会計ソフトに使える補助金|対象のソフトの数・価格帯と選び方
この記事の要点
会計ソフトは、デジタル化・AI導入補助金に登録されたソフトなら補助の対象です。通常枠とインボイス枠の補助率の違い、登録ソフトの価格帯と選ぶ基準、対象外の経費を、公募要領と登録ソフトの一覧をもとに整理しました。
この記事の目次
会計ソフトに使える補助金は、デジタル化・AI導入補助金で、IT導入支援事業者が登録したソフトなら対象です。
通常枠の補助率は1/2ですが、会計ソフトが対象になるインボイス枠は通常枠より補助率が高く、会計の1機能だけなら補助上限は50万円です。
登録された会計ソフトは334シリーズ(登録番号2,345件)あり、真ん中の価格は40万円です。
会計ソフトを入れ替えたいが、気になるソフトが対象なのか、通常枠とインボイス枠のどちらで申請するのかが分からない。会計ソフトの補助金の使い方を知りたい方に向けた記事です。
デジタル化・AI導入補助金は、IT導入支援事業者が登録したITツールを導入する費用を補助する国の制度です。公募要領の内容は公募要領の台帳で確かめられます。
登録は334シリーズ
デジタル化・AI導入補助金に登録された会計ソフトは、2026年10月時点で334シリーズあり、登録番号は2,345件です。扱うIT導入支援事業者は726社です(デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール検索(中小企業基盤整備機構・公式))。
1つのシリーズに複数の登録番号があるため、購入するプランが登録されているかを確かめる必要があります。登録されたソフトは会計・財務・経営の一覧で探せます。
中小企業が登録ソフトを選べば対象
会計ソフトは、中小企業・小規模事業者等が登録ソフトを導入するときに対象になります。御社が当てはまるかは、次の4点で確かめます。
| 確かめること | 公募要領の決まり |
|---|---|
| 中小企業等の定義 | 中小企業等の定義(例:製造業等 資本金3億円以下又は従業員300人以下、小売業 5千万円以下又は50人以下 等) |
| 小規模事業者の定義 | 商業・サービス業 5人以下、宿泊業・娯楽業 20人以下、製造業その他 20人以下 |
| 購入する時期 | 交付決定より前に購入していないこと |
| ソフトの登録 | 購入するプランが登録されていること |
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.5『2-1-1(1) 中小企業・小規模事業者等の定義』台帳で見る
デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.6『2-1-1(1) 小規模事業者の定義』台帳で見る
制度全体の条件は公募要領の台帳にまとめています。御社が使っている会計ソフトが登録済みで、通常枠とインボイス枠のどちらの対象になるかは、AIで3分ほどで確かめられます。
真ん中の価格は40万円
登録された会計ソフトの価格は、一番安いもので1,680円、一番高いもので1,802.3万円と幅があります。下から4分の1は8.6万円、真ん中は40万円、上から4分の1は138万円です。
| 価格帯 | シリーズ数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 87件 | 26% |
| 10万〜50万円 | 91件 | 27% |
| 50万〜150万円 | 76件 | 23% |
| 150万円以上 | 80件 | 24% |
割合は、登録された会計ソフト334シリーズに対するものです。10万〜150万円の帯に、登録の半数(167件)が入ります。価格や機能で候補を比べるときは、登録ソフトを探すページが使えます。
クラウド型が82%
登録された会計ソフトのうち、クラウド型は82%、インボイスに対応したものは83%です。AI機能を備えたものは48%、生成AIを使うものは21%です。
採択事例では、会計をWebに移して拠点の経理をまとめた例があります。
1拠点をまたぐ会計のWeb化
M&Aで増えた離れた拠点の会計を、Web会計ソフトでひとつにまとめる
株式会社FLEGRE
成果拠点が離れていても会計を管理できるようになり、決算や年末調整の負担が大きく減りました。
この事例では、離れた拠点の経理をひとつにまとめ、決算や年末調整の負担が大きく減りました。クラウド型を選ぶと、拠点が増えても会計を同じ画面で扱いやすくなります。
選ぶ基準は4つ
会計ソフトは、次の4つの基準で見ると、登録の一覧から候補を絞りやすくなります。
