パソコンだけでは申請できない?デジタル化・AI導入補助金のハードの条件
この記事の要点
パソコンやタブレットだけの申請は、デジタル化・AI導入補助金ではできません。機械を買えるインボイス対応類型の条件、一緒に買える機械の種類、通常枠やほかの補助金での扱い、購入先や付属品の注意点を公募要領とよくある質問で整理しました。
この記事の目次
パソコンやタブレットだけを買う申請は、デジタル化・AI導入補助金ではできません。ハードウェアが対象になるのはインボイス枠(インボイス対応類型)で、会計・受発注・決済のソフトと一緒に買う場合だけです。
通常枠では、パソコンやタブレットは対象外です。
古くなったパソコンやタブレットを補助金で買い替えたいと考えていて、IT導入補助金(今のデジタル化・AI導入補助金)で機械だけ買えるのかを知りたい方に向けた記事です。
インボイス対応類型と通常枠の公募要領、公式のよくある質問から、ハードウェアを買うときの条件を整理します。
デジタル化・AI導入補助金とは?
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業や小規模事業者がソフトやクラウドのサービスを入れて業務を効率化する費用を、国が一部補助する制度です。2025年度までのIT導入補助金を引き継ぎ、通常枠やインボイス枠など目的ごとの枠に分かれています。
ハードウェアを買えるのはインボイス枠(インボイス対応類型)などの一部の枠です。インボイス対応類型で対象になるソフトは「大分類Ⅰ ソフトウェア(インボイス対応、会計・受発注・決済を1種類以上)。サブスクは最大2年分」と定められています1。枠ごとの対象者はデジタル化・AI導入補助金とは?5つの枠と対象者で取り上げています。
パソコンだけで申請できない理由は?
インボイス対応類型のよくある質問は、ハードウェアだけの申請について「Q:ハードウェアだけで申請できないのはなぜか→ A:生産性向上とインボイス制度への対応を見据えたソフトウェアの導入支援が目的のため、ハードウェアのみの申請はできない。」と答えています(デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型) よくあるご質問 p.1『全般/補助対象(No.8)』)。
補助金の目的は、インボイスに対応した会計や受発注の仕組みを入れることにあり、パソコンはそのソフトを使うための道具という扱いです。このため、申請には会計・受発注・決済のどれかの機能を持つソフトが必ず入ります。インボイス対応類型の全体はデジタル化・AI導入補助金のインボイス対応類型で取り上げています。
ソフトと一緒に買える機械の種類と上限は?
インボイス対応類型で買える機械は、種類が決まっています。公募要領は対象のハードウェアを「大分類Ⅳ ハードウェア(PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機、POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機)。ソフトウェアの導入とあわせて購入する場合に限る」としています。
| 機械の種類 | 補助額と補助率 |
|---|---|
| パソコン・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機 | PC・タブレット等:下限なし~10万円、補助率1/2以内 |
| POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機 | レジ・券売機:下限なし~20万円、補助率1/2以内 |
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型)公募要領(改訂版) p.16『2-3 補助対象経費、補助率及び補助額』
ソフトの部分は補助率が高く、機械の部分は補助率が低く上限も小さいため、補助額の多くはソフトの側で決まります。補助額の計算のしかたは補助率とは?で取り上げています。
通常枠でパソコンを買うことはできる?
通常枠では、パソコンやタブレットは買えません。通常枠のよくある質問は「Q:ハードウェアは補助対象か→ A:通常枠ではハードウェアは補助対象外。」と答えています(デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 よくあるご質問 p.1『全般/補助対象(No.7)』)。
勤怠や販売管理などのソフトを通常枠で入れる会社が、使うパソコンも新しくしたい場合は、パソコンを自社の費用で買うか、インボイス対応類型で会計などのソフトと一緒に申請するかを選びます。通常枠で対象になるソフトの範囲はデジタル化・AI導入補助金の通常枠で取り上げています。
パソコンをほかの補助金で買える場合は?
