省力化補助金は設備導入に使える?採択された使い方と注意点

この記事の要点

省力化補助金は設備導入に使え、製造業・飲食店・小売業・サービス業で採択例があります。採択事例26件をもとに、業種ごとの実例と対象の境目、補助上限、対象外の経費、間違えやすい点を整理しました。御社の計画に近い例を探せます。

この記事の目次
  1. 製造業が42%で最も多い
  2. 飲食店・宿泊業が19%
  3. 小売業・卸売業が15%
  4. サービス業は3件で検査を短縮
  5. 小規模の基準は業種ごとに違う
  6. 補助上限は従業員数で変わる
  7. 採択率は公募回で変わる
  8. 専門家から見たポイント
  9. 間違えやすい点
  10. よくある質問
結論

省力化補助金は設備導入に使え、採択事例では2026年10月時点で26件中11件(42%)が製造業です。

飲食店・宿泊業が5件(19%)、小売業・卸売業が4件(15%)と続きます。補助上限は従業員数で、小規模の基準は業種で変わるため、対象条件と補助上限の節で確かめられます。

鋼板の曲げや紙積みなど、人手に頼る工程を機械に任せたいが、どの業種で採択された例が多いのか分からない。省力化補助金の使い道を、採択事例の数と実例で知りたい方に向けた記事です。

省力化補助金(中小企業省力化投資補助事業)とは、人手を減らす設備や製品の導入費を補助する制度です。条件の詳しい決まりは省力化補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

製造業が42%で最も多い

省力化補助金で設備導入に使われた採択事例は、2026年10月時点で26件あります。業種の内訳は次のとおりです。割合は、この組の事例26件に対するものです。

業種 件数 割合
製造業 11件 42%
飲食店・宿泊業 5件 19%
小売業・卸売業 4件 15%
サービス業 3件 12%
運送業 1件 4%
建設業 1件 4%
美容・生活サービス業 1件 4%

個別の事例は設備導入の採択事例で見られます。

製造業は、26件中11件(42%)で最も多い業種です。ラインの工程を機械で置き換える例が並びます。製造業の設備導入では、まず機械装置の決まりを確かめます。

  • 機械装置・システム構築費(必須):必ず1つ以上、単価50万円(税抜)以上の機械装置等の設備投資が必要(借用に要する経費は含まない)

鋼板の曲げ加工の例では、作業が4名から2名になり、加工時間は約7割減りました。部品の運搬や紙積みの工程を設備に任せる計画も見られます。

1一般型|鋼板の曲げ加工機

2カタログ注文型|無人搬送車で部品運搬

3カタログ注文型|薄紙の紙積み装置

飲食店・宿泊業が19%

飲食店・宿泊業は、26件中5件(19%)でした。券売機やオーブンなど、注文や調理の工程を機械に任せる例が見られます。

温泉施設の食堂の例では、閉店後の現金締めが2〜3時間から数分になり、残業はほぼゼロになりました。

2カタログ注文型|ハンバーグのオーブン調理

3カタログ注文型|タッチパネル券売機

小売業・卸売業が15%

小売業・卸売業は、26件中4件(15%)でした。魚の下処理や給油の受付を、機械やタブレットに任せる例があります。

魚の下処理の例では、タイ200枚のウロコ取りが6人がかりで計300分から12分になりました。

1一般型|魚のウロコ取り機

2カタログ注文型|給油許可のタブレット

サービス業は3件で検査を短縮

サービス業は26件中3件(12%)、美容・生活サービス業は1件(4%)でした。検査機器や仕上げ工程を設備に任せる例があります。

車検の例では、工程全体の検査時間が1日約6.9時間から約0.9時間になり、処理能力は1日3台から最大6台になりました。

1一般型|車検の検査機器

2一般型|クリーニングの仕上げ機

小規模の基準は業種ごとに違う

御社が対象になるかは、まず次の2つで確かめます。小規模企業者・小規模事業者の従業員数の基準は、業種で分かれています。

  • 日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業等(個人事業主を含む)。特定事業者の一部、NPO法人、社会福祉法人、歯科医業を営む医療法人も対象
  • 小規模企業者・小規模事業者:常勤従業員数が製造業その他・宿泊業・娯楽業20人以下、卸売業・小売業・サービス業5人以下

制度全体の使い道は省力化・省人化に使える補助金は?設備・ITツール別の選び方と注意点で取り上げています。

御社の工程を設備に置き換える計画が、業種ごとの小規模の基準や従業員数の区切りで対象になるかは、AIで3分ほどで確かめられます。

AIで対象か確認する

補助上限は従業員数で変わる

一般型の補助上限は、従業員数で次のように分かれます。

  • 従業員5人以下:750万円(大幅賃上げ特例適用時1,000万円)
  • 従業員6~20人:1,500万円(特例適用時2,000万円)
  • 従業員21~50人:3,000万円(特例適用時4,000万円)
  • 従業員51~100人:5,000万円(特例適用時6,500万円)
  • 従業員101人以上:8,000万円(特例適用時1億円)