- 対象になる経費を確かめる。対象になる経費は、ソフトウェア購入費、クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)、導入関連費です。
- インボイス対応か。取引先への請求書や受け取る書類の形式を、新しい決まりに合わせられるかを見ます。
- AI機能の有無。自社の作業で使うかを先に決め、使うなら登録の一覧で機能の有無を確かめます。
- 自社の業種に合うか。業種を問わないソフトが中心ですが、業種向けのソフトもあります。
採択事例では、予約の取り込みと会計入力をつなげた例と、会計ソフトでデータを一元化した例があります。
1予約と会計入力の連携
手作業の多い旅館が宿泊業向けクラウドで予約を自動取込、会計入力も不要に
株式会社 ホテル小柳✓ 経産省などの認定・選定
成果ネットの予約が自動で取り込まれ、部屋割りや調理予定の計算、売掛金の会計入力の手作業が大きく減った。
2低感染リスク型ビジネス枠|経理データの一元化
Excel集計に追われた経理を会計ソフトで一元化し、月3日ほど減らす
株式会社双葉建機
成果複数のExcelを集計する下準備がなくなり、体感で月3日ほどかかっていた作業が減りました。
予約サイトの注文を自動で取り込んだ例では、部屋割りや調理予定の計算、売掛金の会計入力の手作業が大きく減りました。2021年度の公募回の例では、複数のExcelを集計する下準備がなくなり、体感で月3日ほどかかっていた作業が減りました。データのつながりを基準にすると、候補を絞りやすくなります。ソフトの導入を手伝う事業者はIT導入支援事業者の探し方で探せます。
業種向けは全業種が74%
登録された会計ソフトのうち、業種を問わず使えるものは334シリーズ中246件で、74%です。業種を限った登録の内訳は次のとおりです。
| 対象の業種 | シリーズ数 | 割合 |
|---|---|---|
| 全業種 | 246件 | 74% |
| 建設業 | 18件 | 5% |
| その他の業種 | 17件 | 5% |
| 士業 | 17件 | 5% |
| 介護・福祉 | 14件 | 4% |
| 教育・学習塾 | 11件 | 3% |
業種向けのソフトを選ぶ場合は、登録ソフトを探すページで業種を確かめます。
インボイス枠は補助率が高い
会計ソフトは、通常枠とインボイス枠のどちらでも申請を検討できます。インボイス枠のソフトウェアは、大分類Ⅰ ソフトウェア(インボイス対応、会計・受発注・決済を1種類以上)。サブスクは最大2年分が対象です。
| 枠 | 補助率 | 補助上限 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2以内 | 5万円~150万円未満(1プロセス以上) |
| インボイス枠 | 補助額50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内 | 「会計」「受発注」「決済」の機能を1つのみ有する場合、補助上限額は50万円 |
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.16『2-3 補助対象経費、補助率及び補助額』台帳で見る
デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型)公募要領(改訂版) p.15『2-3【補足3】』台帳で見る
通常枠の補助率は1/2で、インボイス枠の方が補助率は高くなります。ただし、インボイス枠は会計・受発注・決済の機能を1つだけ入れる場合に上限が下がるため、入れる機能の数で枠を選びます。枠ごとの条件は公募要領の台帳で確かめられます。
採択率は公募回で変わる
デジタル化補助金の採択率は、最新回(26年4次)で44.4%です。回ごとの推移は、次のグラフのとおりです。
デジタル化・AI補助金の採択データ
デジタル化・AI導入補助金(通常枠。2025年まではIT導入補助金 通常枠)の26年4次の採択率は44.4%でした。採択事例では製造業が22%と最も多く、経費はソフトウェア購入費が81%の事例で使われています。
採択率の推移
採択の多い業種
よく使われた経費
採択事例 37件採択事例を見る ›
出典(1件)
採択されなかったときに理由を聞けるかは、補助金の不採択の理由は教えてもらえる?で取り上げています。
専門家から見たポイント
会計ソフトは、通常枠より補助率が高いインボイス枠を先に検討すると、自己負担を抑えやすくなります。採択事例では、デジタル化・AI導入の事例が37件あり、公式の採択データの最新回では、応募1,836件に対して816件が採択されています。
登録の一覧から候補を絞るときは、登録ソフトを探すページが使えます。
価格の低い層から見る会社