パソコンやタブレットは、ほかの主な補助金でも「汎用品」として対象外です。どの仕事にも使えるため、補助事業のためだけに使ったか確かめられないからです。
| 補助金 | パソコン・タブレットの扱い |
|---|---|
| 持続化補助金 | パソコン・事務用プリンター・タブレット端末等、汎用性が高く目的外使用になりえるものは対象外 |
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 対象外:汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用PC、プリンタ、タブレット、スマートフォン等)の購入費・レンタル費 |
| 省力化投資補助金(一般型) | 対象外:汎用性があり目的外使用になり得るもの(事務用のパソコン・プリンタ・スマートフォン・タブレット端末等) |
出典:持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区) p.13『7.(3)① 機械装置等費(対象とならない経費例)』台帳で見る
新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.32『1-6-2. 補助対象外となる経費』台帳で見る
中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.23『3-2 補助対象外経費』台帳で見る
デジタル化・AI導入補助金のインボイス対応類型は、ソフトと一緒なら買える数少ない例です。補助金で対象外になりやすい経費は補助金の対象外経費7分類で取り上げています。
専門家から見たハード購入のポイント
ハードウェアは、ソフトの導入計画に付いてくる経費と考えます。デジタル化・AI導入補助金の採択事例37件を経費で見ると、ソフトウェア購入費を計上した事例が17件あるのに対し、ハードウェア購入費を計上した事例は1件でした。
パソコンも一緒に申請するのが向いている会社
まだインボイスに対応した会計や請求のソフトを入れておらず、そのソフトを動かすパソコンやタブレットが無い会社です。レジや受注の端末を店に置く場合も、ソフトと機械を1つの計画にまとめられます。
パソコンを補助金に入れるか迷う会社
会計ソフトはもう入っていて、パソコンを新しくしたいだけの会社です。機械のために新しいソフトを申請すると、使わない機能に費用をかけることになります。この場合は補助金に頼らず、必要な台数を自社で買う方が早く済みます。申請から入金までの流れはデジタル化・AI導入補助金の申請手順で取り上げています。
間違えやすい点
ハードウェアで間違えやすいのは、どこで買うかと、付属品の範囲です。
パソコンやタブレットは、家電量販店などで自分で買ったものは対象になりません。公式のよくある質問は「Q:ハードウェアは補助対象か→ A:対象のソフトウェアとあわせて買う場合に限り対象。PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機はIT導入支援事業者が提供するもの、POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機はIT導入支援事業者が提供し事務局に事前登録されたものが対象で、一部のハードウェアは事前登録が要らない。」としています。
マウスやケースなどの付属品は、ソフトを使うのに要る分だけです。よくある質問の答えは「Q:PCやタブレットの付属品も補助対象経費に含めてよいか→ A:原則、導入するソフトウェアを継続して使うために必要最低限の機器一式が対象。」です。
機械を買った場合は、実績報告で納品書と設置した現物の写真を出します。IT導入支援事業者の選び方はIT導入支援事業者とは?で取り上げています。
よくある質問
中古のパソコンやリースでも対象になりますか?
中古品とリース・レンタルのITツールは対象外です。新品を買い取る形で申請します。
パソコンは何台まで申請できますか?
台数そのものの決まりは公募要領に書かれていません。対象は導入するソフトを使い続けるのに要る最低限の機器なので、ソフトを使う人数に合った台数にします。
スマートフォンは対象ですか?
対象のハードウェアはパソコン・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機と、POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機に限られます。スマートフォンは入っていません。
パソコンを先に買ってから申請できますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(1件)
- デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型)公募要領(改訂版) p.13『2-2(3) 交付申請時のITツールの要件』
参考資料
- 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型)公募要領(改訂版)」
- 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型) よくあるご質問」
- 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 よくあるご質問」
- 全国商工会議所「持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)」
- 中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領」
- 中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)」
- 公募要領の台帳(デジタル化・AI導入補助金)
- 公募要領の台帳(持続化補助金)
- 公募要領の台帳(新事業進出・ものづくり補助金)
- 公募要領の台帳(省力化投資補助金)
確認日:2026年10月17日
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