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トップ/補助金/後継者がいない会社と補助金|事業承継の課題を持つ会社の採択事例
補助金

後継者がいない会社と補助金|事業承継の課題を持つ会社の採択事例

公開 2026/10/18専門家監修

この記事の要点

後継者の問題を抱える会社が使う補助金は、継ぐ人が決まっているかで変わります。事業承継促進枠・専門家活用枠・廃業・再チャレンジ枠の選び分け、持続化と省力化の承継の加点、採択事例の会社が抱えていた承継の悩みを整理しました。

この記事の目次
  1. 後継者の有無で使える補助金は変わる?
  2. 事業承継・M&A補助金とは?
  3. 採択事例の会社が抱えていた承継の悩み
  4. 後継者が決まっている会社の使い方
  5. 後継者がいない会社が取れる3つの道
  6. 持続化・省力化で取れる承継の加点は?
  7. 専門家から見た後継者問題と補助金のポイント
  8. 間違えやすい点
  9. よくある質問
結論

後継者の問題を抱える会社が使う補助金は、継ぐ人が決まっているかで変わり、親族や従業員が継ぐなら事業承継・M&A補助金の事業承継促進枠、継ぐ人がいなければ第三者へのM&Aを補助する専門家活用枠が中心です。

持続化補助金と省力化投資補助金にも、事業承継の加点があります。

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後継者がいない、または後継者はいても引き継ぐ準備が進んでいない会社が、どの補助金をどう使えるか、採択された会社がどんな課題を抱えていたかを知りたい方に向けた記事です。

採択事例の集計と、事業承継・M&A補助金・持続化補助金・省力化投資補助金の公募要領から整理します。

後継者の有無で使える補助金は変わる?

変わります。補助金は、後継者が決まっているか、決まっていないか、事業を続けないかの3つで選び分けます。

会社の状況 主に使う補助金・枠 補助される費用
子どもや従業員が継ぐことが決まっている 事業承継・M&A補助金 事業承継促進枠 承継の前後の設備投資など
継ぐ人がいないので、ほかの会社に譲りたい 事業承継・M&A補助金 専門家活用枠(売り手支援類型など) 仲介・FA・DDなどM&Aの専門家の費用
ほかの会社を買って事業を引き継ぎたい 専門家活用枠(買い手支援類型)・PMI推進枠 M&Aの専門家の費用、買った後の統合の費用
相手が見つからず、会社をたたんで新しい挑戦をする 事業承継・M&A補助金 廃業・再チャレンジ枠 廃業登記・在庫の処分・解体などの費用
後継者が中心になって販路を広げる 持続化補助金(事業承継の加点) チラシ・ウェブサイト・機械など

どの補助金も、申請できるのは中小企業や小規模事業者で、会社の規模の基準は補助金を申請できる会社・できない会社で取り上げています。

事業承継・M&A補助金とは?

事業承継・M&A補助金は、中小企業庁が所管する補助金で、後継者への承継やM&Aをきっかけにした設備投資、M&Aの専門家の費用、M&A後の統合、廃業の費用を補助します。後継者への承継とM&Aの両方を、1つの制度の中の枠で選べるのが特徴です。

4つの枠の補助額と申請の時期は事業承継・M&A補助金の公募と4つの枠で取り上げています。

採択事例の会社が抱えていた承継の悩み

補助金の採択事例545件のうち、事業承継や後継者を課題に挙げた事例は22件です。制度別では、事業承継・M&A補助金が9件、持続化補助金が9件で、ものづくりや設備投資の補助金にも少しあります。

悩みの形 採択事例に多い取り組み
先代が病気や高齢で、急に引き継ぐことになった 休業していた店を再開するための改装や設備の入れ替え
熟練の職人の技が、先代や高齢の技術者の頭の中にしかない 作業を標準化できる機械を入れ、若手でも同じ品質を出せるようにする
顧客の情報や取引の記録が、経営者しかわからない 顧客管理のソフトや受注のウェブサイトを整え、後継者に引き継げる形にする
閉店も考えたが、子どもが継ぐことになった 店の売り方を変える新しいサービスの立ち上げと、その告知
業界全体で職人が高齢化し、作り手が減っている 採用につながる情報発信や、生産を続けるための設備投資

採択事例は補助金の採択事例で業種や経費ごとに探せます。

後継者が決まっている会社の使い方

後継者が決まっているなら、事業承継促進枠で、承継の前後の設備投資を申請できます。継ぐ人は、会社の役員や従業員として3年以上働いてきた人か、経営の経験が無い親族です1。

  • 補助上限:800万円(賃上げ要件を満たした場合1,000万円)
  • 補助率:小規模事業者等は2/3以内、それ以外は1/2以内。800万円超~1,000万円部分は1/2以内
  • 承継の時期:申請の締切日から5年以内に、代表の交代と株式などの移転を終える

採択事例でも、事業承継・M&A補助金の事例19件のうち17件が設備費を使っていて、承継をきっかけにした設備の入れ替えが中心です。代表交代の期限の決まりは事業承継の加点と対象になる会社で取り上げています。

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後継者がいない会社が取れる3つの道

継ぐ人がいない会社には、会社を譲る、継ぐ人を外から探す、事業をたたむ、の3つの道があります。

  1. ほかの会社に譲る:仲介会社やFA、DDの費用は専門家活用枠で補助されます。売り手の補助上限は600万円(DD実施時+200万円、廃業費併用+300万円)。補助上限額・上乗せ額の欄は買い手・売り手で共通(DD上乗せを含め最大800万円)です2。
  2. 継ぐ人を外から探す:事業承継・引継ぎ支援センターの後継者人材バンクで、創業を目指す人と引き合わせてもらえます。
  3. 事業をたたむ:相手が見つからなかった場合は、廃業・再チャレンジ枠で廃業の費用を申請できます。

どの道を選ぶかを決める前に、公的な窓口で相談できます。相談の進め方は認定支援機関とは?役割・選び方で取り上げています。

持続化・省力化で取れる承継の加点は?

