顧客管理(CRM)・LINE配信・予約ツールの補助金|対象になる機能
この記事の要点
顧客管理(CRM)や予約受付、自動配信のツールは、デジタル化・AI導入補助金の通常枠で申請できます。入るプロセス、対象外になる機能の線引き、LINE公式アカウントや広告の扱い、持続化補助金の広報費との使い分けを公募要領で整理しました。
この記事の目次
顧客管理(CRM)や予約受付、お客さまへの自動配信のツールは、デジタル化・AI導入補助金の通常枠の「顧客対応・販売支援」のプロセスで申請できます。ただし、顧客の情報をためて表示するだけの機能は対象外で、情報を使って次の来店や購入につなげる機能が要ります。
LINEなどの広告で友だちやお客さまを集める費用は、持続化補助金の広報費で考えます。
お客さまの情報をまとめ、予約の受付やLINE・メールでの案内を自動にしたいと考えていて、どこまで補助金の対象になるかを知りたい方に向けた記事です。
デジタル化・AI導入補助金と持続化補助金の公募要領から、顧客管理と集客のツールに関係する所を整理します。
デジタル化・AI導入補助金とは?
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業や小規模事業者がソフトやクラウドを入れて売上を伸ばしたり業務を減らしたりする費用を、国が一部補助する制度です。IT導入補助金の後を継ぎ、ソフトの導入を広く支える通常枠を中心にしています。
対象は、IT導入支援事業者が事務局に登録したツールだけで、クラウドの利用料も期間を区切って対象になります。通常枠でクラウドの製品を選ぶと「導入するITツールとしてクラウド製品を選定」として加点も受けられます1。制度の全体はデジタル化・AI導入補助金とは?5つの枠と対象者で取り上げています。
CRMや予約ツールが入るプロセスは?
顧客管理、営業の管理、予約の受付は、どの業種にも共通の「顧客対応・販売支援」のプロセスに入ります。公募要領は、このプロセスを「共P-01「顧客対応・販売支援」:MA(トラッキング・リード管理)、SFA、CRM、予約受付台帳、無人受付・無人チェックイン・順番発券機システム」と定めています。
| 入れたいツール | 入るプロセス | 単独で申請できるか |
|---|---|---|
| 顧客管理(CRM) | 共P-01(顧客対応・販売支援) | できる |
| メールやLINEで案内を送るMA | 共P-01 | できる |
| 営業の管理(SFA) | 共P-01 | できる |
| 店舗側で予約を管理する予約受付台帳 | 共P-01 | できる |
| 問い合わせに自動で答えるチャットボットだけ | 汎P-07(汎用・自動化・分析ツール) | できない |
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.37『別紙2:業種・プロセス一覧』台帳で見る
チャットボットだけのツールは汎用のプロセスなので、CRMや予約のツールと一緒に申請します。通常枠の上限と対象のツールはデジタル化・AI導入補助金の通常枠で取り上げています。
対象外になる顧客管理の使い方は?
同じ顧客管理のツールでも、機能によっては対象になりません。CRMについて公募要領は「CRMは顧客情報を使って顧客を醸成・育成するものが対象。顧客情報を保有・表示するだけの機能は対象外」としています2。
営業の管理も同じ考え方で、「SFAは営業活動を把握し企業全体の営業力強化につなげるものが対象。営業情報を保有・表示するだけの機能は対象外」とされています。名簿を表にして見られるだけのものではなく、購入の履歴から案内を送る、来店の間が空いたお客さまに連絡する、といった使い方ができるツールを選びます。
予約のツールは、店舗の側で予約を管理する機能が対象で、お客さまが使う予約画面を新しく作る作業は対象外です。予約やPOSを持続化補助金で入れた例は持続化補助金で予約・POS・業務システムを導入するで取り上げています。
LINEの配信や広告はどの補助金で出す?
LINE公式アカウントの月額そのものは、IT導入支援事業者が登録したツールではないため、デジタル化・AI導入補助金の対象にはなりません。LINEと連携して配信を自動にするCRMやMAが登録されていれば、そのツールの利用料は対象になりえます。
友だちを増やすための広告や、新しい商品を知らせる配信の広告は、持続化補助金の広報費に入ります。公募要領は広報費を「パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等。補助金交付申請額の上限30万円(税込)。広報費のみの申請不可」としています3。SNS広告や運用の外注の扱いは持続化補助金で広告・SNS・Web広告を出すで取り上げています。
専門家から見た顧客管理ツールのポイント
顧客管理のツールは、リピートを増やす計画にすると効果を書きやすくなります。持続化補助金の採択事例364件のうち、集客や繁閑の差を課題にした事例は81件あり、デジタル化・AI導入補助金の採択事例でも同じ課題の事例が5件ありました。
CRMや予約ツールを入れるのが向いている会社
美容室や整体、飲食店など、同じお客さまに何度も来てもらう商売で、予約を電話と紙の台帳で受けている会社です。予約の電話にかかる時間と、再来店の割合の変化を計画の目標に置けます。
持続化補助金の広報費と迷う会社
お客さまの数そのものが少なく、まだ管理するほどの名簿が無い会社です。まず広告やチラシで新しいお客さまを集めるなら持続化補助金、集まったお客さまの再来店を増やすならデジタル化・AI導入補助金と、順番で考えます。平日や閑散期の集客の打ち手は平日や閑散期の客が少ない宿と飲食店の補助金で取り上げています。
間違えやすい点
顧客管理のツールで間違えやすいのは、配信の費用と、ツールの選び方です。
メールやLINEで送るメッセージの通数に応じて増える従量の費用や、配信する文章を作ってもらう費用は、登録されたツールの利用料に入っていなければ対象外です。見積の内訳で、どこまでがツールの費用かを確かめます。
受付の端末やタブレットのような機械は、通常枠では対象外です。無人受付のシステムもソフトの部分だけが対象になります。
申請から実績報告までの流れはデジタル化・AI導入補助金の申請手順で取り上げています。
よくある質問
LINE公式アカウントの月額は補助金の対象ですか?
LINE公式アカウントそのものは、デジタル化・AI導入補助金の登録ツールではないため対象外です。LINEと連携するCRMやMAが登録されていれば、そのツールの利用料は対象になりえます。
顧客管理と一緒に会計やPOSのソフトも入れられますか?
入れられます。会計やPOSのプロセスが加わると、ツールが持つプロセスの数が増え、4プロセス以上なら上限の高い枠で申請できます。
顧客管理のツールだけで申請できますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(3件)
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.22『3-3(2)① 加点項目について』
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.37『別紙2:業種・プロセス一覧』
- 持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区) p.13『7.(3)② 広報費』
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