カタログ注文型 応募・交付申請の手引き p.2『1.はじめに 申請における留意点』

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締切
2026年12月下旬(予定)

公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)

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申請枠:一般型

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VOICE

この補助金を使った人の声

出典:国・省庁などの公開情報をもとに当社が加工

中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

この記事の更新履歴
  • 最新の公募要領と照らして、数字や制度名を直しました
  • 本文の誤りを直しました

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