補助率は、次の2つです。

  • 中小企業 1/2(最低賃金引き上げ特例適用時 2/3)
  • 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者 2/3

出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.9『1-4(1)② 補助上限額』台帳で見る

条件の全体は省力化補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

採択率は公募回で変わる

省力化補助金の採択率は、最新回(第6回)で63.9%です。回ごとの推移は、次のグラフのとおりです。

省力化補助金の採択データ

中小企業省力化投資補助金(一般型)の第6回の採択率は63.9%でした。採択事例では製造業が39%と最も多く、経費はカタログ掲載の省力化製品が57%の事例で使われています。

採択率の推移

第6回63.9%
直近5回の平均64.5%

採択事例 28件採択事例を見る ›

出典(1件)
  1. 中小企業庁「採択結果」・ミラサポplus(第2回〜第6回)
採択率は採択数÷応募数で計算しています。業種・経費は、国・省庁などが公開している採択事例28件を数えた割合です(1つの事例で複数使うため、合計は100%を超えることがあります)。

採択されなかったときに理由を聞けるかは、補助金の不採択の理由は教えてもらえる?で取り上げています。

専門家から見たポイント

載せた事例の成果は、作業時間や人数の数字で示されています。直近の採択率は63.9%で、回によって上下します。

効果を数字で示せる会社

作業の前後を時間や人数で比べられる会社は、事例の書き方が参考になります。革の裁断は1枚60分が15分になり、中華麺の総作業時間は1日600分から400分になりました。ジェラートの製造時間も1日6時間から4.3時間になっています。

カタログ注文型で探したい会社

省力化製品を選んで導入する型は、一般型と経費の決まりが違います。違いは、間違えやすい点で示します。

設備と業務システムを組み合わせる計画がどの経費区分に入るかは、専門家に無料で相談して確かめられます。

間違えやすい点

間違えやすいのは、保守や対象外になる経費の決まりです。

  1. 保守契約が必要:システム構築費を計上する場合は3~5年の保守・メンテナンス契約の締結が必要。保守・メンテナンス費用は補助対象外
  2. 基礎工事は対象外:設置場所の整備工事や基礎工事に要する費用は対象外。「据付け」は設置と一体の軽微なものに限る
  3. 汎用品は対象外:汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用のパソコン・プリンタ・スマートフォン・タブレット端末等)
  4. 中古品は対象外:中古品購入費
  5. 特例は条件つき:大幅賃上げ特例は、最低賃金引き上げ特例の事業者・補助金額が上限額に達しない場合・再生事業者・常勤従業員がいない場合は引き上げ不可
  6. カタログ注文型の導入経費:導入経費(設置作業・運搬費・動作確認・マスタ設定等):製品本体価格の2割が上限。導入経費の補助額も製品本体の補助額の2割が上限。借用の場合は対象外

券売機を入れ替える場合の注意は券売機の買い替えに省力化投資補助金は使える?置き換えの条件で取り上げています。

よくある質問

従業員が少なくても申請できますか?

一般型は、従業員5人以下の区分でも補助上限が定められています。カタログ注文型では、次の決まりがあります。

常勤従業員がいない事業者は追加審査(事業活動を示す証憑の提出)。2回目以降の申請は不可

補助金で設備費用は全額まかなえますか?

全額にはなりません。補助率と補助上限の両方があるため、補助される金額は、自己負担を含めて計画で確かめる必要があります。

機械装置以外の経費にも上限がありますか?

一般型には、機械装置以外の経費の上限があります。公募要領には、次のように書かれています。

「機械装置・システム構築費」以外の経費は総額で500万円(税抜き)までを補助上限額とする

一般型とカタログ注文型は同時に申請できますか?

カタログ注文型の申請単位には、次の決まりがあります。一般型との組み合わせは、それぞれの公募要領で確かめられます。

導入経費のみの申請、1回の交付申請で複数種類の製品を申請することは不可

事例の成果はどう確かめればよいですか?

事例の成果は、作業時間や人数の数字で示されています。御社の計画でも、導入前と導入後の数字をそろえておくと比べやすくなります。

業種ごとの活用例は省力化投資補助金の業界別活用例|業種ごとに使える製品と条件で取り上げています。

ほかの質問も見る省力化投資補助金のよくある質問
出典

いま申請できる回

中小企業省力化投資補助金

公募回
第9回
締切
2026年12月下旬(予定)

公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)

よく採択されているテーマ

中小企業省力化投資補助金で採択された計画7,432件を、やりたいことで分けました。

中小企業省力化投資補助金では「設備導入」が70%で一番多く、次が「業務システム・IT」(23%)です。

業種ごとのテーマを見る ›

「設備導入」で採択された計画名の例

  • 老朽化した下水道管を守る!非開削工法による省力化事業
  • 専用農機の複合導入による水稲栽培方法の転換と効率化
  • 限界生産性が高い道央圏向け鉄骨加工量増加のための省力化投資

この補助金の採択事例

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VOICE

この補助金を使った人の声

出典:国・省庁などの公開情報をもとに当社が加工

中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

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