真ん中の価格は40万円ですが、10万円未満の登録も26%あります。まずは価格帯の低い層から候補を見ると、比べる数を減らせます。
取引先とのやり取りを整えたい会社
登録されたソフトの83%がインボイスに対応しています。請求書や受け取る書類の形式を整えたい会社は、インボイス枠の補助率を先に確かめると、枠の選び間違いを防げます。
予約や受発注をつなげたい会社
採択事例では、予約データの取り込みと会計入力を自動でつないだ例があり、手作業が大きく減りました。データ連携を重視する会社は、この例を読むと計画の書き方がつかめます。
御社の計画で、どの経費がどの枠の対象になるかは、専門家に無料で相談できます。
間違えやすい点
間違えやすいのは、登録の範囲、枠による上限の違い、支払いの順番です。
- 登録されたソフトだけが対象。IT導入支援事業者が登録したソフトだけが、補助の対象になります。
- プランごとに対象が決まる。登録番号は2,345件あり、同じシリーズでもプランによって登録番号が分かれます。
- 機能が1つだけだと上限が下がる。インボイス枠では、会計の1機能だけを入れると補助上限が低くなります。
- 交付決定の前の購入は対象外。対象外になるのは交付決定前に購入したITツールです。
- リースと中古は対象外。対象外になるのはリース・レンタル契約のITツール(お助け隊サービスを除く)、中古品です。
採択後の手続きの流れはデジタル化・AI導入補助金の申請手順でまとめています。
よくある質問
会計ソフトを買えば、補助金が使えますか?
いいえ。IT導入支援事業者が登録したソフトだけが対象です。登録の一覧は会計・財務・経営の一覧で確かめられます。
通常枠とインボイス枠のどちらで申請しますか?
会計ソフトはどちらの枠でも検討でき、インボイス枠の方が補助率は高くなります。枠ごとに条件が異なるため、公募要領の台帳で確かめます。
同じシリーズのなかで、プランによって対象は違いますか?
違うことがあります。対象は登録番号ごとに決まるため、購入するプランの登録番号を確かめます。
ソフトを先に買ってから申請できますか?
いいえ。交付決定より前に購入したITツールは対象外です。手続きの順番はデジタル化・AI導入補助金の申請手順で確かめられます。
クラウド利用料は、どこまで補助の対象になりますか?
クラウド利用費は、公募要領で対象の期間が決まっています。範囲の考え方はソフトウェア・クラウド利用料は補助金でどこまで出る?でも取り上げています。
公募の受付状況
デジタル化・AI導入補助金
- 公募回
- 6次締切分
- 締切
- この回の受付は終了しました
公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)
この補助金の採択事例
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花の舞酒造 株式会社✓ 経産省などの認定・選定
成果給与計算までの作業時間が8割以上減り、労務管理の担当者に新しい仕事を任せられるようになった。
原価計算の手間を省くため日報と会計をつなぎ、月次集計を1週間以上短縮
株式会社 一寸房✓ 経産省などの認定・選定
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記録の順番待ちと転記を、介護向けソフトとタブレットでなくす
有限会社鈴木在宅ケアサービス✓ 経産省などの認定・選定
成果パソコンの順番待ちと帳票への転記がなくなり、記録の時間と手間が大きく減りました。
VOICE
この補助金を使った人の声
大阪府の金属部品の熱処理・塗装会社従業員71名入力作業のような人手はできるだけ減らしていき、人の力は、出てきたデータを分析し、判断して手を打つところに活用していきたいと考えています。
熊本県の放課後等デイサービス従業員13名できるだけ子どもと接する時間を多く作りたいと思っています。一方で、どうしても事務作業は付いて回ってしまいます。支援記録をつけたり保護者への請求書を作成したりしますが、とても手間がかかります。
京都府の電気工事会社従業員8名この業界は非常に閉じた世界ですから、経営者同士の横の繋がりも非常に重要です。社会的に人手不足と言われていますが、この業界も本当に人手不足。案件によっては人手が足りないこともありますから。
出典:国・省庁などの公開情報をもとに当社が加工
中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。
まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。
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