修繕・改装・リフォーム費用は補助金の対象?建物費と修繕費の線引き
この記事の要点
改装やリフォームの費用は、新しい事業や販路の開拓に必要なら補助金の対象になりえますが、維持のための修繕は原則対象外です。制度ごとの経費の区分、修繕との線引き、持続化補助金の改装の例、撤去費の扱いを公募要領で整理しました。
この記事の目次
修繕・改装・リフォームの費用が補助金の対象になるかは、工事の目的で決まります。新しい事業や販路の開拓に必要な改装は対象になりえますが、雨漏りの修理や古くなった所の補強のような、今の建物を保つための修繕は原則として対象外です。
持続化補助金では店舗の改装を委託・外注費として、新事業進出・ものづくり補助金と成長加速化補助金では建物の改修を建物費として計上します。
店舗や工場の改装・リフォームの費用を補助金で出せるか、修繕とどう線を引くのかを知りたい方に向けた記事です。
持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、成長加速化補助金の公募要領とよくある質問から、改装と修繕の扱いを整理します。
改装・修繕が制度ごとに入る経費の区分
改装や修繕の費用が入る経費の区分を、制度ごとに表にします。
| 制度 | 入る経費の区分 | 対象になる工事 |
|---|---|---|
| 持続化補助金 | 委託・外注費 | 販路の開拓や業務の効率化につながる店舗の改装 |
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 建物費(新事業進出枠・グローバル枠のみ) | 補助事業に使う建物の建設・改修 |
| 成長加速化補助金 | 建物費 | 補助事業に使う建物の建設・増築・改修 |
出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.28『1-6-1. 補助対象経費の区分』台帳で見る
持続化補助金で店舗を改装した事例は持続化補助金で店舗改装・内外装を行うで取り上げています。
維持のための修繕が対象外になる線引き
修繕が対象外になるのは、補助金が新しい取り組みを支えるためのもので、今の状態を保つ費用は対象にしていないからです。新事業進出・ものづくり補助金のよくある質問は、老朽化した建物の補強や雨漏りの修理など、維持管理のための修繕は原則として対象外としています。
- 対象外になりやすい工事:雨漏りの修理、外壁の塗り直し、古くなった設備の交換だけの工事。
- 対象になりうる工事:新しい商品を作るための作業場の改修、新しいサービスのための客席の改装。
同じ工事でも、目的と内容で一つずつ判断されます。計画書では、その工事が補助事業のどの取り組みに必要かを書きます。古い設備の入れ替えの扱いは新事業進出・ものづくり補助金の対象経費でも取り上げています。
持続化補助金で対象になる改装の例
持続化補助金は、店舗の改装を委託・外注費に入れます。創業型の公募要領は、対象の例として対象例:店舗改装・バリアフリー化工事、利用客向けトイレの改装、製造強化のためのガス・水道・排気工事、移動販売等の車の内装・改造工事、インボイス制度対応のための専門家への相談費用を挙げています1。
一方で、販路開拓・業務効率化に結びつかない工事、建物の増築・増床など不動産の取得、貸しスペース事業の改装、営業代行業務、内訳不明の「諸経費」は対象外としています。改装が、お客さまを増やすことや仕事の効率を上げることに、どうつながるかを計画書で示します。計画書の書き方は持続化補助金の経営計画書の書き方で取り上げています。
建物費で改修を計上するときの条件
新事業進出・ものづくり補助金と成長加速化補助金では、建物の改修を建物費に入れます。成長加速化補助金は、建物費を建物費:専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、倉庫等の建設、増築、改修、中古建物の取得に要する経費(建物附属設備・付帯工事含む)としています2。
成長加速化補助金のよくある質問は、今ある建物の天井・床・壁の改修も、補助事業のための増築・改築に当たり、減価償却の資産に入れる場合は対象としています。一方で、建物の単なる購入や賃貸、土地代、構築物(門、塀、フェンス、駐車場舗装等)は対象外です。建物費の単価の決まりは補助対象となる建物費等は、単価 100 万円(税抜き)以上です。補助金と融資で工事の代金を用意する考え方は補助金と融資はどちらが先?で取り上げています。
撤去・解体の費用を計上できる場合
古い建物や内装を壊す費用は、単独では計上できません。新事業進出・ものづくり補助金は「建物の撤去費は、建物の建設・改修費(①)を計上している場合に限り対象。撤去費のみで建物費を計上することはできない」としています3。
新しく建てる、または改修する工事と一緒に行う撤去だけが対象です。撤去と新しい工事を同じ見積の中で分けて書いてもらいます。見積の取り方は補助金の見積書は申請時に要る?で取り上げています。
専門家から見た改装費用のポイント
改装の費用は、補助金の目的に合わせて「何のための工事か」を書けるかどうかで、対象になるかが分かれます。新事業進出・ものづくり補助金の採択事例97件のうち12件が建物費を使っており、新しい事業のために建物に手を入れる計画は少なくありません。
対象になりやすい改装
新しい商品やサービスを始めるために、作業場や売り場の使い方を変える改装です。改装の前と後で、何ができるようになるかを図や写真で示せます。
別の手段を考えたほうがよい工事
雨漏りや設備の故障を直すための工事です。補助金ではなく、修繕費として自社で計画するか、融資を検討します。改装を賃貸の物件で行う場合の注意は補助金の対象外になる事業とは?もあわせて確かめてください。
間違えやすい点
改装で間違えやすいのは、処分の制限と、着工の時期です。
補助金で改装した部分は、処分が制限される財産になることがあります。持続化補助金の創業型は、店舗の改装で一定額以上の外注工事をする場合などに当たるとしています。補助事業の後に、勝手に売ったり壊したりできません。
交付決定の前に工事を始めると、その工事は補助の対象になりません。工事の契約も交付決定の後にします。
交付決定の前後でできることは交付決定通知書とは?で取り上げています。
よくある質問
借りている店舗の改装も対象になりますか?
補助事業に必要な改装なら対象になりえます。大家さんの了解をとり、賃貸借契約の内容と原状回復の決まりを確かめておきます。
民泊の改装は対象になりますか?
持続化補助金では、住宅宿泊事業の改装は事業に使う部分の面積で按分した金額が対象です。住宅宿泊事業法の届出書も出します。
駐車場の舗装や門・塀の工事は対象ですか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(3件)
- 持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版 p.15『7.補助対象経費』
- 中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領 p.9『2.対象経費の区分 建物費』
- 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.28『1-6-1. 補助対象経費の区分』
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