事業承継・M&A補助金のほかにも、承継を後押しする加点があります。持続化補助金の事業承継加点は、政策加点④事業承継加点:基準日時点の代表者が満60歳以上で、後継者候補が補助事業を中心になって行う場合(様式10は毎回発行が必要)が条件です3。

補助金 加点の条件 出すもの
持続化補助金 代表者が満60歳以上で、後継者候補が補助事業を中心になって行う 商工会・商工会議所が発行する事業承継診断票、代表者の生年月日がわかる書類
省力化投資補助金(一般型) 事業承継やM&Aをしたことがわかる確認資料

持続化補助金のほかの加点との選び方は持続化補助金の加点要件とは?で取り上げています。

専門家から見た後継者問題と補助金のポイント

後継者の問題で補助金を使う会社は、承継の段取りと投資の計画を1本の話にできると、審査で評価されやすくなります。事業承継・M&A補助金の採択事例を業種で見ると、製造業が10件で最も多く、技の引き継ぎを設備で支える計画が目立ちます。

補助金を使いやすい会社

後継者がすでに社内にいて、後継者自身が「何を変えるか」を言葉にできる会社です。事業承継促進枠も持続化補助金の加点も、後継者が中心になって取り組むことを求めているため、後継者が計画を書く方が中身に説得力が出ます。

どの補助金にするか迷う会社

後継者の候補はいるが、本人がまだ継ぐと決めていない会社です。事業承継促進枠は、申請の締切日から5年以内に代表を交代することが前提なので、本人の意思が固まる前に申請すると、後で計画どおりに進まないおそれがあります。先に持続化補助金で、後継者候補が中心の小さな取り組みから始める選び方もあります。事業承継の加点のまとめは事業承継の加点とアトツギ甲子園の取り方で取り上げています。

間違えやすい点

後継者の問題で補助金を使うときに間違えやすいのは、承継の形と、使う枠の組み合わせです。

注意

事業承継促進枠は、第三者の会社に株式を売るM&Aを対象にしていません。継ぐ人がいないので会社を譲る場合は、専門家活用枠を使います。

注意

代表の交代を申請の締切日より前に済ませると、事業承継促進枠の対象外になります。交代の登記の日は、申請の予定と合わせて決めます。

採択の後も、承継の報告や事業の状況の報告が続きます。採択後の決まりは事業承継・M&A補助金の採択後の手続きで取り上げています。

よくある質問

後継者が見つかる前でも、事業承継・M&A補助金を申請できますか?

事業承継促進枠は、継ぐ人が決まっていることが前提です。継ぐ人がいない場合は、M&Aで譲る専門家活用枠を検討します。

娘婿や兄弟は後継者として認められますか?

経営の経験が無い親族なら、事業承継促進枠の承継予定者になれます。親族ではない場合は、役員や従業員として3年以上働いた経験が要ります。

個人事業主の店を子どもに継がせる場合も対象ですか?

対象です。親が廃業し、子どもが開業して事業用の資産を引き継ぐ形で、親子が共同で申請します。どちらも青色申告をしていることが条件です。

後継者の死亡で承継ができなくなったら返還ですか?

後継者の死亡など本人の責任ではない理由なら、返還は求められません。

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出典(3件)
  1. 事業承継・M&A補助金 16次 事業承継促進枠 公募要領 p.12『6.1.(1)承継予定者の要件』
  2. 事業承継・M&A補助金 16次 専門家活用枠 買い手・売り手支援類型 公募要領 p.21『10. 補助上限額、補助率等』
  3. 持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区) p.37『12.Ⅲ 政策加点④』

参考資料

  • 事業承継・M&A補助金事務局「16次 事業承継促進枠 公募要領」
  • 事業承継・M&A補助金事務局「16次 専門家活用枠 買い手・売り手支援類型 公募要領」
  • 持続化補助金事務局「通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)」
  • 中小機構「省力化投資補助金 一般型 第8回 公募要領」
  • 公募要領の台帳(事業承継・M&A補助金)
  • 公募要領の台帳(持続化補助金)
  • 公募要領の台帳(省力化投資補助金)

確認日:2026年10月17日

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目次

  1. 後継者の有無で使える補助金は変わる?
  2. 事業承継・M&A補助金とは?
  3. 採択事例の会社が抱えていた承継の悩み
  4. 後継者が決まっている会社の使い方
  5. 後継者がいない会社が取れる3つの道
  6. 持続化・省力化で取れる承継の加点は?
  7. 専門家から見た後継者問題と補助金のポイント
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